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2010年_予算等審査特別委員会(第2日目)
平成22年度一般会計予算等に対する総括質疑(2010.03.09)
平成22年度一般会計予算等に対する総括質疑

◎陣内泰子委員 本日最後の質疑となります市民自治の会の陣内です。よろしくお願いいたします。
 2010年度予算案について、先週の代表質疑の中で明らかになったことは、落ち込む市税収入の中で実施計画を着実に推進するために、やむを得ない措置として臨時財政対策債を60億円借り受け、財政調整基金を59億円取り崩して歳入確保を行ったということでありました。このことにより、財政調整基金の残高は8億4,000万円だけになってしまったわけなんですが、何とか取り崩さないで予算を組むという考えはなかったのか。まず、そこからお伺いいたします。

◎田沼財務部長 まず、財政調整基金の関係ですけれども、22年度の市税の大幅な減収は御質問者のとおりでございまして、これを受けまして、一定程度の歳出の縮減で対応できる状況ではなかったと、まず言えます。市民生活の安定的な確保を図る、これをできるだけ守るためには、臨時財政対策債の活用とともに、財政調整基金につきましても、一時的な歳出の増加に対応するため、設置目的であります年度間の財源調整を図ったものです。市民の皆様から安心が得られるようにという原点に立ちまして、予算編成に努めてきたところでございます。

◎陣内泰子委員 私は昨年12月の議会で、実施計画の見直しについてお伺いしたところです。その中で、廃止事業はなく、事業の見直しや調整で3ヵ年で83億円の縮減を図ったという答弁があったわけです。今、財務部長の御答弁の中で、歳出の縮減で対応できるものではないというお答えがあって、それでやむを得ない措置となったということなんですが、昨年の実施計画、この縮減のときにおいては、財政調整基金をおろすということ、それから臨時財政対策債を借りるという、そういう判断をしてこの83億円の縮減を図ったということなのかどうか。まず、その確認をさせてください。

◎田沼財務部長 実施計画のお話でございますけれども、この計画上での取り扱いでありますが、ここにおきましては財政調整基金は44億円の取り崩しを行うというものでございます。あわせて臨時財政対策債につきましては、市税の減収に対応するということで、減収補てん債などというふうなことで63億円を計上したというものでございます。

◎陣内泰子委員 まず、今のことで明らかになったように、昨年の実施計画の見直しをした、その中で3ヵ年で83億円の縮減を図ったという中には、既に財政調整基金の取り崩しと、それから何らかの借り受け債ですね。臨時財政対策債なり、減収補てん債なりを借りるという、そういうことを見越してのあのときの見直しであったということを、まず確認しておきたいと思います。
 ところで、臨時財政対策債なんですけれども、これはいつまで、そしてその借り受け限度額、2010年度は60億円ということなんですけれども、その限度額というのは当然あるわけで、それは幾らになっているんでしょうか。

◎田沼財務部長 この臨時財政対策債は、地方交付税の代替措置でありまして、この交付税の算定方法が今後明らかになっていくわけですが、現時点では未決定の段階でありますので、22年度の限度額につきましては、21年度と同額の約61億円というふうに想定をしているところでございます。

◎陣内泰子委員 先の見通しが立たない。そして、これは地方財政計画の中で地方交付税の制度をどうするかということの中で決められてくることと思うんですけれども、非常に先の見通しがはっきりしていないものです。そして、なおかつ、60億8,000万円というような額が限度額として決められているという状況で、この臨時財政対策債に対しても、2010年度、多くの自治体が借り受けるという中で、不交付団体には額を減額するんじゃないかとか、いろんなことも言われているので、借金をするのも大変厳しい状況だということを踏まえておきたいと思います。
 そういう意味で、臨時財政対策債、2010年度は60億円を計上しているわけですけれども、今の話で言うと、もうこれ以上は借りられない。そういう中で、税収を888億円見込んでいます。今、年度末を迎えているところですが、32億円の市税収入減という、大変大幅な収入見込みの低下があったわけなんですが、2010年度、今後の見通しの中で、このような大きな税収の落ち込み、そういうことのないことを本当に願うわけですが、そういうようなことがあった場合、借金はできない。貯金もないという状況の中で、どんな対応が考えられるのか。お答えいただきたいと思います。

◎田沼財務部長 市税の減収に対しましては、その状況にもよるわけでありますけれども、基本的には財政運用の中で対応することとしておりまして、現段階ではこれ以上の借り入れは考えておりません。返す以上に借りない、あるいは22年度末の市債残高2,300億円台の財政規律は何としても守っていきたいというふうに思っているところでございます。

◎陣内泰子委員 税収がこの見込みで推移すること、そしてさらなる借金をしないという、その財政規律に関してのしっかりとした対応をお願いする次第であります。
 代表質疑の中で市税収入の今後の見通しはという中で、なかなかわからないというような御答弁がありました。そういう中で、少しずつ上向いてきているのではないかというようなことも語られていたわけですが、昨年秋に公表された実施計画の中で、市税収入見込みは2011年度は896億円、そして2012年は887億円と予想されています。私、この間の代表質疑を聞き、そしてこの数字を見ると、この数字自体がかなり楽観的な税収見込みなのではないかな、そしてまた、そのような楽観的な税収見込みにのっとって実施計画が立てられ、そして事業が進んでいるというふうに感じ、その意味で先ほども市税収入が落ち込んだらどうするんですかとお聞きしたわけですが、そういう意味で危機感を大変持っているところです。身の丈に合った予算にする、そのことが強く求められるかと思います。
 実施計画は昨年秋で最後ということでした。今後の厳しい財政運営の中で、あそこに盛り込まれている事業が来年、再来年、どのように遂行されていくのかというのが非常に不透明になるわけです。今後、大変厳しい市税収入の中で、事業の集中と選択をどう市民に納得のいくように行っていくのかをお聞きしたいと思います。

◎田沼財務部長 税収の見込みにつきましては、経済の先行きを読むのと全く同じように難しさが伴うわけでございます。しかし、収入の多寡にかかわらず、財政運営は中長期的な視点を持ちつつ、当該年度の支出の抑制と、収入の確保によって、目標といたします基金残高の補強も図っていく。こうした準備が重要と考えているところでございます。
 また、社会経済情勢が激しく変わる中におきましては、景気の動向、あるいは国や都の制度変更などの情報収集に努めることが、財政上の今後の対策を講じるために必要であるというふうに認識をしているところでございます。

◎陣内泰子委員 いろいろ国や都の動向を見きわめ、そして、その中で対策を速やかに考えていくということは当然必要かと思いますが、市政運営の根幹、それは市税収入であるわけです。そういう中で、今年度、来年度、これからの向こう3ヵ年の大変厳しい市税収入が落ち込むというふうに見込まれている。そういう中で、きちんと身の丈に合った予算の執行、考え方も私は必要かと思います。多様になる行政ニーズ、それにどうこたえていくかという中で、あれもこれもという形ではなくて、みんなで、市民もともにあれかこれかというような形で選択をしていく。それから、本当に必要なのかどうかということをやっていかなきゃならない。そのためには、それをどう市民に納得するように説明をしていくのか、明らかにしていかなければならないと思うので、それはまさに事業の仕分けであったりとか、それから情報公開であったりとか、市民を含めての予算の討議であったりとか、また優先順位の議論等、そういうことをぜひこれからの中でやっていっていただきたいと思います。
 この件に関しては、昨年12月の一般質問の中で、予算編成過程の公表、ぜひそれをこういう予算審議をやる前に公開するようにというような形でお願いをしてお話ししたわけですが、なかなかそこは市長の裁量権という中で話が食い違っていましたけれども、厳しい財政事情の中で、市民とともに市政運営をしていくということであれば、少しでも情報公開していく、それから事業の選択に対してもきちんと市民の意見を聞いていくということは必要なことだと思いますので、お願いいたします。
 それで、市税収入が落ち込んでいるということに関して、2010年度、888億円になるわけなんですけれども、そのぐらいの税収規模というのは過去にもあったわけです。それで、ちょっと調べてみました。2006年というのが、市税収入868億円のときでありました。そのときに一体どういう事業を行っていたのかということを、ちょっとグラフに出してみましたので、見ていただきたいと思います。
 これが、見えにくいかと思います。2006年度、そしてこちらが2010年度。100%にしてこちらに数字を書いたんですけれども、数字は見えないので、済みません。言葉で言います。このような中で、もちろん民生費、ふえています。しかしながら、これは市税収入、このときの2006年の税収、そしてそのときに使える一般財源ですね。税収だけではないですよね。広く、どんな歳出に充てられるかというと、税収と、あと、さまざまな諸収入があったりして、それが使えるのは一般財源です。これは一般財源を教育費だとか総務費とかというふうに款に分けたものなんですね。つまり、市民のニーズにこたえるというのは、この一般財源がどの事業に充てられるかということが一番重要になってくるので、このような図を使いました。
 その中で、このえんじ色が総務費なんですが、その中で民生費が伸びているのは、これは一般財源の増収分がこの2010年の民生費に当たりますので、そういう意味では、民生費を除いたほかの科目に関しては、2006年と2010年は大体同じ規模の予算が使えるということを前提にして説明いたします。そういうことなんです。
 そこで、総務費が大きく、数字で言いますと、12.1から13.8%になっている。1.7%の増です。それから衛生費は残念ながら落ちています。それから土木費は若干上向いている。それから、この1番目、これが教育費です。教育費は13.7から12.2に落ちている。少なくなっている。そして、この一番上が本当に皆さんの努力、市長がいつもおっしゃる公債費、本当にこんなに減っています。
 ということを見ると、この公債費が減った分を何が食っているかというならば、総務費が全部食っちゃっている。(「民生費じゃないか」と呼ぶ者あり)違います。民生費は先ほど御説明したように、一般財源の増を全部民生費に充てることによって、お互いチャラになるということです。なので、この公債費の減っている分、これを食ってしまっているのが総務費ということになりますので、そこについてと、それから教育費の減っている分、それから衛生費の減っている分、それも総務費と土木費のふえたところ、土木費はそんなにふえてはいませんけれども、そこが食っているということをまず前提に見ていただければと思います。
 それでは、総務費についてお伺いいたします。今、御説明したように、(「人件費は別だな」と呼ぶ者あり)人件費は別です。一般財源において総務費が伸びている。南口再開発事業、新市民会館、そして庁舎改修、こういうことがこの2010年の予算を圧迫しているということがおわかりいただけたかと思います。
 そこで、まず、仮称・中央地域総合事務所についてです。南口再開発ビルのオープンに合わせて2010年11月にスタートいたします。この事務所の一番のコンセプトはどんなことなのか。そして、今までの市民部事務所と何がどう変わるのか、御説明いただきたいと思います。

◎天野市民部長 まず、現在の市民事務所でございますが、ここで提供している転入、転出などの届け出は、各種証明書の交付など58のサービスに加え、健康福祉や子育て支援など、新たに市民の日常生活に必要な66の行政サービスを総合的に提供していくものでございます。
 最も重要なコンセプトの件でございますけれども、5つのコンセプトを掲げておりますけれども、これらのコンセプトを総合的に提供していくことが最も重要であると考えております。

◎陣内泰子委員 それでは、この中央地域総合事務所の位置づけというのは、まず地域サービスのあり方についてという提言の中で、市内を6地域に分け、それぞれに総合事務所を置いていく。さらに、今までの議会質疑等の中で、中央地域総合事務所を南口の再開発事業の中で先行して整備していくという形で進んできたものであります。それでは、他の地域総合事務所の検討、地域サービスのあり方検討、この進捗はどのように進んでいるのでしょうか。お聞きします。

◎原島総合政策部長 その点に関しましては、これまで議会でもお答えしているとおりでして、その後の考え方の相違はありませんけれども、この秋オープンいたします仮称・中央地域新設総合事務所で提供いたしますサービスの内容、これを具体化することで、まずは総合事務所としてそれはどのようなものなのかをお示しできると考えております。その評価をもとに、今後の進め方につきましては慎重に判断してまいるという、こういう考え方でございます。

◎陣内泰子委員 この地域サービスのあり方の提言がなされたとき、大変大きな議論がありました。また、住民の方から、地域の方からも一体どうなのかというような声もたくさん寄せられ、そして、そのような中で、とまっているという状況であるといえます。
 私自身は、この6つの地域に合わせて総合事務所を置いて、今の事務所を統廃合していく。そのことに関しては反対をしてまいりました。そしてまた、この南口の再開発に合わせて、そういう中で事務所の形態、計画そのものが非常に変わってきているという中で、先行して整備していくことにおかしいと訴えてきたわけですが、今回、こうやって整備され、そしてそれを見て慎重に判断をされるということは、この計画の変更もあり得る。6つの地域で、6つの総合事務所をつくっていくという計画で、統廃合をしていくということであったわけですが、慎重に検討していくということは、当初の計画の変更もあり得るというふうに考えていいんですか。いかがでしょうか。

◎原島総合政策部長 当初の考え方に変更はございません。ただ、これは6市域の中で地域、地域の特性もありますし、その地域の皆様との話し合いを前提としておりますので、その結果によって、あり方というものも変化が生じてくる可能性はあるというふうに考えています。

◎陣内泰子委員 もう1つ、名称のところなんですけれども、仮称・中央地域総合事務所というふうな名前になっているわけなんですね。この仮称というのはどういうことなのか。この事務所の名前が何か変わっていくのか。どういう名前になるのかわかりませんけれども、そこら辺はどういうふうに理解したらよろしいんでしょうか。

◎天野市民部長 名称についてでございますけれども、これまでの事務所に新たな機能を加え、幅広いサービスを提供する事務所にふさわしい、また、市民にわかりやすく、親しみやすい名称を現在検討しているところでございます。

◎陣内泰子委員 新しい名称の検討ということなんですが、私はこの中央地域総合事務所という名前がなくなる、もし別の名前に、にこにこ事務所になるのか、ひまわり事務所になるのかわかりませんけれども、何かそういう名前になったときに、基本的な、なぜここに中央事務所をつくるのかという、そもそもの計画が見えなくなるというふうに思って、危惧しているところです。というのは、南口再開発ビルの中の保留床を買い取るために、この地域サービスの議論や検討があったのかな、それが利用されたのかな、そんな気もするわけなんですが、それについてはいかがでしょうか。

◎原島総合政策部長 そもそもの話でいきますと、現在の駅前事務所の方へ来庁される市民、主として証明書の交付だと理解しておりますけれども、これが大変多くの方がいらっしゃって、手狭であるということと、位置の関係にも問題がありましたので、今回の再開発ビルで整備される床の一部を取得いたしまして、そちらの方に移転をしていく。本当に場所の利便性ということを考えた場合には、単に市民部の事務だけで終わるのではなく、健康福祉部で扱っている事務、あるいはこども家庭部で扱っている事務、それ以外にもコミュニティについてのお手伝いなどもしていきたいということで、その位置づけをしたものでございます。

◎陣内泰子委員 先ほどの図で、総務費が大きくなっていますというふうにお伝えしました。その中で、この地域事務所、南口再開発の保留床の買い取りということがあったわけですが、果たして必要であったのかどうか、大変疑問に思うところです。
 また、確かにできれば便利になる、駅前での利用がふえるということはあるでしょうが、それによってそもそもの、なぜこれがスタートしたのかというあたりのところを改めてもう一度検討しなければならないと思っているので、その計画がうやむやになるということはないようにしていただきたいと思います。
 それと同時に、今の地域にある事務所、なるべく身近なところでサービスができる、その基本を今後も維持して検討に当たっていただきたいと思います。
 次に、都市政策研究所の設置についてです。これについても代表質疑の中で議論がありました。社会の変化に対応し、地方分権を確立していくための政策立案を強化するためということでした。しかし、政策立案には現場の声が最も必要であり、その意味で、市民と直接接する各部に企画調整担当主幹、こういう方が各部に配置されています。そのような担当主幹を置き、そして政策の横断化や調整を行ってきていると理解しているわけなんですが、この企画調整担当主幹、どのような役割を果たしてきているのか、また、どのような役割を期待しているのか、お聞きいたします。

◎原島総合政策部長 企画調整担当主幹につきましては、現状では兼務という形が多いんですけれども、平成15年度の組織改正に伴いまして、縦割りの体制を改善し、連携の仕組みを整理するために、原則として各部に配置したもので、各部が抱える課題等に関しまして、部内及び部を超えた調整などを行う役割を担っております。

◎陣内泰子委員 そういう意味で、今、縦割りの弊害をなくし、また政策もかなり幾つかの部にわたって立てられるような社会状況に対応しなければならないという事態になっているということでのこの担当主幹の役割というのは、本当に大きいと思います。そういう中で、今回、都市政策研究所の設置が予算化されているんですが、既存の仕組み、そしてまた都市政策研究会議、これも既に8回ほどの報告書を出し、研究をまとめ、そして活動を続けてきているわけですが、なぜ、こういう既存のものの会議ではだめなのか、よくわからないわけです。
 そして、この都市政策研究会議につきましては、今まで研究してきたこと、それを本当に具体的な市の政策として、企画調整担当などと一緒に回していく、実施していく、そういうことが今一番求められている課題なのではないかと感じるんですが、それについてはいかがでしょうか。

◎原島総合政策部長 都市政策研究所に関しましては、現状における地方分権の進展、あるいは社会経済情勢の急激な変化など、本市が直面しているさまざまな課題について調査研究をしていってもらいたいというふうに考えております。そのための体制強化でもありますし、八王子市としての対応策や方向性などを、全市的な視点から具体的に提言をしてほしいというふうに考えております。そういう意味で、各部におきます課題の解決を担っております企画調整担当主幹とは役割が異なってくるものと考えております。

◎陣内泰子委員 この新しい研究所、その所長には、市長から行政実務に精通した人材が必要との答弁もありました。市の退職OBの受け皿になるようでは、市民の理解が得られないと考えます。この点についてはいかがお考えでしょうか。
 さらに、職員研究員も4名専任で配置されるということです。まさに、今必要なのは、現場力、現場の力を強化することだと思っておりますので、その点も踏まえて、このような人員体制についてのお考えをお聞かせください。

◎原島総合政策部長 まず体制から申し上げますと、現状での都市政策研究会議につきましては、兼務という形で2名の職員が担ってきておりました。これまでの成果も、多分御質問者はよく御存じだと思っておりますけれども、中長期的な、市が抱えている今後の課題の研究については進めてまいりましたけれども、ここで体制強化をして取り組もうとしておりますのは、先ほど申し上げました社会経済情勢の変化に八王子市としてどう対応していくか、その辺に力を入れたいということで、今回、体制の強化を予算上お願いをしているという形でございます。
 なおかつ、八王子市は多摩地域最大の都市ということで、リーディングシティーの役割も担っております。そういう意味では国や東京都に提言できるレベルの調査研究も行ってまいりたいと考えておりまして、その人材につきましては、都市政策研究所として運営していくのにふさわしい体制が構築されればというふうに思っております。

◎陣内泰子委員 まさに八王子の優秀な人材、そのおひとりおひとりが本当に力を発揮する、それが必要なことだと思いますし、私はその研究所という形をとらなくても、今の体制の中で、それを活用する中で、リーディングシティーとしての役割は十分果たせる、それだけの優秀な人材が八王子にはいらっしゃるというふうに思っております。
 そして、次に移ります。代表質疑にもあったように、南口再開発事業はどんどん経費が膨らむ。つまり、開発事業は一たんスタートすると、なかなかやめられない。そして、さらに費用も増大していくということが明らかになったわけです。そのような中で、さらなる開発事業、これは十分慎重に行っていかなければならないわけです。このような財政事情であれば、なおのことと思います。  そこで、川口地区の物流拠点整備についてお伺いいたします。圏央道のフルインター化、北西部幹線道路整備などを前提としなければならない川口地区の物流拠点整備計画は、1月29日の川口土地区画整理組合設立準備会が結成され、八王子市住宅・都市整備公社が準備組合の代表になったということで、新たな局面を迎えたといえます。私は市長が言うように、この事業が八王子の持続可能なまちづくりにどうしても必要な事業であるとは、今までの説明を聞いてもわかりません。新たな公共事業を呼び込み、多大な予算をかけ、緑を壊し、何が残るのか、甚だ不安に思っております。
 しかも、区画整理手法による組合施行です。南口再開発事業で見てきてもわかるように、組合が実施主体であることによって、事業の透明性が阻害され、議会のチェックが機能せず、かつ市税の投入がどんどん膨らんできたというのが、今回の南口再開発事業の経過でありました。この川口土地区画整理事業、物流拠点整備も同じようなことが懸念されるわけなんですが、この点についてはいかがお考えでしょうか。

◎天賀谷交通政策室長 市としましては、公社が組合施行でやっていきますけれども、市が昨年つくりました市の整備方針に基づきまして、物流拠点になるように指導していくというふうに考えておりますので、その辺の御心配はないというふうに考えております。

◎陣内泰子委員 御心配はないと言われても、今まで何度、議会の中で事業費の問題、それからいろいろな決定が覆されてきた、それから予算がどんどんふえてきた、部長も見てこられたわけじゃないですか。そのことについての心配をしているということであります。
 そこで市長にお尋ねいたします。市長は住宅・都市整備公社の理事長でもあります。2004年に、公社の役割は終わったとおっしゃり、公社は一たん解散決議をいたしたわけです。しかし、その後、どうするというこの公社の形というものが見えず、解散決議は取り消しとなり、そして今に至っています。ある意味で、今の公社は仮の姿といえます。にもかかわらず、公社の事業計画に準備組合に参加するということを追加し、その中心的役割を担うということはどういうことなのでしょうか。市長として公社の新たな姿が決まるまで現状維持を続けるというのが本来の姿であり、また、今までおっしゃっていたことと矛盾するのではないかと思いますので、この点についてお伺いします。
 それともう1点。理事長と市長という判断、それが食い違う場合があると思います。その点についてどう判断されるのか。その点も含めてお答えいただければと思います。

◎黒須市長 前に御説明をさせていただきましたけれども、公社の役割は終わったという、その言葉だけを取り上げておっしゃっていますけれども、それはフェアじゃないと思いますよ。あの時点では公社の目的変更ができない場合、こういう法解釈でしたから、ですから、公社はその役割を終えたと。すなわち、住宅を供給するという目的は一定の成果を上げた。だから、1つの節目だという説明をしたわけです。ですから、そこで、これから多くのまちづくりに資する作業をするためには、これは株式会社化がいいということで選択をしたわけですけれども、株式会社化というのは好ましいことではないという議会の皆さんの意見もいただきました。そして、同時に、国の方でもこの公社に対する考え方というものは、東京都も含めて変わってきたわけで、そして目的変更が、この点についてはいいですよ、具体的にあの点についてはいいですよということが示されて、ですから引き続き、まちづくりに寄与できる、こういうことで方向転換をしたわけで、今の姿というのは全く仮の姿ではありません。積極的にまちづくりに取り組む、いわゆる行政を補完する立場だと、こういうことでございます。
 そして、評議員会にも議員の皆さんに多数お入りいただいています。そのことは御承知のとおりだというふうに思います。ですから、全く行政を無視してとか、そういうことは考えておりませんし、やっておりません。
 それから、私が理事長の立場で、市長という立場でありますけれども、見解が異なるということはございません。それは全く常に一致をしております。

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