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2007年 第4回定例議会(第3日目)一般質問(2007/12/4) |
【要旨】 ひとり親家庭、特にシングルマザーの支援について 学校現場の人材について 高尾の里整備について 八王子城跡トンネルのその後について 八王子の城跡について |
◎【10番陣内泰子議員】 無所属の陣内泰子です。それでは、通告に基づきまして一般質問を行います。多少順番が変わりますことを御了承ください。 まず、ひとり親家庭、特にシングルマザーの支援についてお伺いいたします。 母子家庭に支給されている児童扶養手当の削減について、八王子市議会として減額を最小限にするよう求める意見書を採択したのが昨年9月でした。それから1年、いろいろな働きかけの結果、先月、政府・与党は削減凍結を決めたとの新聞報道があったばかりです。一応ほっとしたところではありますが、削除になっていないこと、全面凍結ではないので予断は許せません。 2003年の母子及び寡婦福祉法の改正並びに母子家庭自立支援対策大綱で、母子家庭への支援は手当支給から自立支援へと大きく変わりました。自立支援プログラムが示され、それと引き換えに児童扶養手当の削減が盛り込まれたわけです。しかし、この法律がいかに現場の声を無視したもので、かつ実態を反映していないものであるかということは、当事者団体に聞くようにという附帯決議にもあらわれていますし、その後の自立支援プログラムの実効性が上がっていないということにもあらわれています。 また、児童扶養手当の削減に関しては、既に2002年、この法律改正に先立ち、10月から、それまでの満額か一部支給かの二者選択から、収入に応じての細かな減額が実施されてもいて、年収等が130万円以上あれば既に減額がされている、そのような状況です。まさに減額ありきと言えます。このような背景を踏まえて、母子家庭の支援を積極的に行っていただきたいとの思いから質問いたします。 八王子においても、当事者へのアンケートを踏まえ、ことし9月に、ひとり親家庭支援計画が作成されたことは評価いたします。また、当事者へのアンケートも初めての実施とのことで、ぜひこういった声を十分に反映した施策展開をお願いするわけですが、まず今回の自立支援計画のために行ったアンケート結果からはどのような課題が見えてきているのかお答えください。 また、この計画は3ヵ年計画になっているのですが、3年後の具体的なゴールをどのように思い描いているのかもお示しいただきたいと思います。 そして、八王子の現状として、今年度から教育訓練給付や常用雇用転換奨励金など、3つの新たな取り組みが始まったわけですが、それぞれの事業の利用実績や反響、PR方法などについてお示しください。 また、あわせて母子福祉貸付資金の貸し付けの利用状況も教えていただきたいと思います。 次に、学校現場の人材はどうなっているかについてお伺いいたします。 今学校は、教育に対する多様なニーズとともに、開かれた学校の促進という方針とも相まって、現役の教員や講師の先生方だけではなく、多くの人材がかかわっているところです。また、教員の仕事量、事務量の増大から、少しでも子どもたちに向き合う時間の確保のために、事務量の軽減措置の検討もされていると聞いています。本当に先生方は忙しい。そんな折、来年4月から、小学校の専科教員の配置基準が変わるということを聞いております。それは、15、16学級の場合、都からの配置されている専科3名を2名にするというものです。八王子の学校では6つの学校が該当します。この影響をどう考え、対応を考えておられるのでしょうか。 学校の教育にかかわる人材が少なくなる。そして、専門性の確保は大丈夫なのかと心配です。人材の不足に関しては他にも問題があります。アシスタントティーチャーについてです。八王子としては、早くから特色ある学校づくりの一環として、このアシスタントティーチャーの活用を図ってきているところですが、ここ数年、学校からの要望に対して十分配置できていない状況が続いています。今年度当初の各学校からの要望と充足状況はどうなっているのかお示しください。 こういったアシスタントティーチャーの不足からなのか、中学校などでの教科補習などでは、教科外の先生が行っているということも聞いております。こういった実態を教育委員会はどうお考えでしょうか。そして、その対策をどのようにされているのでしょうか、お示しください。 また、さらに地域との連携ということで、ボランティアでの教育支援対応も現実的となっています。学校のお便りなどで、地域の人への呼びかけとして、基礎学力補充が必要な生徒がいますという募集も行われているところです。この文章を読んだときに、教えることまでにボランティアの力が必要とされているのかと、今の学校の状況にある意味愕然としたところです。 そこでお伺いいたしますが、教育支援ボランティアとして、授業サポートや放課後補習、つまり、教科教育にかかわっている人はどれぐらいいるのでしょうか。 そして、生徒に対しての教科指導、具体的にどのように実施されているのでしょうかお示しください。 3番目として、高尾の里整備についてです。 9月1日の広報に、高尾の里を自然学習や観光の拠点として整備すると大きく掲載されています。また、同月9月26日、朝日新聞においても、観光拠点、10億円かけて整備と、これまた大きく掲載されているところです。ここは東京都で唯一の自然系博物館であった東京都高尾自然科学博物館の跡地で、東京都から博物館機能を継承することを条件に無償譲渡されたもので、20年間の目的使用することも都との約束になっています。博物館機能を継承するという条件がなければ無償譲渡されなかったもので、東京都のいきさつについては田中副市長がよく御存じです。これらを踏まえ、どうこの場所を活用していくのかという検討が市民を入れての検討委員会で論議され、市の素案、パブリックコメント、それを経てこの計画として示されたわけです。 約8万点余りの貴重な資料、収蔵品を持ち、どういった博物館機能をつくっていくのか関心を持って見てきているわけですが、この計画ではほんの小さく旧稲荷山小学校その他の施設において調査、研究、収集、保管を行う。この高尾の里の新施設では、展示、学習支援、そのようになっているだけです。どこにも博物館あるいは博物館機能といった言葉も内容も見られません。高尾の里の推進には、まずこういった博物館機能をどうしていくかということが同時並行的に検討されていくことで、結果としてその新施設での展示などのコンセプトも決まってくると考えています。この点をどうお考えなのかお聞かせください。 しかも、今まだ博物館機能の継承という東京都の約束の中身が煮詰まっていないところです。それは、検討委員会に自然科学系の学識者が入っていなかったことや、市の公認環境団体とも言える環境市民会議、とりわけ地域の西南部環境市民会議のメンバーが入っていなかったりといったことが影響しているとも考えられます。自然科学系の事業展開や内容に関してはどのようにしていこうとお考えなのかお聞かせください。 次に、1回目最後の質問として、八王子城跡トンネルのその後として、先週の井上議員の質問と答弁を踏まえて質問させていただきます。 まず、御主殿の滝は、7月8日以降かれていないけれども、地下水位は338メートル、つまり、7割方回復したところで停滞、7月以降は上昇する気配が見られず、逆に低下さえ観測されている。こういった状況になっています。こういった事実に先立ち、教育委員会は、5月に相武国道から地下水位は回復し始めているとの報告を受けたわけですが、その報告は受け取らず、都との協議の中で文化庁への報告にすること、滝がれの原因究明についてのトンネル検討委員会の見解、並びに御主殿の滝、そして、城山川の原状回復の見通し、この3点に沿って改めて報告をするよう相武国道に伝えたということが明らかになりました。しかも、その後の報告はまだもらっていない。しかし、早急に対応するということでした。 そこでお尋ねいたしますが、井上議員から、あすにでも対応するようにとの指摘があったわけですが、相武国道にこの対応について何らかの連絡をされたでしょうか。 そして、報告の回答期日等はどうなっているのでしょうか、教えていただきたいと思います。 今トンネル内への湧水量は1日500トン余りと、相変わらず大量に出ている状況ということが市民団体の調査等でも報告されています。5月の報告では、八王子城跡トンネルの水環境保全対策についてとして10項目に触れ、観測井戸の水位の上昇から止水構造は予定どおり機能していると判断できる。このことから、地下水全体が回復し始めてきていると考えられるといったトンネル検討委員会の見解を示しているわけです。 しかし、それから半年後の今、状況は水位は上昇せずとなるならば、止水構造の機能そのものが働いていないのかといった疑問、そして、地下水位は回復していないのではないかといった疑問が出てまいります。山全体の保水力がなくなっていることも考えられます。御主殿の滝のそばに立てられた落石危険、立入禁止、このような立て看板の設置だけではなく、何らかの崩落などの危険も考えられるわけで、そういった処置を文化庁や国交省と協議し対策を立てることも文化財保護上必要かと思うのですが、この点についていかがお考えでしょうか。これからの渇水期に向かって急を要する対策かと思います。 そしてまた、市長はこの水環境の状況に対して見守っていくとの御答弁でした。でも、とても心配なんです。というのも、環境アセスでは八王子城跡の水環境に工事による影響は出ないと言っているのです。しかし、止水構造が機能したことによって、7割方水位が戻ったとはいえ完全ではありません。滝がれこそ起こっていませんが、いつ何どき、また滝がれが起こるやもしれません。そして、今までに19回も起こった滝がれの原因は、今現在何ら解明されていないのです。この地下水位については、深いところでの水位ということで、雨などの影響を受けにくいということは国交省自身も分析しているところです。だから、トンネル検討委員会は予定どおり回復する、そういった見通しも立てられたわけです。 しかしながら、そうなっていない。なぜ回復しないのでしょうか。本当に事態は深刻だと思います。水環境に影響は出ないとされたこの八王子城跡トンネルにおいて、このような状況です。であるならば、トンネルからわずか140メートルのところに位置する高尾山の琵琶滝に影響が出るのではないかという心配もあります。しかも、既に南坑から掘り始めているあたりでは、沢がれが市民団体等に確認されているところです。水環境の回復を長いスパンで見守るというのも一つですが、原因がわかるまで、また、原状回復するまで、高尾山トンネル工事の休止をぜひ求めたいと思います。なぜなら、城跡トンネルと高尾山トンネルは同じ工法の採用であるからです。市長には発言通告をしていないのですが、ぜひこの点にお答えいただきたくお願いいたします。 これで1回目の質問を終わります。 ◎【小林信夫副議長】 こども家庭部長。 ◎【坂本誠こども家庭部長】 それでは、ひとり親家庭への支援に関してお答えいたします。 まず、ひとり親家庭自立支援計画、これを策定するときのアンケートの結果からの課題ということですが、母子家庭では、母の就業形態、これは非正規の雇用が多いということ、家計、いわゆる収入が低いということ、就職に有利と考えられる資格をとりたくても、仕事、育児、費用の面で資格取得になかなか結びついていないでいるということというふうに把握しております。また、子どもの保育は保育所の利用が最も多く、相談相手は親族、知人、友人が多くなっております。この状況を踏まえまして、就業支援、相談体制の整備強化、子育てや生活支援、経済的な支援、この4つを柱として計画を取りまとめております。 次に、3年後の到達目標をどうとらえているかということです。ひとり親家庭自立支援計画を実施することによりまして、今後の3年間で効果的な支援体制を整備展開し、ひとり親家庭の親子が地域で安心して自立した生活が営めるような条件を整えていきたいというふうに考えております。そのためには、母子自立支援員による相談事業の充実を図るとともに、関係所管との連携、また就業や福祉を所管する国、東京都、さらには母子福祉にかかわるNPOなどの各種団体と連携するなど、それぞれが持つ資源を有機的に組み合わせまして、効果的な自立支援体制を構築していきたいと考えております。 次に、就労支援のための新たな取り組みの利用実績について御質問がございました。11月末現在のところですが、就労のための教育訓練講座を受講する際の受講料の一部を補助する母子家庭自立支援教育訓練給付金、これは実績が7件でございまして、内訳は、ヘルパー2級が4件、医療事務が3件となっております。 次に、看護師や介護福祉士などの資格取得のための母子家庭高等技能訓練促進費につきましては4件の実績がございまして、内訳は、看護師が3件、准看護師1件となっております。 最後に、母子家庭の母を有期雇用から常用雇用へ転換した事業主に対しまして支給いたします母子家庭常用雇用転換奨励金でございますが、これについては今のところ実績はありません。 次に、就労支援のための取り組みの周知方法についてでございますけれども、4月1日号の広報はちおうじに2件の制度について記事を掲載いたしました。また、ハローワークにおいて、各制度の周知について御協力をお願いしております。そのほか、市のホームページに各制度の概要を掲載し、また、児童扶養手当の認定通知、これを発送する際に、ひとり親家庭に対する各種支援制度を記載したお知らせを同封いたしております。また、年間を通じて私どもの窓口で各制度のお知らせを配付しております。 最後に、母子福祉資金の貸付状況についてでございますが、本年11月末現在で、新規と継続中を合わせて177件の貸し付けを行っております。内訳につきましては、件数が多い順に申し上げますと、高校や大学等の授業料に充てる修学資金、これが148件、入学金等に充てる就学支度資金が17件、母親の技能修得期間中の生活資金が6件、引っ越しのための転宅資金が5件、運転免許取得のための修業資金が1件となっております。 ◎【小林信夫副議長】 教育指導担当参事。 ◎【由井良昌教育指導担当参事】 それでは私のほうから、学校教育に関する人材のことに関して、4点ほど御質問をいただきました。 まず第1点が、専科教員の配置基準が変わったことに関する学校への影響等についてでございますけれども、専科教員の配置基準については、来年1月に正式に決定されますが、平成20年度には、10学級と16学級の学校は専科教員が1名減となる見通しでございます。教科減となった教科を担当する高学年の学級担任の持ち時数がふえることにはなります。ただ、ほかの学年の教科と比べて特段に多くなるということは考えておりませんが、正式決定を見て検討していきたいというふうに考えております。 次に、アシスタントティーチャーの配置要望と実際に配置されている人数ということでございますが、今年度のアシスタントティーチャー配置要望は、小学校が45校、中学校が20校でございました。現在配置校は、小学校が13校、中学校が7校でございます。 次に、中学校における補習等での当該教科の免許を有しない教員ですとか、教育支援ボランティアの指導、そのあたりのお話でございました。各中学校では、生徒に基礎学力を身につけさせる方策の1つとして、放課後等に個別支援の場を設定して工夫しております。ひとりひとりの課題に対応して基礎基本を身につけるということでございますので、当該教科の免許を有しない教員や教育支援ボランティアも指導にかかわっております。考えといたしましては、当該教科の教員に子どもの状況について打ち合わせをしながら進めることが望ましいというふうに考えております。 また、これらを充実させていくためには、各学校で補習や教育活動等に協力していただけるボランティア、つまり、教育支援人材バンクに登録していただきまして対応してまいりたいというふうに考えております。 最後に、教育支援人材バンクの現在の状況でございますけれども、専門性や特技を生かし、ゲストティーチャー等で授業補充を行うボランティアが268名、放課後や休業日等に行う補習や個別学習の補充を行うボランティアが253名現在登録しているところでございます。 ◎【小林信夫副議長】 生涯学習スポーツ部長。 ◎【菊谷文男生涯学習スポーツ部長】 それでは、私のほうから、まず高尾の里の整備につきましてお答えをいたします。 博物館機能ということでございます。現在稲荷山小学校におきまして、旧東京都自然科学博物館から移管されました所蔵資料を保管整理をしております。高尾の里の拠点施設には、博物館機能のうち、調査・研究の発表の場や移管を受けた所蔵資料の展示などを考えているところでございます。一方、稲荷山小学校につきましては、調査・研究あるいは資料を保管する形で博物館機能の継承を考えていきたいと考えております。 それから、拠点施設の展示内容に市民も参加すべきではないかということでございますが、現在拠点施設につきましては、博物館機能を備えた常設展示コーナーや観光情報コーナーなど一体的な運営を目指して検討しております。展示は施設運営と密接な関係がございます。運営には、地域の皆様やボランティア団体等の連携は重要というふうに考えております。 次に、八王子城跡の関係につきまして御答弁いたします。 まず、相武国道事務所のほうに回答の期日あるいは時期を明示したのかということでございます。今議会は何名かの方から御質問も受けておりますので、我々生涯学習スポーツ部のほうではいろいろな質問を整理検討した中で、相武国道のほうに報告を求めていきたいというふうに考えております。 それから、崩落に対する対策を立てるべきではないかということでございます。これにつきましては、職員あるいは現地におります嘱託等がかなり頻繁にあそこを訪れる方の通路等は確認をしてございます。引き続き危険というようなところがございましたら、これにつきましては市でできる部分についてはもちろん私どもでやりますが、大規模なものについてはまた文化庁等と相談をしてまいりたいというふうに考えます。 それから、水位が完全に戻っていない、回復しないのではないかという御趣旨の御質問でございます。これは、先日も御答弁申し上げたように、2月24日に覆工工事が完了し、止水構造が完成をいたしました。まだ10ヵ月足らずという状況でございますので、私どもはトンネル技術検討委員会の見解として、将来的に安定をするという見解も示されておりますので、もう少し様子を見るべきというふうに考えております。 ◎【小林信夫副議長】 黒須市長。 ◎【黒須隆一市長】 10番、陣内泰子議員の私に対する質問にお答えをいたします。 滝がれの原因解明がいまだなされていない中で高尾山トンネルの工事は進めるべきではないということに対しての見解でございますけれども、確かに国交省としては原因についてはコメントをいたしておりません。まだ解明中ということだそうでございますけれども、しかし、私はもう何度も、これは明らかに工事によるものだと。ですから、工事が終われば水は回復をする、こういうふうにお答えをしてきたわけでございまして、工事の過程で一時的にはかれました。しかし、現在7月以降、工事が完了以降、滝は一度もかれておりません。地下水の水位も7割方戻ってきているわけですから、これは推移を見ていきたい、こういうふうに思っています。 高尾山トンネルにつきましても、城跡トンネルの経験を踏まえて、国交省としてはより適切な対応がなされるものというふうに私は考えております。 ◎【小林信夫副議長】 第10番、陣内泰子議員。 ◎【10番陣内泰子議員】 種々御答弁をいただきました。 シングルマザーの支援についてですが、3年後の目標に関して、期間限定つきの目標というには、余りにも漠然としたゴールのイメージというふうに今聞きました。3年間で正規雇用を希望するシングルマザーの3割とか4割とかを正規雇用と結びつける、そんな数値目標での管理も必要かと思いますので、ぜひその点も御検討いただきたいと思います。 さて、いろいろな取り組みをアンケートなどの生の声で検証してみたいと思います。相談についてなんですが、計画書に添付されている相談件数を見ると、大変多い相談件数が上がっています。昨年度は1,560件、決算資料で見るならば1,881件となっています。支援の4つの柱の1つでもある理由がここからもわかってくるわけです。つまり、かなり多くの人が幾つもの問題を抱えて市役所の窓口へアクセスしているということが考えられるわけですが、アンケートの自由記入欄の記載の中には、受付時間の制約がある、気軽に相談できない、偏見があるなどといった問題も解決されずに出てきております。どうしたらいいんだろうといった不安をまず受けとめるのが相談の窓口です。今年度強化された自立支援員の体制ではありますが、さらなるパワーアップが必要と思います。この点についてのお考えをお示しください。 受付時間の検討も必要かと思います。というのも、今年度の相談体制は前年度に比べて充実してきていることから、件数もふえてきています。9月時点で既に1,330件余りと聞いているのです。八王子のひとり親世帯4,800世帯という数から見て、まだまだ潜在需要があると考えられます。同時に、シングルマザーの抱える大きな問題というのは、約85%が就労しているけれども、非正規パート労働などが半数を占めているという現状にあります。このあたりを十分配慮できるような就業サポート、職業訓練の選択やそれとの組み合わせ、資格取得までのサポートなどが相談に引き続いて行えるような仕組みが必要と考えています。この点についてどうお考えかお答えいただきたいと思います。 今年度、新しい事業の実績が報告されました。まだまだ十分活用されていない、そんなことも見えてくるわけですが、使いにくいという声があります。その理由の1つとして、アンケートにもわかるように、仕事が忙しい、費用が高い、そしてまた、そういう訓練を受けている間の生活費、それに対する不安もあります。しかしながら、資格取得に頑張ろうとする人を最大限応援していくのがこの計画の趣旨でもあるわけですので、ぜひ応援していただきたいと思います。 しかし、そんな中、この給付金は国の制度なんですけれども、この10月から率が40%から20%へと下がってしまいました。それは雇用保険法の改正があり、それとの整合性での変更ということなんですが、八王子がこの制度を取り入れたのはまさにことしからなんです。この制度は既に2003年からあったものなんです。ということは、つまり、早いうちに取り組んだ自治体においてはこういった不利益は生じてきていないというふうに言えるわけで、この計画のせめて3年間、そういう期間に限ってでもいいのですが、ぜひこの給付率の40%は維持していただきたいと思うんですが、いかがお考えでしょうか。 企業紹介やトライアル事業については実績がないということでした。福岡市では、シングルマザー支援としての企業合同面談会、そのようなことも始めたと新聞記事にあります。八王子でも子育て応援企業の募集を行っているのですから、つながりのできた企業などを手始めに制度のPRを行い、ぜひシングルマザー雇用の理解を図っていただきたいし、就職あっせんへと結びつけていただけるよう努力をお願いをいたします。これは要望です。 そして、保育園の入所に関してです。八王子は本当に多くの待機児童を抱えていることから、不満もたくさん上がってきております。ひとり親ということで、点数加算はあるのですが、求職中であると、常勤者に比べて圧倒的に入りにくい状況です。このあたりの入所優先についてのお考え、ぜひお聞かせください。小さい子を抱え、ひとり親になる。働かなければならない。そんなことが同時に起こることを想像してください。アンケートにも切実な声が寄せられているところです。 次に、住宅についてです。これについても、計画では事業継続となっているところです。都営住宅、市営住宅、優先枠はあるのですが、それでもなお入れない。家賃が高い。そんな声がたくさんアンケートに寄せられているところです。事業継続、今のままの優先枠、それだけの施策では支援計画にはなりません。そこで、住宅困窮問題に関しては、今までの制度のバージョンアップというか、都営住宅、市営住宅への希望者で、かつ入れない人への住宅費の差額補助といったような思い切った対応も必要かと思います。もちろん、同程度の所得の人との不公平性はあるでしょうが、所得制限を設けるとか、期間を限定するとか、やり方はいろいろあると思います。お考えをお聞かせください。 そして、最後に、届け出の問題についてです。子どもを育て忙しく働いている。中には2つもかけ持ちをする。そんな働きをしているシングルマザーもたくさんいらっしゃいます。そんな中で、母子家庭に関する書類として、児童扶養手当、育成手当、医療証申請などがあるのですが、育成手当にしても、医療証の申請にしても、郵送で可能となっています。この児童扶養手当だけが毎年現況届を提出するために市役所あるいは拠点事務所まで出向かなければなりません。それも市役所があいている時間です。つまり仕事を休まなければならないわけです。何とかならないのでしょうか。なぜ郵送ではだめなのでしょうか。このあたりの御配慮についてお答えいただきたいと思います。 次に、学校の人材について御答弁をいただきました。私は、家庭教育、地域教育などとは異なり、学校教育の現場において、現場としての学校には専門性が要求されるのは当然のことだと思います。先ほど専科教員の配置、1名減に対しては今高学年対応で特に問題を感じていない、そのようにも聞こえてきました。そしてまた、教師資格を持つアシスタントティーチャーも要望の半分も満たしていない状況です。そして、その一方で、授業中の教科指導や放課後の補習などに268名、また、放課後補習では253名と、多くの教育支援ボランティアの人が携わっている、こんな状況です。 そこでお伺いいたしますが、学校にこんなにたくさんの人材がかかわることによって混乱等もあると聞いているのですが、そのあたりの対応はどうお考えになっているのでしょうか。授業中に知らない人が入ってきて生徒を指導していくといったことや、学校には教育ボランティア以外にもさらにメンタルサポーターや特別支援サポーター、インターンシップ、また総合学習にかかわる方々などいらっしゃいます。教員などの間では、だれが何をやっている人なのかよくわからない、そんな声も聞こえてきます。また、子どもへの対応として、先ほど担任や教科担任との間で教え方の意見交換などがきちんと行われるのが適切であるという御答弁がありましたが、先生によっては、意見交換をする時間があれば自分で教えたほうが早い、そんな声もあるわけで、このあたり、教育支援ボランティアが教科の中に入っていくことの困難性を感じております。 私は、9月の一般質問でもそうですが、何度か学校図書館の重要性、そして、その専門家としての学校司書の配置を要望してまいりました。しかし、いつも答えは、残念ながら、司書教諭と読書指導員並びにボランティアでというものです。今議会においても、他の議員から、学校図書館司書の要望が出されているのですが、お答えは変わりません。アシスタントティーチャーについてもそうです。本来ならば少人数学級の実現という形で教員の増員が図られるべきところなのですが、なかなか実現しない。であるならば、せめてアシスタントティーチャーでの対応をとも思うのですが、なぜ要望がたくさんあるのにふやせないのでしょうか。拡充する方針はないのでしょうか。配置基準、またその目的などを踏まえてお考えをお聞かせいただきたいと思います。 また、教育支援ボランティアというのは、必要に迫られているとはいえ、教育の専門性から言って、教育に対する越権行為にもなるのではないか。また、子どもたちが混乱する原因にもなると考えられます。子どもたちの教育を受ける権利が奪われている。そうとも言えるのではないでしょうか。 そこでお伺いいたしますが、教育行為はボランティアではなくきちんとした責任と資格においてなされるようすべきと思うのですが、教科指導する教育支援ボランティアに一体何を期待されているのでしょうか。それについてもう一度お聞かせいただきたいと思います。 次に、高尾の自然科学博物館、高尾の里の整備についてです。 これについては、博物館機能、それを稲荷山に整備し、そして、この拠点施設においては展示等をやっていく。また、運営等においては市民の参画を得ていく。そのような御答弁ではありましたが、その御答弁の中から、具体的な博物館機能、東京都の無償貸与を受けたその約束でもある博物館機能を全体としてどう展開していくのかというのが伝わってきません。まさにそれが今一番求められているわけで、そしてまた、その博物館機能を具体化していく中で、展示のコンセプトなども当然決まってくるわけです。だからこそ、そういう基本的な考え方がない中で設計をするということは、ある意味問題ではないでしょうか。 よく市長は、駅北口のマルベリーブリッジの使い勝手の悪さに言及されるのですが、まさに使う市民のニーズが反映されていないからです。この高尾の里についても同様です。ここを使う市民のニーズを市民の目線で検討していかなければならないし、ここを整備することによって何を提供するかといった具体的な構想がなければなりません。ここは、高尾自然科学博物館が展開してきたと同程度の博物館機能というのがその前提なのですから、高尾をこよなく愛する市民の参画とともに、高尾に関する自然系市民団体や学識者を入れた設計を担う建設委員会のようなものを立ち上げ、そこで検討すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。 もう既に業者がつくった設計図ができ上がっているのでしょうか。以前視察で伺った近江八幡市では、斎場建設を市民本位でつくり上げ、予算も大幅に削減、満足のいくものをつくり上げています。このように計画、設計の段階から市民協働でつくり上げていくことこそが市民協働に欠かせないプロセスと考えます。 あわせて市民協働は市の施策の大きな柱です。しかし、その進め方は各担当に任されているところです。この高尾の里の場合、先ほども指摘したように、検討委員会に自然科学系の学識者がいない。自然科学系の市民の声が少ない。また、地元代表が多過ぎるのではないか。こういったことも指摘されています。そこで、参加の手法として、政策審議室などで客観的にメンバーの選考が目的に合っていたのかどうか、市民公募の参加状況、発言機会などを適切にチェックしながら、より目的に合った参加の手法の実践を積み重ねていく。さらにそういった検討、経験を全庁的に共有していくといった作業が必要と考えられます。政策審議室としては、この点をどのように考えていらっしゃるのかお答えいただきたいと思います。 というのも、高尾の整備だけではなく、市は今多くの市民との協働の事業を行っています。市民のニーズにこたえる施設計画として、戸吹総合スポーツ公園の整備も進んでいるところです。これは、今回補正予算での議案となっているので委員会審査になるのですが、大もとの計画が公表されていない。市民ニーズの把握がなされていない。意見は聞くけれども、決めるのは行政といった行政サイドでの計画が進んでいるように見受けられるからです。政策審議室が市全体としての市民参画の方向性を折々でチェックをしながらかかわることは必要だと考えています。 2回目の最後として、八王子の城跡についてです。 先ほどの部長の答弁においては、この間、さまざまな質問等あったものを整理してそれから報告するということで、まだ何ら相武国道に5月の段階での申し入れのその結果、その報告についての打診をしていない、そういうことになっています。それでは困ります。今すぐにでも、本当にすぐにでも相武国道に、どのようになっているのか、3点の申し入れ、それについての報告と、そして、いつまでに回答をしていただく、いつまでに報告をいただく、その期日をも明記して問い合わせをしていただきたいと思います。 また、市長には御答弁をいただきありがとうございました。将来的に安定する、八王子城跡の御主殿の滝がれはトンネル工事の影響である、そして、一時はかれたけれども、止水構造が完成すればもとに戻る。そのような御答弁で、そして見守っていく。そのような御答弁でありました。ということは、高尾山トンネルの工事進行に伴って、琵琶滝、蛇滝がかれる。そのようなことも市長は考えておられるのでしょうか。そして、かれても大丈夫、もとに戻るというふうに認識していらっしゃるのでしょうか。この点、高尾を守る市長としての発言としては私は不適切であるのではないかと思います。 また、圏央道の開通という国家事業の推進が八王子の発展のために必要な事業ということはある意味理解はしますが、私は違います。同時に、市民の財産でもある高尾山を守る責任もあるわけです。高尾を守る。三つ星格付の影響もあるのでしょうが、おとといも、12月だというのに、高尾は大変にぎわっていました。そこで、市として、国交省からの報告をまつだけではなくきちんとしたデータを集めて、市民団体と一緒に総合的に監視していくことが必要です。榎窪川の水がれや高尾トンネル付近での沢がれなども確認されているのですから、独自の調査が必要です。教育委員会は、国史跡の保全ということで、今相武国道に対してもきちんと申し入れを行う、そのような行動を起こしています。圏央道工事に関する環境変化、特に高尾山の保全は八王子全体として取り組むことであるわけです。そこで、ぜひ監視体制、調査プロジェクトを市の中にもつくっていくことが必要と思いますし、これをぜひ要望いたします。 これで2回目の質問を終わります。 ◎【小林信夫副議長】 こども家庭部長。 ◎【坂本誠こども家庭部長】 それでは、ひとり親家庭への支援に関しまして、まず母子自立支援員によります支援体制に関してお答えいたします。 平成18年度末に、婦人相談員と母子自立支援員を兼任しておりました都の併任職員の引き揚げに伴いまして、本年4月から正規職員を1人、嘱託職員を2人の相談体制を充実させました。3名体制になったことによりまして、電話や窓口での相談に迅速に対応できるようになりました。また、母子福祉資金の貸し付けも円滑に実施できている状況にございます。今後も研修の充実などによりまして十分な対応をしてまいります。 また、就労支援についてですけれども、福祉事務所の担当コーディネーターとの連携を行いまして、実効性のある取り組みをしてまいりたいというふうに考えております。 それから、自立支援教育訓練給付金の支給割合に関してですけれども、市が実施しております自立支援教育訓練給付金事業は、雇用保険での教育訓練給付金事業を補完するものというふうに考えておりますので、この制度同様の率としております。給付金の支給割合を市が独自に引き上げるということは考えておりません。 それから、保育園の優先入所についてですが、母子家庭等の児童の保育園の入所選考の際には、母子及び寡婦福祉法に定められております配慮義務によりまして対応しているところです。また、学童保育所入所の際にも一定の配慮を行うことといたしております。母子世帯等の就労支援という観点から、さらなる取り組みが必要とあらば検討してまいりたいというふうに考えております。 それから、住宅の確保のための有効な手法ということですが、公営住宅への入居希望者が多いことは承知をいたしております。入居募集に当たりましては、優先枠を設けたり、あるいは当選率を上げるなどの優遇措置が現在行われておりますが、入居希望者が多数いる中で、即効性のある住宅確保策の手だてを講じるというのはなかなか困難な状況にあるというふうに認識をいたしております。 それから、児童扶養手当の現況届、これの提出方法についてですけれども、厚生労働省の指導もございまして、毎年市の窓口へ直接出していただくというふうにしております。これにつきましては、お話がございましたように、お仕事をお持ちの方々から、不便だとの御指摘をいただいております。現在、提出期間中に日曜日1日を本庁で受付をしておりますけれども、来年度の現況届の提出時には、日曜日のこの受付窓口を他にもふやす方向で今考えているところでございます。 ◎【小林信夫副議長】 教育指導担当参事。 ◎【由井良昌教育指導担当参事】 学校における人材に関する御質問にお答えいたします。 まず第1点が、学校に入る人材がふえることで混乱するようなことはないのかということでございますが、多くの方々が、学校の教育に御協力いただいてたくさんの方が入ることが、これは望ましいことであるというふうに思っております。ですから、逆にそれが混乱というふうになるということは考えておりません。ただし、現在のこのボランティアの方々が市内のそれぞれの学校に広域的にコーディネートされているかというと、まだまだそういう意味では不十分な面もございますので、そういう意味では、全学校を対象としたボランティア活動のコーディネーター、これを育成するとともに、教育支援人材バンク、これをより充実させていきたいというふうに考えております。 次に、アシスタントティーチャーの関係でございますけれども、なぜふやさないのか、あるいは配置基準や目的というお話でございました。現在も都費の加配教員はほとんどの学校に入っておりまして、少人数等の指導の工夫を行っております。本市のアシスタントティーチャーは、児童、生徒の学力向上に資するために配置するという目的で行っております。ですので、各学校の学力に関する分析や活用計画を精査して、成果が期待できる学校を中心に現在配置しているところでございます。 最後に、専門家である教員が教育を行っていくのが重要である。そして、ボランティアに何を期待するのかというお話でございました。もちろん、教員は教科の専門性を持っております。そして、子どもの理解ですとか授業規律、こういうことを身につけておりますが、先ほど申し上げましたように、子どもの教育に関してたくさんの方が携わってくださるということは非常に望ましいことだと思います。また、補習等でつまずいている子どもを目の前にしていて、そういう子が大勢いるときに、なかなか教員1人で対応できないという現状があると思います。そういう際に、教員であるならば、当然ボランティア等の力をおかりして解決していくということも考えられるのではないかというふうに思っております。 ◎【小林信夫副議長】 総合政策部長。 ◎【原島一総合政策部長】 市民意見の反映についてのお尋ねをいただきました。市民の視点に立った市政運営が本市市政の基本でございます。各所管部の責任と判断のもとで事業ごとに適切な時期あるいは方法により市民の意向を反映する努力を行っているというふうに考えております。 それからもう一つ、それぞれの所管が事業実施を通じて得たノウハウや反省材料、これが他の所管や将来の事業に生かされていくことは必要なことだと考えております。その検証や情報共有の方法については、今後検討していきたいと考えております。 ◎【小林信夫副議長】 第10番、陣内泰子議員。 ◎【10番陣内泰子議員】 種々御答弁いただきました。 ここに「現代の貧困」という本があります。これは、日本女子大学教授の岩田正美さんが書かれたものなんですが、この中に貧困の問題とは、家がない、職がないなど、社会的に不利な人たち、この人たちがその状態にとめ置かれ、そして、固定され、さらに貧困への抵抗力をなくしていくことだというふうに分析しています。このことを考えるならば、シングルマザーへの自立支援とは不利な状態からの早急な脱出であり、二重三重の支援を必要とするゆえんと考えるわけです。保育園の入所、就業支援、職を求める、職が必要なのだという観点でぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。 また、住宅についても、状況は大変難しいのは理解いたしますが、やはりさまざまな支援が必要であるということをぜひ御理解いただいての御検討をお願いしたいと思います。 そしてまた、このように貧困からの抵抗力をなくしていくということは、社会関係から孤立していくということも意味しているわけなので、それへの防波堤として、当事者同士の自助グループの育成やピアカウンセリングなどの当事者間での相談などの実施もぜひ必要と考えます。今回の計画策定に当たって、当事者団体と意見交換をしながらまとめていったということで、この姿勢は今後のこの事業評価においても必要であることから、ぜひこういった当事者団体、つまり、自助グループの支援と育成に努めていただきたいと思いますが、この点についてのお考えをお伺いいたします。 そして、学校の人材に関してです。 今お話を聞くと、基礎学力補充はボランティアで、学力の向上が認められる、成果が上がる指導は教員資格があるアシスタントティーチャーで、こういった差別が今学校の現場、公教育の現場の中に入ってきている、そういうふうに感じます。それが事実なのでしょうか。とても残念です。基礎学力をつける、そこにこそ手厚い指導が必要であり、きちんとした教育の専門家が必要なのではないでしょうか。教育におけるマンパワーの充実を折があるごとに訴えてきていますが、教育長はその必要を認めつつも、常にそのマンパワーがボランティア志向になっていることは否めません。 もちろん、学校は、先ほども多くのボランティアに支えられることは望ましいこととの御答弁がありましたが、そういった多くの方に支えられているということは十分理解しております。しかし、教育の質の確保と継続性、責任を考えるならば、その人材確保は適切な経済的裏づけと資格あるいは研修、トレーニング、そういうものを受けた人であることは当然ではないでしょうか。学校が学校たるゆえんとしての専門性の確保を踏まえながらのこれからのマンパワーの確保に御尽力いただきたいと思いますが、その御決意をぜひ教育長にお聞かせいただきたいと思います。 次に、最後に市長にお伺いいたします。市長にはぜひ教育の現場がどうなっているかの理解と、子どもの夢を育てられるような教育への御理解をお示しいただき、教育予算の拡充、つまり、人的配置の予算の拡充をお願いするわけです。先週、他の議員からも、八王子の教育予算が他市との比較で少ないという指摘に答えられ、市長は、簡単には比較できない、何をするかが問題だと答弁されました。しかし、教育の公平性から言って、大きくそこに乖離があるのはやはり問題です。 ちなみに、先日、教育委員会で配付された多摩地区の自治体の教育予算比較の資料を見ると、一般会計のうちの教育費の割合が一番高いのが多摩市で19.4%、八王子は12.5%です。また、児童、生徒1人当たりの教育費は多摩市の半分弱、一般財源からの1人当たりの教育費の支出を多摩市の給食費20億円を差し引いてもなお15万円も少ないという状況です。これでいいのでしょうか。 そして、お聞きになりたくないかもしれませんが、今八王子でできていることではなく、できていないことをあえて指摘し改めて教育予算枠の拡充に関するお考えをお聞かせください。実は、大変な交通事故で半年余りの入院を余儀なくされた子どもがやっと退院、学校へ通いたいのだが、医者からの学校生活上の危険から、サポーターをつけるとの指示が出ているのです。学校長をはじめ教育委員会の努力の中で、何とかそのサポーターの派遣が可能となったのですが、残念ながら週2日はボランティアの対応とせざるを得ないということです。これでは子どもの学校へ通う権利もなくなってしまいます。こういったことは今が初めてではありません。他にもあるわけです。こういうことが今八王子の教育で起こっている。これは恥ずかしいことではないでしょうか。ぜひお考えをお聞かせください。 また、障害があるゆえに学校生活をサポートして保護者が付き添っているというケースもあります。不登校の子どもには高尾山学園という居場所が提供されているのですが、こういった学校へ通うことさえも困難な状況がまだあるという事実、これを踏まえて、この問題は教育内容以前の問題ですが、人的支援の拡充という観点から、ぜひ教育予算へのお考えをお聞かせいただきたいと思います。これで終わります。 ◎【小林信夫副議長】 こども家庭部長。 ◎【坂本誠こども家庭部長】 母子世帯の自助グループへの支援ということでございました。同じ立場に立った母子家庭の母親同士による相談ですとかカウンセリングの実施につきまして、本市には地区母子会が1団体ございますので、その団体と相談をしてみたいというふうに思っております。 ◎【小林信夫副議長】 石川教育長。 ◎【石川和昭教育長】 人的支援強化のために教育費の大幅な増額が必要なのではないか、その獲得に向けての決意をということでございます。教育は人なりという言葉があります。この言葉を持ち出すまでもなく、教育環境の中での人的環境というのは極めて大事であると認識をしております。しかし、予算は限られております。その限られた予算の中で質の高い指導者の確保とその育成に極力努めてまいりたいと思います。また、教育支援人材バンクの充実にも努め、専門性を有するさまざまな分野の方から、教育活動充実の支援をいただけるよう尽力してまいりたいと思います。 ◎【小林信夫副議長】 黒須市長。 ◎【黒須隆一市長】 教育費の割合を多くしなさい、こういう趣旨ですね。私は首長としては教育には大変高い関心を持っている1人だというふうに思っております。また、そういう取り組みをしてきたつもりでございまして、今教員の増員をという声はあります。子どもが少なくなっているにもかかわらず、教育の範囲とか内容が複雑になり、広範になっているというようなことから、教員の増員ということを文科省も今一生懸命取り組んでいるわけですけれども、多分難しいのではないかなと私は思います。そうあってほしいとは思いますけれども、まず財務省は認めないんじゃないかというふうに私は心配を実はいたしております。 ただ、同時に、教員の質が低下をしているということも再三指摘をされているわけです。ですから、そういう厳しい声もあるということ、それから、教員だけでは、これは賄い切れないというのも事実でございまして、熱意のある人材を登用する。そして、外部委託で教員の負担を軽減をしていこうという試みもあるわけでございまして、そういう点については私もきんとした理解をしておりますので、必要なものにはきちんと予算措置をしていく、こういうつもりで今後とも配慮を持って予算を組んでいく、こういうことでございます。 <ページトップへ> |