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2009年_第2回定例会(第7日目)オリンピック反対討論(2009.06.24)

◎【9番陣内泰子議員】 それでは、第57号議案、2009年度八王子市一般会計補正予算について、反対の立場から討論を行います。
 オリンピックムーブメント共同推進事業についてです。市長の提案説明では、東京都が市区町村と連携をして実施しているオリンピックムーブメント共同推進事業を受託、八王子夏の祭典でオリンピック招致を盛り上げるために1,000万円を計上するというものでした。このオリンピックムーブメント事業は、ことし10月の開催都市決定に向けて2007年度から実施されており、商店街への招致フラッグ、市の施設等へののぼり旗や卓上旗、うちわやバッチなど、さまざまなグッズが配布されてきています。盛り上げに躍起となっている東京都ですが、都民の意識はオリンピックどころではないというのが現実のようで盛り上がっていません。
 ことし2月に行われたIOC、国際オリンピック委員会による世論調査では、開催支持率は56%、これは昨年より減少しております。また、NHKの5月の審査でも賛成は47%にとどまっています。東京にオリンピックはいらないネット──市民団体ですが、その主催による都民1,000人への電話調査でも賛成はわずか25%でした。反対21%、さらに、どちらとも言えない層と無関心が54%となり、まさに4分の3の人がほとんど関心を持たずというのが、今のこの盛り上がっていない状況であると言えます。
 都民、市民の声を要約するならば、何で東京で開催なのかという疑問であり、また、福祉や教育にもっと予算を回すべきだというものとも言えます。世界の人々がスポーツを通じて交流する平和の祭典であるオリンピックそのものに反対するものではありませんが、東京での開催招致の経過を見るならば、都民不在のトップダウン、国威発揚の場としての位置づけ、また、オリンピック開催設備整備を目的に行われようとする東京外かく環状道路を初めとした道路整備など、巨額の税金を投入する東京改造に、都民、市民の理解は得られていません。私自身、東京にオリンピックは要らないと訴える一人ではありますが、昨年秋以降の世界経済不況、金融危機による日本の現状を見るならば、なおさらその感を強めているところです。  しかしながら、こういった経済不況、都民、市民の不安をよそに着々とオリンピックムーブメントの盛り上げ事業が行われ、予算が消化されているわけです。オリンピック招致予算として当初概算計画書に書かれていた東京都負担分は総額55億円であり、そのうちの15億円がオリンピック招致関係でありました。しかし、21年度までに予算として見るならば、東京都が負担するオリンピック招致関連予算は、トータルで既に150億円を超えているところです。オリンピックムーブメント事業だけにおいても、既に総額45億円になっているところです。都は1自治体1,000万円相当の事業をやるようにということで、昨年6億2,000万円、そしてまた、ことしも6億2,000万円を予算計上しているところです。
 八王子市の場合、昨年は夢街道駅伝に、夢街道を突っ走れオリンピアンと銘打ち、980万円でこの委託事業を実施、また、今年度も既に5月の健康フェスタで、オリンピアンと健康に遊ぼうということで640万円の委託事業を実施しています。今回補正で提案されている1,000万円の内容は、特別な花火打ち上げに440万円、また、オリンピアンとの交流事業に約500万円というものです。一般財源から出すわけではない。八王子まつりを盛り上げるのだからいいのではないかという声もあるでしょうが、果たしてそうでしょうか。
 都予算、都のお金の使い方とはいえ私たちの税金です。費用対効果が明らかでなく、かつ予算の優先順位からいって疑問があるお金の使い方に加担すべきではありません。しかも、当初予算において既に1事業を実施済みであることに加えての今回の追加補正であります。10月の開催都市決定を前にして、何が何でも機運の盛り上がりをという本末転倒な予算執行に思えてなりません。市も、厳しい経済状況の中で、八王子まつりの盛り上げに向けて少しでも潤沢な予算をとの思いで一石二鳥をねらったのかもしれませんが、草の根による都民、市民レベルでの盛り上がりに欠くオリンピックムーブメント事業は税金の無駄遣いと言えます。そのような委託費を認めるわけにはいきません。
 以上をもって反対討論といたします。    <ページトップへ>