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2009年_決算審査特別委員会(第2日目)総括質疑(2009.10.02)
教育費に関する総括質疑
◎【陣内泰子委員】 それでは、諸派二番手、市民自治の会の陣内泰子です。
 午前、午後と教育費の増額をという声がたくさん出ております。私も教育費について、なぜなかなかふえないのか、もっと増額をという思いで質問いたします。順番が変わりますが、御容赦いただきたいと思います。
 まず、基準財政需要額に占める教育需要額についてです。この問題については、6月議会で他の議員から八王子の教育支出は他の自治体に比べて少ないとの指摘があり、学校教育部長は真摯に受けとめているとのお答えでした。具体的にどのような状況かというと、2008年度の場合、建築費を除いた額で見ると、他の自治体は実際の教育支出が教育費の基準需要額の2倍、3倍である中、八王子は小学校ではわずか1.6倍、多摩26市中21番目で、また中学校では0.69倍という形で、基準財政需要額の額さえも満たしていないというのが現状で、もちろん最下位であります。この点を踏まえ、今回の決算で問題にしたいのは、基準財政需要額で教育支出分として積算されている項目、例えば学校図書費や特別支援教育費などがきちんとその目的に使われていない、この点について質問していきます。
 まず、特別支援教育費についてです。これは2007年度の特別支援教育がスタートし、障害による困難を克服するための教育を行うことが学校教育法上明確に位置づけられたことに伴い、国で予算措置されたもので、2008年度においては約360億円、八王子には1億3,608万円が地方財政措置されています。1校120万円を基準にしています。もちろん、不交付団体なので、これだけのお金が国から来ているわけではありませんが、一般財源の中から特別支援教育として最低これぐらいの金額は使って特別支援教育を推進してくださいといった費用になるわけです。そこで、この費用はどのように使われているのでしょうか。決算で見るならば4,695万円となっています。御説明ください。

◎石垣学校教育部長 国の部分で、交付税措置ですから、入らない1億3,600万円というお話でございますが、本市ではこれを一般財源の中で対応しているということでございます。特別支援教育にかかわる人材支援として、通常学級における特別支援サポーター等の配置に約5,000万円、それからメンタルサポーターに2,250万円、小中学校の特別支援学級における指導補助員の配置に3,370万円、さらに高尾山学園を入れますと3,630万円で、合計約1億4,000万円を支出しているということで私の方は見積もっているところでございます。

◎【陣内泰子委員】 今御説明があったように、メンタルサポーター、そして高尾山学園などの経費にもこの特別支援教育のためのお金が使われているという御説明でした。午前中もあったように、メンタルサポーター、これは不登校の支援のために設置されている制度というふうに伺っていますし、もちろん高尾山学園は不登校の子どもたちの支援としてつくられたもので、これは2007年から、この特別支援教育費というのが国から財政措置されている前から高尾山学園に関しては一般財源を3,800万円ずっと投入しているわけなんですよね。ということは、このような国から財政措置されている費用をこういう高尾山学園などに使うのは、私は目的外使用だと思います。それについてどう思いますか、お答えください。

◎石垣学校教育部長 それは、先ほど申し上げましたように、不交付団体でございますから、実際にはお金をいただいていないわけですね。ですから、そういう中で一般財源をそこに適用しているわけですから、その御指摘については、私は当たっていないと思っているところでございます。

◎【陣内泰子委員】 地方財政の中で、当たっていないというお答えでしたけれども、これは国が、つまり基準財政需要額というのは、ある意味でナショナルミニマムなわけですよね。せめて全国こういう基準でやってくださいよ、そういったために国が財政措置をしているわけなので、そのように使われていないということに対しては、大変私は問題だと思っています。そして、今回のように、一般財源を何に使うかということについては、不登校についてはこれである程度改善されるかもしれませんが、障害の克服の分が阻害されると言えます。これはある意味でおかしなことだと思います。  それでは、障害の克服に対して、一体どういう支援がなされているのか。普通学級に通いたい、また、支援がないので保護者が付き添っている、そんなケースも今まだ現実にあるかと思いますが、それはどのぐらいになっていますか。

◎石垣学校教育部長 障害のある児童、生徒がどのくらい通常学級に在籍しているかということは、ちょっと私の方は把握しておりませんけれども、現在、メンタルサポーターにつきましては、不登校に限らず、特別な支援を必要とする児童、生徒にも対応しております。また、要請のあった学校についてはすべて配置しており、そういう部分で対応していると考えているところでございます。

◎【陣内泰子委員】 教育長にお伺いします。教育長はこの間ずっと教育にはマンパワーが必要だとおっしゃっていました。このように、昨年、そして今年度、特別支援教育費、決して十分とは言えないわけですけれども、きちんと国でも特別支援教育を推進するための予算措置ということをやってきているわけで、それがきちんと使われなければならないと思うのですが、この点についてどうお考えでしょうか、お伺いします。
 それと、せめて高尾山学園に充てている3,800万円はきちんと特別支援教育の人件費に充てて、プラスして使っていただきたいと思いますが、その点もあわせてお答えください。特別支援教育に対して、今学校では大変大きな困難を抱えているということを十分御理解いただいてお答えいただきたいと思います。

◎石川教育長 学校の特別支援教育の実態をしっかり把握して必要な人件費を充てろということだというふうに思いますけれども、特別支援教育では、障害のある児童、生徒ひとりひとりの教育ニーズに応じた支援をしようということが基本的な考え方であります。その特別支援が必要な子どもというのは、不登校の子どもも実は心に障害があるというふうにとらえられるわけでして、高尾山学園に充てているものが適切でないというふうには思っておりません。確かに、質問者がおっしゃいますように、家庭、学校、地域における理解と多くのマンパワーが必要だということは私も十分承知をしているところです。今後も特別支援センターの巡回相談等を通して各学校の実態をしっかり把握しまして、特別支援教育についての教員の意識や専門性の向上を図りながら、保護者や外部支援者とのより有効な共同体制の実現に向けて、限られた予算を適切、有効に活用してまいりたいと思います。
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