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2009年_第2回定例会(第2日目)一般質問(2009.06.09)
市街化調整区域の緑の保全について
特別支援教育の現状と課題について
 共生社会の基礎としての側面について
男女共同参画の推進について
未届け有料老人ホームの緊急点検について

◎【9番陣内泰子議員】 2番手、市民自治の会の陣内泰子です。
 それでは、通告に基づき一般質問を行います。
 まず、市街化調整区域の緑の保全についてです。
 今回、この問題を取り上げるのは、3月、市の東南部、中山地区の調整区域の山林でサバイバルゲーム場をつくるという計画が起こり、大きな住民の反対運動があったことから、どうやったら住宅地に隣接する緑を守ることができるのかという問題が多くの住民の方々の共通課題になったことによります。
 サバイバルゲーム場建設については、既に新聞等の報道でも明らかですが、経過を簡単に説明いたします。
 この計画が明らかになったのは3月上旬です。サバイバルゲームとは、迷彩服を着て、エアガンで模擬弾を撃ち合い、陣地を取り合うゲームと言われています。計画予定地が住宅地に隣接し、保育園や小学校、中学校もすぐ近くにあることから、地域住民から安全性や子どもへの影響を心配する声が上がりました。親子会や隣接住民の間で署名活動が始まり、市へも相談が寄せられたところです。運動が大きな広がりを持ったのは、この地区の青少年育成活動を行う青少年対策地区委員会でも反対の署名活動に取り組み、4月9日に1万718人分の署名を持って市長へ計画中止の要望書を提出したことによります。要望書趣旨には、未来を担う子どもたちの健全な育成、住環境を保持することが大人の責務と考え、この地域での事業開設中止を切に望むとなっています。
 このときの市長の対応は、新聞報道によると、計画を完全に否定できる法的根拠はない。都と調整しながら慎重に検討したいというものでした。
 その週末、青少年地区委員会主催による事業者を呼んでの説明会が開かれ、多くの住民の方々から直接不安の声が出されました。
 また、13年前、八王子市内で起こった銃による女子高校生殺害事件の被害関係者の方が発言され、たとえエアガンとはいえ銃が身近にあること、人を撃ち殺すということが日常の生活レベルに侵入してくることの恐怖を語られたときには、ゲームだからでは済まされないとの思いを参加住民の多くが感じたところです。
 このときは、住民の理解が得られるまで工事の一時凍結という約束を事業者がすることによって散会となりました。
 その後、青少対と事業者との間での話し合いが続けられ、最終的に4月29日、事業者が撤退を決断して、この問題は収束を見ました。
 青少対の方々を中心に、多くのさまざまな働きかけがあっての結果です。
 そこでお尋ねいたしますが、市として今回の問題に対してどのような対応をされたのかということです。開発指導、青少年対策、環境保全、教育委員会など、多くの窓口がかかわったかと思うのですが、市として問題を共有し、どのような情報交換、連携がとられたのか、お答えください。
 そして、市の立場はいかなるものだったのでしょうか。
 計画では、山林をそのまま使うとされており、都の自然保護条例でも、あくまでも禁止ではなく、自然を保護しての開発を指導するものであると言われていました。しかし、八王子は、八王子市青少年の健全な育成環境を守る条例を定めており、その4条では、事業者の責務として、社会的責任を自覚し、青少年の健全な成長を阻害することのないよう努めなければならないとしています。さらに、指導要綱でも、青少年の健全な育成環境を阻害するおそれがある業種を指定し、指導、変更できる権限を市長に与えています。そこで、市としては、これら条例や指導要綱に沿ってどのような指導がなされたのか、お答えいただきたいと思います。
 また、わずか1週間余りという短時間で1万人以上もの署名が集まり、また、青少対以外でも地区の親子会や隣接住民からも適切な対応を求める要望書が出されていたことをどう受けとめているのでしょうか。こちらもお伺いいたします。
 次に、特別支援教育の現状と課題です。
 特別支援教育が始まって3年目になります。八王子市の場合は、それに先立ち、3年間のモデル事業実施期間もあり、かなり浸透してきているのかとも思うところです。特別支援教育が始まって特に著しく変わったこととして、固定学級、通級学級に通う児童、生徒が多くなり、5年間で小学校の固定学級の在籍児童数は約1.8倍、通級学級においても1.7倍へとふえています。また、中学校においても同様の傾向が見られています。
 増加の背景として、保護者の間に特別支援教育の理解が深まったからとも言われているのですが、裏を返せば、普通学級での障害理解に満足できていない保護者が多いということでもあります。
 市は、各学校に特別支援コーディネーターを配置し、校内委員会をつくったり、また、特別支援教室を設置するようにしてきたわけですが、そのことが各学校それぞれにおいてどういう意味を持っているのか、定かではありません。特別支援教育が学校全体の教育目標の中でどう位置づけられているのかもはっきりしません。
 2004年、石川教育長は、私の質問に答えて、心身障害教育から特別支援教育への転換の趣旨として、ノーマライゼーションの理念を掲げられております。「従前、ともすれば、心身障害学級のみが対応してきた障害のある児童、生徒への取り組みを、学校全体で児童、生徒を含めたすべての人たちが支援するものにしていかなければならないと考えております。この取り組みにより、教員が子どもたちひとりひとりの理解に基づく教育の姿勢を持つことにつながり、個に応じた教育の実現に近づくと考えております。」こう発言されて、既に5年がたっているという状況です。
 また、2007年9月、日本政府が署名した障害者権利条約の24条では、あらゆる段階におけるインクルーシブな教育を確保するとし、障害のある子もない子も一緒に学べるようにすることを求めています。今までの分離教育を前提とした特殊教育からの大きな転換が図られなければならないのです。
 そこで、現在の特別支援教育になることによって何が変わり、何が変わっていないのかを点検し、インクルーシブな教育のために必要なことを考えたいと思い、質問します。
 お尋ねいたしますが、まず固定学級並びに普通学級、通級指導学級の目的というか、位置づけはどのようなものになっておりますでしょうか。
 次に、特別支援教育の理念で示されている共生社会の基礎としての側面についてです。文部科学省は2007年4月1日付で出した特別支援教育の推進についてという初等中等教育局長通知によれば、特別支援教育は、障害のある幼児、児童、生徒への教育にとどまらず、障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ、さまざまな人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであり、我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っていると書かれているのですが、こういった共生社会の基盤づくりを教育現場ではどのように施行し、具現化させているのでしょうか。また、実際にどのような進展を見せているのか、お答えいただきたいと思います。
 次に、男女共同参画の推進についてです。
 昨年12月、他の議員より、男女が共に生きるまち八王子プランの策定の課題や取り組みについての質問に答えて、男女平等意識の啓発の一層の推進、DV防止法に対する取り組みの強化、ワークライフバランスの推進が挙げられました。そこで、この3月に実際に策定された第2次プランに沿って質問いたします。
 まず男女平等意識の啓発の一層の推進についてですが、プランを見ると、継続事業がほとんどで、しかも講座の開設による充実といったものです。男女平等意識の啓発には何といっても人権の尊重と性に対する基本的な認識を深めることが喫緊の課題です。最近も大学生による集団レイプ事件や、日本製の性暴力パソコンゲームの販売について諸外国からの告発など、女性の性をないがしろにする報道が目につきます。充実した取り組みを期待するものですが、どのように進めていくお考えか、お聞かせください。
 DV防止法についてです。配偶者からの暴力についての行動計画を作成したことは高く評価いたします。そこで、この行動計画をどのように進めていくのか、基本的な姿勢をお示しください。また、行動計画の中で、職員研修が明記されたことは大きな前進です。職員の確かな目がDVの早期発見、適切な指導、相談機関などへの橋渡しとなっていくので、しっかりとやっていただきたい。保育士や、市民課、子育て支援課、生活福祉課、教員などが真っ先に研修を受け、知識や支援のノウハウを身につけていただきたいと思うのですが、どのような計画になっているのか、お答えください。
 また、女性の貧困等、今直面する現実的課題に対して自治体としても緊急かつ重点的に取り組むべきとの要望もなされているのですが、なかなか取り組みの具体策が見えません。他の政策との整合性を図りつつ、就業支援、自立支援に取り組むということでありますが、男女共同参画の部署としてどう積極的に取り組むのか、明らかにしてください。
 特に働く女性のネットワーク支援事業が継続になっているのですが、これは今までどんなことをやってきて、また、今後どのようなことをやっていこうとするのか、お考えなのか、お答えいただきたいと思います。
 最後に、無届け老人ホーム火災事故についての教訓です。
 ことし3月19日、群馬県渋川市にある老人施設静養ホームたまゆらで火事が発生し、入所されていた10名の方が亡くなられるという痛ましい事件がありました。亡くなられた方の御冥福を心よりお祈りいたします。この教訓をどう生かすのか。同じような事故が二度と起こらないようにとの思いから、質問します。
 この火災を踏まえて東京都が行った緊急点検の結果が5月15日、公表されました。八王子市内では未届けの有料老人ホームに該当する施設が1件、非該当5件、廃止等2件というものでありました。
 そこでお尋ねします。この緊急点検はどのように行われたんでしょうか。また、この点検結果を踏まえて、東京都の今後の対応はどのようになっているのか、お答えください。
 さらに、市として今後これらの施設、また、こういった類似施設の点検、指導にどのように取り組んでいかれるのか、お答えいただきたいと思います。
 これで1回目の質問を終わります。

◎【市川潔史議長】 こども家庭部長。

◎【菊谷文男こども家庭部長】 私の方からはサバイバルゲーム場建設について御答弁申し上げます。
 市として、どのような情報交換、連携がとれたかということでございます。開発指導課、児童青少年課が中心になりまして、情報収集や会議等を開催いたしました。
 内容といたしましては、現行規定での対応方法、職員も出席いたしました4月11日の地元説明会の内容、新聞報道などでございます。これらの情報を踏まえまして、学校教育部、環境部、生活安全部といった関係部署でゲーム場建設に伴う地域の環境、市民生活、青少年に与える影響等について意見交換を行ってまいりました。
 次に、青少年の健全な育成環境を守る指導要綱に沿って、どのような指導をされたということでございますが、今回の事例を例にとりますと、事業がさらに進むということになりますと、御質問者がおっしゃった八王子市青少年の健全な育成環境を守る条例、あるいは要綱等に基づきまして、事業者に対して地域の青少年の健全育成活動に積極的に協力し、青少年の育成環境確保に努めるよう要請することになります。
 なお、今回、青少対の代表の方とは意見交換も絶えず行っておりましたし、誠意を持って私どもの所管では対応したという経過がございます。
 また、地元住民が1万人の反対署名を市長に提出したが、市はどう受けとめたかということでございます。多くの市民、住民が、児童、生徒、青少年の健全育成の推進を図るために1万人を超す署名を短期間で集めたことにつきましては、その及ぼす影響の大きさ、あるいは関心の高さにつきまして、重く受けとめておりました。

◎【市川潔史議長】 教育指導担当参事。

◎【由井良昌教育指導担当参事】 特別支援教育に関して御質問をいただきました。
 1つ目は、特別支援学級の位置づけについてでございますが、知的障害固定学級では、知的障害のある児童生徒が障害の特性や発達段階などに応じた指導を受けます。情緒障害等の通級指導学級では、知的障害がなく、情緒障害や学習障害などにより、人とのかかわりなどに困難のある児童、生徒が、具体的なコミュニケーションの方法などについての指導を受けます。それぞれ学習上及び生活上の困難を改善、克服する、そのための指導や支援を行っているところでございます。
 次に、教育における共生社会の具現化に関する考え方やその実施の状況ということでございますが、特別支援教育の理念に基づきまして、特別支援学級設置校では、交流及び共同学習の重要性を理解して、児童生徒の実態を考慮しながら教育課程に位置づけております。具体的には、通常の学級と特別支援学級の児童、生徒が学校行事や授業、昼食などの場面を通して相互理解を深めるなど、各学校で工夫して取り組んでいるところでございます。

◎【市川潔史議長】 市民活動推進部長。

◎【峯尾常雄市民活動推進部長】 男女共同参画推進のプランに関してお尋ねをいただきました。順次お答え申し上げます。
 まず、女性の人権の問題についてでございます。お話にありましたような女性に対する暴力は、人権意識の希薄さがその根っこにあるというふうに考えております。つきましては、職場、学校、家庭など社会のあらゆる場面で人権意識が根づいていきますよう、さまざまな機会をとらえまして、男女の人権の尊重を基本に置いた講座の開催、あるいは研修内容等の充実を図ってまいります。
 次に、DV防止の行動計画推進に当たっての基本的な姿勢ということですけれども、DV被害は、今や大きな社会問題となっております。計画推進に当たりましては、被害者の視点に立った支援事業が確実に実施されますよう、関係機関からなるDV被害者支援連絡協議会のネットワークを強化するなど、これまで以上に強力に取り組んでまいります。
 また、DVに関する職員研修でございますけれども、今年度は新たに暴力の現状とその防止について理解を深める内容で実施をいたしますとともに、窓口を担当しております職員に対しましては、いわゆる二次被害防止のための研修を前年度に引き続き実施する予定でございます。
 最後に、女性の貧困の問題についての対応でございます。このことにつきましては、プランの施策を担う各所管との連携をさらに深め、施策を推進していくことはもとより、今後社会状況に応じ、そこで必要とされます就業や自立につながるような、例えば就職カウンセリング、あるいは起業のためのセミナーの開催などに力を入れてまいります。
 また、女性のネットワークづくりにつきましては、これまでは働く女性に対する情報交換の場の提供を主眼に実施してまいりましたけれども、今後はこれに加えまして、起業や就労により、これから社会進出しようとする女性も視野に入れたネットワークづくりを進めていく考えでございます。

◎【市川潔史議長】 高齢者・障害者担当部長。

◎【橋本辰夫高齢者・障害者担当部長】 未届け有料老人ホームの緊急点検についての御質問をいただきました。
 初めに、この緊急点検はどのように行われたかということでございます。群馬県渋川市の高齢者施設の火災を踏まえた厚生労働省及び国土交通省からの緊急点検の通知を受けまして、東京消防庁、東京都都市整備局及び保健福祉局、各区市町村高齢者福祉主管課及び建築行政庁の連携により実施されたところでございます。具体的には、八王子消防署と東京都福祉保健局からの協力要請を受けまして、4月中旬に行った緊急点検に本市から建築指導課と介護保険課の職員が同行したところでございます。
 この点検結果を踏まえての東京都の今後の対応でございますが、東京都はこの点検結果を踏まえまして、有料老人ホームに該当する施設に対しましてはスプリンクラー等の防火設備等支援策を講ずるとともに、届け出を強く指導したところでございます。
 また、有料老人ホームに該当しない施設に対しましても指導等が行えるよう、法改正等必要な措置を講ずるよう、5月18日に国に対して要望したところでございます。
 本市としての対応でありますが、東京都と情報の共有を図るとともに、現地調査等で協力、連携し、適切な対応を図ってまいります。

◎【市川潔史議長】 第9番、陣内泰子議員。〔9番議員登壇〕

◎【9番陣内泰子議員】 御答弁をいただきました。
 まず、市街地の緑の保全についてです。
 このサバイバルゲーム場についての対応として慎重に見守る。また、青少年育成条例はまだ発動する以前の段階であったというようなお答えでありました。今回は事態が住民の意向に沿う形で収束したわけですが、今後また八王子において、サバイバルゲーム場建設といったことが別の場所で起こり得るかもしれません。そのために、今回の教訓を生かし、条例に住宅地に隣接する場所や、教育施設、子ども施設が近くにある場合などは、建設を御遠慮いただくとか、市と事前協議をしなければならないとか、また、近隣住民、あるいは青少年育成団体などとの合意を得ることを条件とするなどというように、条例や指導要綱をさらに強化する必要もあるのではないかと思うのですが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
 また、多くの署名が集まったということを重く受けとめていただいているということはわかりました。であるならば、住民集会の様子、事業者の計画などがある程度明らかになってきていたことを考えれば、明確な法的根拠はないとはいえ、これらのことを総合的に判断して、市としての見解を速やかに示すべきだったのではないかと思います。というのも、法整備というのはある意味後づけ的なところがあり、規制に関しても最低限のものとならざるを得ないわけで、それでは遅いわけです。また、新しい業態、このようなサバイバルゲームなどの新しい業態などに対しても法は速やかな対応に欠けるわけで、だからこそ地元自治体の対応が大事になってきます。
 市長は、3月の予算等審査特別委員会で、他の議員の質問に答えて、青少年が心身ともに健全に成長するということは我々の最大の願いであります。そういった環境をつくるのが我々大人の責任だろうと思っています。中略して、爆弾のつくり方なんかというのもインターネットに出ていますよね。みんな大人がやっているわけですよ。そういうことを我々は十分反省すると同時に、地域、学校、保護者、関係団体、それから行政ですよね。こういったものがしっかりと連携していくという以外にないと思っています。こうお答えになっています。
 今回のケースで言えば、設置場所の問題で、青少年の健全育成に逆行するとして、地域や学校、保護者、関係団体が立ち上がり、行政に対しても一緒にやりましょう、このように働きかけてきたわけです。であるならば、条例や法の整備が十分整っていなくても、一定程度の見解を示すことはできたのではないかと思うし、また、そうすべきであったと思います。  また、八王子は、このような早急な、また適切な対応をすることによって青少年の健全育成を、地域の力と一緒にやって実践しているまちということをも広くアピールすることもできたのではないでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。
 緑の保全の観点からの質問に移ります。
 市は、環境基本計画を初め、みどりの基本計画、水循環計画、地球温暖化対策の環境にかかわる4本の計画を策定、パブリックコメントを行ったところです。みどりの基本計画の中で、緑の重要度の明確化という施策の方向性が出されているのですが、住宅地に隣接する調整区域の緑は、早急に何らかの保全の手を打つ必要があると考えます。
 調整区域の中でも特に住宅地に隣接する緑ですね。この保全をどのようにお考えなのか。計画の進め方も含めてお答えください。
 そして、緑地保護地区の拡大をぜひ図っていただきたい。斜面緑地制度への移行で、現在の保護地区は4ヵ所とのことです。地主の中にはこういった制度を知らない方もいらっしゃるでしょうし、八王子全域の保全すべき緑を地図落としをして、積極的に土地所有者に保全を働きかけていただきたい。今回のサバイバゲーム建設問題を見ても、山林の土地所有者が、高齢化や相続、その他のさまざまな事情で私的に管理し続けることがかなり困難になってきているということを裏に持っていることもあります。制度の周知と働きかけについてのお考えをお示しください。
 さて、そのとき維持管理費の経費の一部負担、こういった経費負担だけではなく、地元住民と一緒に保護地区を維持管理していくという緑の保全応援団を育成していくということも必要です。こういった働きかけはどうなっているのでしょうか。今回のサバイバルゲーム建設をめぐる運動の中で見えてきたことは、地元住民は緑の恩恵を十二分に受けているということに気づいたわけで、また、その緑に対して、土地所有者任せにしないで自分たちも力を出し合おうという広がりになってきたように見受けられます。
 八王子には多くの環境市民保全団体があるのですから、こういった団体を中心に、地元レベルでの緑の保全応援団の育成に取り組んでいただきたいと思いますが、その働きかけをどのようにお考えでしょうか。意識レベルにとどまらない緑を保全する大きな広がりを期待いたします。
 次に、特別支援についてです。
 固定学級については、まだ障害の困難を克服するというような御判断があります。そして、この固定学級については、文部科学省において当初廃止するという方向性もあったのですが、保護者や教育現場からの強い反発があり、存続になっているという経過があります。そして、今回の説明でもわかるように、特別支援学級の位置づけは、残念ながら従前の特殊学級と何ら変わっていないと言えるものです。そして、その上で共生を目指す試みとして、教育課程に位置づけて交流や共同学習を行っている、そう理解いたします。しかし、残念なことに、ともに学ぶインクルーシブな教育に至っていないように見受けられるわけです。ある学校の教育課程を見ると、特別支援教育に言及していないものもあったり、また、心身に障害のある子どもとの交流を外国人との交流と同義に考え、連帯感を持つなどとしているところもありました。固定学級に通う子どもたちは、その学校の構成員として認識されていないのでしょうか。
 ある保護者の方からの御意見を紹介します。5年生のときに実施される連合音楽祭の折に固定学級に在籍している5年生が、舞台ではなく、客席での見学であった。たとえ上手にできなくても、鈴を持つとか、何らかの工夫で一緒の舞台に立てるのではないか。そのような御意見でした。つまり、すこやか学級とか、すみれ学級とか、そういった学級の子どもではなく、同じ5年生として見てもらいたい、そのような御意見です。
 また、特別支援学級や通級指導学級に在籍していると、自分でできるようになることが自立と言われるけれども、果たしてそうでしょうかと、疑問を投げかけられています。教育者は自分のことを自分でやれるようになり、他人に迷惑をかけないようにする。それを身につけることが第一であると考えているようですが、さまざまなハンディゆえにどうしてもできない、習得できない子どもだっているわけで、その際に大切なのは、こういった人たちをどう支え、社会や周りがどう一緒に生きていく力や考え方を持てるか。そういうことではないでしょうかとも話されています。まさにそのとおりで、特別支援学級在籍ということで学校の中での疎外感を抱く保護者の方の痛烈な批判でもあります。同じ思いの保護者の方は多くいらっしゃると思います。
 そこで、各学校が作成する交流計画を見させていただきました。これは固定学級を持つ学校がどういった共同学習を行うのかといった計画で市教委に提出しているものですが、学校によってまさにまちまちなんですね。これでは困ります。教育委員会として、交流や共同学習の進め方について、指導なりモデルを示し、先進的な取り組みなどの共有化を図っていくことも必要と思うのですが、いかがお考えでしょうか。
 文京区のある小学校の取り組みですが、固定学級に在籍する児童は、すべて通常学級に所属し、朝の会や帰りの会を一緒に過ごす。プール指導なども一緒にする。通信簿は固定学級、通常学級の先生、お二人で作成する。そのような中で、必要がある場合には特別なサポートを実施していく。そのような学校運営がなされていると聞いています。
 また、八王子にもすばらしい先進的な取り組みがあります。研究教育校の打越中や第二中の実践です。先日、二中にお邪魔して見学と校長先生のお話を伺ってまいりました。二中では、子どもに病名をつけることよりも、子どもたちが何に困っているのか、そこに着目し、不登校や引きこもりという学校の課題解決に取り組むわけです。それがオアシスという教室になるのですが、生徒だれにも開かれており、昼休みなどは常時40人ぐらいの子どもたちが遊びに来ているということです。教室の設置場所も、そのような子どもたちがたくさん来れるような場所にと配慮されているわけです。
 また、特別支援学級として通級指導学級もあり、二中の在校生が通っています。理科や音楽の特別教室に通うように、一斉授業になじめない場合など、この部屋で個別指導を受けているということです。ことしからの開設で普通学級との橋渡し的役割を担っていると思われます。
 もう一つの課題が学習支援です。個別学習指導と自学自習の場を同じく学校内につくり、運営しています。ここでも児童の学力不振、つまり、障害の有無とか、障害の病名設定とかいうことではなく、子どもの現状、つまり、学力不振という子どもの課題、困り感に注目しての対策が講じられています。しかも、どの子がどんな問題を抱えているのかを全校での教育相談委員会を毎週管理職、また、普通学級、こういった支援学級、サポート学級、またボランティアも含め、情報の共有を図っているということです。
 二中の特別支援教育を支えている理念は、子どもを見捨てないということです。そして、これらの活動を通して、学校は特別支援教育を充実させることは、学校づくりの基本であり、教育活動として当然のように行わなければならないことに気づくことになった、このように述べています。簡単な紹介ではありますが、文京区のこの試みや八王子の実践など、学校全体、また、組織として、特別支援教育に取り組んでいる例であり、まさにインクルージョン教育の前提であると考えます。
 そこでお尋ねいたしますが、交流や共同学習にとどまらないインクルーシブな教育を進めるための環境整備が必要と思うのですが、この点についてのお考えをお聞かせください。  次に、場所の問題です。ある新設校に伺ったとき、特別支援学級が大変狭い廊下を通ったその先にある教室だったり、人気のない学校の一番外れであったり、また、職員室も通常の職員室とかけ離れて設置されたりしていることを多く見受けます。これでは、日常学校生活レベルでの教師同士の交流や子ども同士の交流は図られにくいと思うわけです。今ある特別支援教育や職員室の設置について、インクルージョン、並びに共生といった視点から点検し、見直しを検討していただきたいと思うのですが、お考えをお聞かせください。
 次に、男女共同参画についてです。
 男女共同参画課の持っているノウハウを積極的に生かして、他の関連部署との連携をさらに深め、施策の実効性を高めていただきたいと思います。
 そして、追加としてデートDVについてお伺いいたします。
 今DVは大変重要な課題、そのように御答弁もあったわけですが、さらに若年層、若い層に多く見られるデートDV防止についても大きな課題であると思います。この対策が第2次プランに盛り込まれたことは大変高く評価いたします。若い人の間でのデートDVによる被害が深刻化している今、講座を開いても参加者が集まりにくいという問題もあるところから、積極的に出前講座などで若年層への意識啓発を行っていく必要があると思うのですが、具体的にどのように進めていくお考えでしょうか。お聞かせください。
 佐賀県などは、中学2年生の性教育の課程の中で取り組みが行われています。また、岡山市なども若い人がアクセスしやすいような相談窓口をも開設しているところです。佐賀県の報告によるならば、中学生の女子は、学年が上がるほど自尊意識が低くなる傾向があるので、自尊感情を高めることに注意を払う必要があるとの意見も聞かれたところです。ぜひこういった先進事例を参考に、デートDV防止に取り組むとともに、中学校などでのアンケートや教員への聞き取りなども行って、実態調査もぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、無届け老人施設についてです。今後の対応については、東京都と連携しながらという形でなかなか具体的な対策が見られないのが現状かと思います。ネットなどで高齢者賃貸住宅などと検索してみると、安心高齢者賃貸住宅、食事提供などといううたい文句が並んで出てきます。食事提供に関しては、外部からの弁当配達などであれば、今回の調査対象老人ホームには該当せず、非該当扱いなのかと思っています。介護サービスもきちんと一対一で提供されているのかどうか、実態が見えてきません。なかなか指導が行えないということではありますが、介護保険請求書やケアプランなどの精査、かつ包括支援センターなどからの地域情報を積極的に集め、いろいろなところに設置されている高齢者の賃貸住宅や、また高齢者が多く住んでいるような、そういった施設がどのような整備になっているのか、また、入居者の安全や健康は守られているのかどうか、そういったことにぜひ注意を払っていただきたいと思います。
 特に今回非該当とされた、なかなか法の網目に引っかからない、そういったさまざまなサービスも出ているところから、法にとらわれないところでの実態調査が求められるところであります。このような状況は、特に、特別養護老人ホーム、老健などが入りにくく、かつ有料老人ホームが高額である今、比較的廉価な高齢者向け賃貸住宅の需要が多くなり、かつひとり暮らし高齢者などの場合には、食事や介護サービスなどのケアつきが求められているのが現状です。こういったサービスに対し、民間業者やNPO法人が参入しているのですが、その提供されるサービスの質や内容に関しては、まさに玉石混交状態と言えます。安心して暮らし続けられるケアつき高齢住宅をどう整備していくのか。昨年12月にも私は質問したわけですが、このとき高齢者賃貸住宅は民間業者任せ、公的なケアつき住宅の整備は財源上難しい。また、住宅と介護をネットワークさせる取り組みなども要望したわけですが、なかなか縦割り行政の中で取り組めていない現実があります。
 しかし、こういった自治体の高齢者住宅の貧困さが第2、第3のたまゆら事故を引き起しかねません。そこで、副市長にお尋ねいたします。高齢者の方々が安心して暮らせるケアつき住宅の整備を自治体としてどう考えていくのか、お聞かせください。
 これで2回目の質問を終わります。

◎【市川潔史議長】 こども家庭部長。

◎【菊谷文男こども家庭部長】 サバイバル場建設に関連いたします青少年健全育成条例の見直しにつきまして、御答弁申し上げます。
 青少年の健全育成の推進につきましては、大変重要なことというふうに考えております。この健全育成の推進を図るためには、条例あるいは要綱等は、時代の変化とともに整備、改善を含めた見直しの必要性はあるというふうに考えております。

◎【市川潔史議長】 環境部長。

◎【岡部正明環境部長】 住宅地に隣接します市街化調整区域の緑の保全についてのお尋ねでございます。
 現在、みどりの基本計画の素案でリーディングプロジェクトとして市街化調整区域の緑の保全を掲げておりますけれども、ゆめおりプラン、都市計画マスタープランなどの上位計画との整合を図りながら、市街化調整区域の緑の重要度を把握していく予定でおります。特に住宅地に近接します市街化調整区域の緑につきましては、地域の実情、例えば環境保全や景観といった要素、こういったものを把握するとともに、保全すべき緑の優先度を整理いたしまして、適正な緑の保全に努めていきたいというふうに考えております。
 次に、緑保全に際しての土地所有者への働きかけという御質問です。市内の緑地など、緑の重要度を把握していく中で、重要度の高い地区につきましては、緑化条例に基づく緑地保護地区などの制度を活用して、保全のための支援策などを含めまして、土地所有者の理解と協力がいただけるよう働きかけを行っていきたいというふうに考えております。
 最後に、緑を管理、保全していく団体の育成ということでございまして、今年度当初に市街地内丘陵地のみどりの保全に関する条例に基づきまして、大谷町地内に斜面緑地保全区域を指定したところでございますけれども、この土地所有者、保全団体と市で維持管理する協定、いわゆるグリーンマッチング八王子を締結いたしまして、今保全団体による適切な管理が進められております。市街化調整区域の緑につきましても、こういった事例を検証いたしまして、保全団体の育成に何が必要とされ、また、何が有効かということにつきまして、整理していきたいというふうに考えております。

◎【市川潔史議長】 教育指導担当参事。

◎【由井良昌教育指導担当参事】 特別支援教育に関しまして、市として交流及び共同学習の進め方などについて指導したり、モデルを示したりする必要があるのではないかという御質問がございました。これは極めて重要なことだというふうに考えておりますので、特別支援学級担当教員研修会などで交流や共同学習についての情報交換や先進事例の紹介などを進めてまいります。
 次に、交流を進めるための環境整備ということでございます。市内の学校によりましては、通常の学級における在籍学級を既に定めまして、児童、生徒ひとりひとりの実態に応じて取り組んでいるところもございます。こういった取り組みを特別支援学級設置校長会などで紹介して、特別支援学級と通常の学級の交流を一層進められていくようにしてまいります。
 次に、特別支援学級を設置する際の配慮ということでございますが、児童、生徒、教職員などの人の流れや安全確保、障害特性などを考慮して、通常の学級と特別支援学級が日常的に触れ合うことができる場所に教室を配置することが望ましいというふうには考えておりますけれども、すべての要件を満たすことはなかなか難しい状況であるというふうにとらえております。

◎【市川潔史議長】 市民活動推進部長。

◎【峯尾常雄市民活動推進部長】 デートDV防止に対する取り組みについてでございます。
 DV防止の啓発につきましては、若年層からの教育啓発が必要というふうに考えております。お話にありましたデートDV防止の出前講座につきましては、今年度は、まず手始めに市内の高校、大学と連携を図りながら実施する予定でございます。

◎【市川潔史議長】 岡部副市長。〔副市長登壇〕

◎【岡部一邦副市長】 高齢者が安心して暮らせる住まいの確保についての本市の対応についてお尋ねがございました。
 先ごろ閣議決定をされました高齢社会白書におきまして、今後の大都市圏における高齢者増、あるいはひとり暮らし高齢者比率の加速度的な上昇といったことが指摘されております。先月には高齢者の居住の安定確保に関する法律が改正されまして、高齢者居住安定確保計画の策定、高齢者生活支援施設と一体となった高齢者向け有料賃貸住宅供給の促進など、まさに国を挙げて進めていこうとしているところでございます。本市におきましても、この動向を十分注視いたしまして、必要な対応策を検討してまいります。

◎【市川潔史議長】 黒須市長。〔市長登壇〕

◎【黒須隆一市長】 第9番、陣内泰子議員の質問にお答えいたします。
 サバイバルゲーム場計画に対する対応についてお尋ねをいただきました。
 私は、当初、サバイバルゲームというのはどういうものかということを承知いたしておりませんでした。情報を集めた結果、東京都にはない、千葉県に数ヵ所あるというようなことで、内容についても理解いたしたわけでございますが、これは八王子市内、しかも、今回の計画された場所では、近隣に保育園や小中学校もあるわけですし、また、住宅が隣接しているというようなことから、これはそのようなゲーム場の建設地としては全くふさわしくないというふうに思いました。また同時に、青少年の健全育成にも影響はよくない、こういうふうに判断したわけでございます。
 そのために、担当部署には積極的な情報収集と、東京都と課題の抽出等の協議を含め、情報の共有化を図り、市として迅速かつ適切な対応ができるよう指示したところであります。法的根拠がないというのは、例えば建築確認とか、あるいはまた、工場設置の許可とか、そういった法的な根拠というのはないんですね。ですから、そういう点で東京都とも連携して、最善の対応ができるように、こういう指示をしたわけでございます。
 幸いに地主、あるいはまた、事業者も地元の方でございましたから、関係のある地元議員も骨を折っていただきました。結果として話し合いで事業計画が撤退されて、解決した、こういうことでございます。大変望ましい結果になったというふうに思っております。特に、所有者が理解していただいて、子どもたちの野外活動のフィールドとして開放してくれる意向も示されたというふうに伺っておりまして、そういう点では、私はいい方向に向かったな、このように思っております。

◎【市川潔史議長】 第9番、陣内泰子議員。〔9番議員登壇〕

◎【9番陣内泰子議員】 御答弁をいただきました。今、市長の方からサバイバルゲーム場建設、場所的にも大変ふさわしくない。また、問題もあるということで、最善の対応をするように指示をしたという御答弁をいただきました。ぜひそのような思いを、なかなか難しいのかもしれないんですけれども、住民の方たちが御相談に見えたとき、また、こうやって署名を持っておいでになったとき、そういうときに、市長としてどうなのか、どう思っているのか、そういうことをぜひ伝えて、市としての考えを住民の方々にもわかるようにお示しいただければ、さらによかったなと思っているところであります。  また、青少年条例の見直しについては、適宜ということではありますが、指導要綱の中で、カラオケやコインシャワールームですか、そういったものは指導の対象になっているということを伺っています。ぜひこのサバイバルゲーム場、これをどう規定するかということもあるかと思いますが、何らかの形での具体的な指導ができるように、もし今度同じようなことが起こったときにもきちんと指導ができるように、今後早急に見直しを検討して、形に残していっていただきたいと思います。
 みどりの基本計画についてです。みどりの基本計画を全面改定、地球温暖化対策が新たに作成されたということを考えると、八王子は一定程度の開発の収束という、開発より緑を大切にするという方向にかじをとったというふうに思っているわけです。まさにそういう中で、住宅地がスプロールしてきて、調整区域と接触が多くなってきた。今新たな問題が起こり、今回のサバイバルゲーム場もそうでありますが、だからこそ住宅地に隣接する周辺山林の、周辺緑の保全を、先ほども御紹介があったようなさまざまな団体とともに守っていく、そのような方向も示されているわけです。
 今減少してきている樹林地率は、2002年時点で46.3%、何とかこの水準を守っていかなければならないと思うのですが、市単独で維持管理していくということもなかなか大変。地理的に見ても、開発の誘惑は常につきまとっていると言えます。そこで市の緑を他の自治体に管理していただく。つまり、カーボンオフセットの考えの徹底が図られる必要があるのではないでしょうか。
 地球温暖化対策計画の中にちゃんと位置づけられていました。温暖化対策はまさに喫緊の課題でもあり、CO2吸収のための緑の有用性は既に明らかになっています。だからこそ緑保全は単に一自治体だけの問題ではなく、持続可能な地球規模で考える必要があるのです。具体的な進め方をお示しいただきたいと思います。
 次に、特別支援教育についてです。
 特別支援教育について、交流についての取り組み、御答弁をいただきました。そしてまた、教室等の配置については幾つかの考慮する点がある。また、なかなか全部がそのようになっていないとのお答えではありますが、ぜひ前向きに、どうやったらより学校全体の問題としてこの支援教育を考えられるのか、そのような方向で見ていっていただきたいと思うわけです。
 そして、通常学級と特別支援学級の教師の交流ですね。また、教師同士のバリアを解消する。情報交換する。これは学校全体で取り組んでいく上で大変重要でありますので、ぜひ前向きにお願いいたします。
 そしてまた、交流の共有化に関しては、今御答弁の中で特別支援学級を設置している担当者の会議であったり、特別支援学級を設置している学校の校長会であったりという御説明がありました。これは、つまり、そういう学級がないところにはこのような特別支援の具体例、または、取り組みなどがなかなか共有されない。そのことをみずから認めてしまっているのではないかと思うんですね。まさにこれは今特別支援学級がある学校、そこでの改善がまず第一ではありますが、そうでない学校においてもさまざまな支援を必要とする子どもたちがおり、その支援に対しての試行錯誤が常に行われているわけですので、学校全体への共有化を進めていっていただきたいと思います。
 最後に、教育長にお尋ねいたします。今までも特別支援教育については多くの質問、議論が議会の中でも行われてきました。特別支援教育とは何かという問いに対して、特別支援教育とは、ノーマライゼーションの理念に基づき、ひとりひとりの教育ニーズに沿って進めていくもの、このように教育長は発言されています。その真意はよくわかりません。多分、特別扱いをしないで、ひとりひとりのニーズにこたえていくということかと思うんです。ノーマライゼーションを辞書で引いてみると、一般的とか、普通とか、そういった意味が出てきます。大変難しい課題です。つまり、特別扱いしないで、なおかつひとりひとりに必要なニーズにこたえていく。そういうことをやろうとしているわけです。でも、やっていかなければならない課題です。その実現の方向性というのは、学校全体で取り組むこと、そのことにあると思います。教育長自身も、このことは認識されているわけで、前に紹介しましたが、そのようにも認識されています。しかし、今さまざま御答弁いただいた中でも、全体の方向が見えていないのが現状です。
 そこで、どうしたら特別支援教育が学校全体の取り組み課題になるのか。共生社会形成の基礎となる特別支援教育とはどんな教育の姿をイメージされているのか。また、そのために最も重要な教育に求められているものとは何かお答えいただきたいと思います。私は、せめて卒業アルバムをクラスの仲間と一緒に撮れることを目指してもらいたい。そして、そのアルバムの笑顔が本物となるような環境づくりをつくっていってもらいたいと思っている次第です。
 これで一般質問を終わります。

◎【市川潔史議長】 環境部長。

◎【岡部正明環境部長】 カーボンオフセットのまちづくりについて御答弁いたします。  豊かな緑に恵まれております本市と森林の少ない都内23区の自治体とが連携したカーボンオフセットによります森林整備につきましては、計画に取り込んでおります。パートナーとなります自治体の特定とか、森林整備の仕組みづくりなどにつきましては、市民の意見を参考にしながらこれから検討を進め、森林のCO2の吸収機能を維持するとともに、子どもたちを初めといたしました相互交流、そして、間伐材等の有効活用等を行っていきたいというふうに考えております。

◎【市川潔史議長】 石川教育長。〔教育長登壇〕

◎【石川和昭教育長】 特別支援教育を進める際に求められているものは何かとのお尋ねでございます。
 この点につきましては、障害の有無にかかわらず、地域の人々や保護者とともに、児童、生徒ひとりひとりについての理解を深め、教育的ニーズに応じた指導や支援を進めることが必要であると考えております。こうした姿勢を学校全体として受けとめ、教員ひとりひとりが身につけていけるよう引き続き研修の充実を図ってまいりたいと思います。

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