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2005年 第4回定例議会 本会議 |
期末手当アップ反対討論 ただいま上程されました、第168号議案「八王子市議会議員の報酬および費用弁償に関する条例の一部を改正する条例設定について」、169号議案「八王子市長等の給与に関する条例の一部を改正する条例設定について」、(170号議案「八王子市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例設定について」、)(不利益不遡及の場合)そして171号議案「八王子市教育委員会教育長の給料および旅費等に関する条例の一部を改正する条例設定について」の、4議案について、反対討論を行います。 今議案の提案は、人事院会の勧告に従ってという側面、そして、168号議案、169号議案、171号議案は、期末手当について規定している条例に従ったまで、という側面がまずあります。しかし、そういった勧告や条例が社会状況や市民感情とかけ離れているものであるのなら、変更する勇気を持たなければなりません。 今、公務員パッシングの世論があります。これは、官民格差が非常に広がってきて、それを背景としてといえます。どうしてこれほどまでに官民格差が広がってきてしまったのか。これは、小泉首相の新自由主義に基づくグローバル化に対応する構造改革、つまりあらゆる分野での規制緩和や市場原理の導入によって、労働市場が大きく変わってきてしまったことに起因しています。中高年層の失業、年収250万時代の到来、非正規雇用の拡大、ニーと・フリーターの増大等々、公民格差はどんどん広がってきています。そして、いったん、「負け組」になれば、そこからなかなか出られない、格差は広がる一方という現実があるからで、ある意味で、期限の定めのない、倒産がない自治体労働者は『勝ち組』に属しているともいえるからこそのパッシングといえます。質疑の中で、人事委員会の民間水準を出す調査母体が企業規模100人以上、事業所レベル50人以上の事業所を対象ということが、いかに民間の実感からかけ離れているかということが明らかになったと思います。 この現実を厳しく直視していただきたい。6月議会において、期限付公務員の導入の条例が出されたとき、『多くの、同じ職場で働き続けたいと思っている人に対し、1年任期、5年任期、といった有期限の働き方がいかに不安定で、非情な雇用形態であるのか、想像できますか』とお聞きしたことがあります。さらに、公務職場で働く非常勤、臨時職員、嘱託職員、派遣職員など、同一労働をしながら、賃金ベースにおいては、大きな較差が存在しています。これは、行財政改革のなかで、人件費削減、人員削減のみを柱にしてきた施策の結果ですが、おなじ労働者として、こういったことに目をつぶらないでほしい。民間の給与水準はもっと低い、だから、もっと低くすべきといっているのではありません。 私は、今だからこそ、財政危機を克服し、分権型社会にふさわしい公共サービスのあり方、そして意欲を持って働ける公務労働の中身や人事院システムにかわる賃金体系、人材育成や評価制度などをぜひ、 公務労働者自らで作り上げていっていただきたい。それは透明性を担保したものであり、市民にとっても納得のいくものでなければなりません。その意味で、今回の人事院勧告に従っての条例提案に対しては、以上のような意見をつけて賛成したいところですが、不利益不遡及という扱いには納得いきません。今は、マイナス勧告ですが、プラス勧告のときは、年度の初めに遡及して、精算されていたものです。プラスはさかのぼって精算するけど、マイナスはいや、と言う論理はなりたちません。私にも経験がありますので、心情的にはよく理解できます。でも遡及という扱いに公平性が保たれなければなりません。それが認めがたいのであれば、改正の時点からプラスもマイナスも適用するとすればいいのです。 168号議案、議員の期末手当引き上げについてです。今回の勧告は給与についての勧告です。議員は給与ではなく、報酬審議会で決めた報酬をもらっているのであって、給与ではありません。だから、今回の勧告に従っての変更は当てはまらないわけです。しかし、地方自治法、ならびに条例において、期末手当の支給が定められています。勤勉手当ではありません。勤勉手当とは、職務の執務状況に応じて支払う、と言うのがそもそもの考え方であり、議員の活動になじまないものです。なぜ、期末手当が議員に支給されるようになったかというと、報酬が生活給的性格があるからという話をきいたことがありますが、議員における期末手当の問題をどう考えていくか、議論しなければならないところです。 一般職員に対しては、月給は減るけど、特別給はあがる、でも総体として低くなっています。にもかかわらず、議員だけが、制度に当てはめたからと言って引き上げを認めるわけにはいかないし、勤労者の平均給与が7年連続して減少しているといった現状や、今の本市の財政事情をかんがえるなら、市民に対して到底納得のいく説明はできません。と同時に、議員も公務員同様、厳しい視線にさられれていることを認識しなければなりません。 169号、171号議案についてです。市長などの特別職、そして教育長に対する措置ですが、期末・勤勉手当に関しては、2001年6月から20%の減額を行い、2003年度は10%の減額、そして、2004年度は減額なしという状況です。これは、2004年度はゼロ勧告であったこととも関係していると思われますが、こういった努力を市長始め、理事者の方々は続けてこられたのです。それは、職責が重い、激務である、ということを考えてもなお、職員や市民に対して、市政を預かるものとしての責任を示してきていたわけです。行財政改革に取り組むひとつの姿勢でもあったと言えます。では、なぜ、今回においては、自ら、特別給のアップを提案されたのでしょうか。理解できません。市民感覚からいっても、とても納得いくものではありません。 以上述べて、反対討論を終わります。 2004年12月に報酬審議会は、長引く景気の低迷、人事院のマイナス勧告、市税収入の減少等市財政の危機的状況を考えると、市民感覚としては、市長等三役の給料は減額は必要、という答申を出しました。このときから、どれだけ、情況が好転したというのでしょうか。市税収入の減少は続いています。人事院の勧告も特別給に関してはプラス勧告とはいえ、その比較検討の中身については問題があるものです。給料は減額となっていません。 <ページトップへ> |