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2007年第3回定例議会(第4日目)  一般質問(2007/09/13)
<要旨>
1.医療制度改革の影響 ― 何が変わる?どう変わる? ―
(1) 負担について
(2) サービスについて 
(3) 市民の健康と生活を守るために 
2.地域サービスのあり方について
(1) 今後の方向性
(2) 合意形成の必要性とその手法 
3.学校図書館の意義を改めて問う! 
4.JR八王子駅南口再開発GO!への合意形成は整ったのか?
◎【10番陣内泰子議員】 それでは、通告に従いまして一般質問を行います。
 まず、医療制度改革の影響──何が変わる?どう変わる?、これについてお伺いいたします。
 2005 年、小泉政権のときに閣議決定された医療制度改革大綱に沿って、高齢者の医療費負担増が進んでいるところです。来年4月から、75歳以上の高齢者と65歳以上の一定の障害者だけを集めた新たな高齢者の医療制度、後期高齢者医療制度が始まります。老人保健法を改めて、昨年6月に成立した「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づくもので、その第1条の目的には医療費の適正化が明記されています。医療の確保と言いつつも、要するに医療費の抑制、適正化がまず優先される制度です。
 この議会においても、既に他の議員から一般質問が行われ、私で3人目になります。事の重大さが大分見えてきました。もう既に質問等で明らかになったことへの言及は極力避けるつもりではありますが、若干のダブりについては御容赦いただきたいと思います。
 この後期高齢者医療制度とは、75歳以上の人全員を強制的に年齢だけでくくったものです。会社勤めの子どもと同居をし、その扶養家族になっていた高齢者、今まで国民健康保険等に入っていません。扶養者でした。しかし75歳以上であれば、このような方も加入しなければなりません。何しろ保険料を払わなければならない人が圧倒的にふえるのです。
 そして、負担についてです。保険料については、現在の国保料負担よりも高くなるということは必須であり、他の議員の質問において、場合によっては10万円増もあり得るということが示されました。市長も副市長も、高い、課題ありだという認識を示され、財源確保に努めるとの答弁がありました。今後に期待しますが、それにしても、大変厳しいものです。この保険料に関してはこのように高額であると同時に、2年ごとに見直され、その料率においても、2015年には10.8%と料率さえも変わるということが試算されています。介護保険において、この5年の間に、介護保険料、同じ10%でありながらも、どんどんふえてきている。そのことを考えれば、この医療費の料率の変化、そして、患者負担が10%、保険料が10%ということの影響ははかり知れないものがあります。
 窓口の負担です。一律1割負担、そして、現役並み所得のある人は3割です。全生涯で使う医療費の総額は約2,200万円、その49%を70歳以上で使うという厚生労働省のデータが示すように、高齢になるつれ、医療にかかる頻度はふえます。受診頻度も、現役世代の2.7倍とも言われています。こういったことが必要な医療を抑制するということになりかねません。
 また、高額医療費の限度額も引き上がっています。この影響を八王子の実態で見ると次のようになります。まずその対象者ですが、4万2,000人余りと言われています。また、ひとり暮らし高齢者8,414人のうち、75歳以上の方は何と半分以上、4,657人もいらっしゃいます。そんな中で、年金収入250万円の高齢夫婦、この方の場合を例にとると、まず国保税に変わって後期高齢者医療負担、これを先ほどの試算で言って7%アップと仮定した場合に、何と年間15万円の負担になります。そしてまた、基礎年金しかない妻の負担、これは1万800円、介護保険料は2人合わせて11万6,300円払わなければなりません。また、住民税と所得税の税源移譲もあり、5万8,800円、これが税金です。何と合わせると33万6,000円余りになり、社会保険料と税負担が重くのしかかります。つまり、手元に 200万円ちょっとしか残らないのです。つまり、月平均18万円余りです。
 この高齢夫婦が医療にかかると、窓口負担の高齢医療費の世帯限度額は月4万4,000円、そして、介護保険も利用するとなると、平均1万円ぐらいの出費で抑えて、2人2万円出ていきます。要認定者1万6,000人のうち、 75歳以上の要介護認定者は何と1万3,000人もいるんです。介護度もまた高くなっていることを考えるならば、この介護の負担割合も大きくのしかかります。
 また、どちらかが療養型病床に入院すれば、食費とホテルコスト、これは18年10月、前倒しになって自己負担になりました。そして、1割負担の医療費を合計するならば、最低9万4,000円かかります。もちろん、これでは済まないのはだれもがわかっていることです。
 このように一たび病気になれば生活が立ち行かなくなり、また、入院までに至らなくても、住居費や食費などの生活費、その2人の生活を10万円以内の中で何とかやりくりしなければならない。これが現状です。そして、収入がふえる当てはありません。減るだけが見えています。そのような中で、常に病気になったらどうしようという不安を抱えながら暮らさなければならない。これが本当に一生懸命今まで働いてきて、そして、生きてきた高齢者のたどり着く姿かと思うと、本当に悲しくなります。
 他の議員の質問に答えて、副市長は、後期高齢者医療制度について医療の確保のために応分の負担をしていくとお答えになりました。応分の負担とは、若年者と高齢者、その公平性の中から、高齢者にも負担をしていただく、そう理解しました。でも、その結果がこういった高齢者の生活です。これが応分の負担と言えるのでしょうか。改めて応分の負担の妥当性について御説明いただきたいと思います。
 実際の後期高齢者の生活実態は、先ほど4万2,000人の75歳以上の対象者、そのうちの男性は38%、女性は62%となっています。女性が多いんです。そして、女性は年金も少ない。そんな中で、大変厳しい生活を余儀なくされているのが実態です。
 次に、支払い方法についてです。支払いについて、一律年金からの天引きという形で、年金から引かれない人については窓口から徴収、そして、払えない人に対しての資格証の発行停止については、明確な御答弁が今までの議論の中でありませんでした。しかし、介護保険料の普通徴収の場合、年収80万円以下の第2段階では、徴収率83.9%、これは年々下がっています。そして、その次の第3段階で82.9%、このように年金から払えないから窓口徴収になるわけですが、その実態はとても厳しい。そして、深刻です。資格証の発行の禁止はきちんと明記すべきだと思います。医療、介護の両方からのサポートがあって、初めて成り立つ高齢者の生活です。どちらからも外れないような対応をお願いしたいと思います。
 次に、サービスについてです。年金生活者がほとんどである75歳以上の高齢者だけに特化した医療制度であるため、高齢者がふえれば総医療費が増大することはだれの目にも明らかです。しかし、そうそう保険料を上げるわけにもいかないとなると、総医療費をどう縮減するか、これがこの制度の大きな課題でもあるわけです。
 国は、高齢者医療制度用の医療診療報酬を一般の診療報酬と別立てにすると言っています。つまり、その心身の特性にふさわしい医療報酬、それを考えているわけで、これは先ほども指摘があったように、患者ごと、病気ごとに包括、定額制になる医療報酬体系が検討されていると言われています。今たたき台が示されたところであり、その具体的な中身は示されていないところですが、このような定額制、まさに差別医療につながるもとです。
 また、人によって心身の状態というのは個体差があり、一概に年齢で区切ることができないにもかかわらず、75歳以上ということだけで、これまで他の今までの人とは違う、今までの診療とは違う新たな診療体系の中に組み入れられる。これではたまったものではありません。このことに関しては、国の法律の附帯決議にも示されているように、広く国民的な議論に供した上で策定するとされているように、利用者の声を反映した広く国民の議論ができるようきちんとした情報公開を行っていってもらいたいと思います。
 さらに 75歳以上の高齢者に関して、健診の問題が出ていました。基礎健診、今八王子でもやっているわけですが、その基礎健診の受診者は、男性約7,000人、女性は1万人余りの方がこの基礎健診を受けています。それが努力義務、そのようになったわけで、それに対しては、これも先ほどの質疑で明らかになったことですが、東京都の広域連合では実施の方向ということが示されました。しかしながら、その費用はどうなるのでしょうか。無料が維持されるのか、内容はどうなるのか、それについてお伺いしたいと思います。お答えください。
 そして、この健診、今までやってきました。一般会計から支出している基本健診への一般会計の支出は9億円余りになっているわけです。75歳以上の方々の健診に相当している金額、大体22%程度というふうになっているんですが、これの使い道、これからの使途はどうなるのでしょうか。一般会計の中に紛れ込んでしまうのか、心配をしているところです。
 次に、地域サービスのあり方についてです。
 このテーマに関しても、2回目の議会において、他の議員の質問で、検討委員会の議論や目的、そして問題点、課題などがとてもわかりやすく整理されて示されました。なので、私の質問は1点、これからどうする、これになります。
 その前に、先日の議論を整理しますと、まず1番、地域サービスのあり方検討会で議論されているのは、地域に必要なサービス、特に少子・高齢化に対応するような事務や相談が、地方分権の考えから、地域で取り扱うことが適切という合意がほぼできており、これは行政の方針でもある。これが確認されたかと思います。しかし、その中には福祉事務的な機能は入っていない。また、地域割としては、ゆめおりプランの6地域を踏襲する方針が明確となっているところです。しかしながら、庁内検討委員会でも、地域自治組織の基礎単位としては、規模的にの検討が必要という意見もあるということです。
 つまり、6つの地域で自治の推進並びにサービスの充実ということに加えて、さらに6つの地域の中をどう行政サービスの提供体制をつくっていくかということはこれからの議論であるということです。というのも、検討会の議論はほとんどがサービスの範囲の議論でした。提供体制については、この検討会の議論ではないといった意見も出されているところです。しかしながら、諮問されていることにはこたえていかなければならないという強い委員長の意向もありました。
 事務所の統廃合で、サービスの低下を招かせないと言われているのですが、証明事務は郵便局や交付機で、申請書等は地域総合事務所でという提供体制では、サービスの低下になることも示されました。この点に関しては、この痛みを受け入れられるかどうかということは、まさに地域での検討ではないかと私は考えます。その意味で、由木事務所、由木東事務所管内から出されている存続要望は重く受けとめなければならない、そのように考えます。
 また、検討委員がそれぞれ住んでいる地域にも偏りがあり、地域を代表しているわけではないということも明らかになりました。提供体制を絞り込むには、当然無理があります。そこで確認されていることは、交通網へのアクセス、地理的条件、歴史的背景などを勘案しなければならず、つまり、そのようなことは事務所の存続に関しては検討委員会で結論を出せるものではなく、方向性だけが出せるのだという認識が示されたところです。そしてまた、重要なこととして、事務所の増改築などのハード設備や人員体制、またその費用などについては、この検討会では議論されていないところです。このようにまとめてみたわけですが、これについて、まず大きな認識の違いがないかどうか、まず確認をしてみたいと思います。
 そして、今後のスケジュールに関してですが、提言を受けた後、市の方針を出して、市民の声を聞くために、パブリックコメントを行うとされています。しかし、提言では、今まで見てきたように限界があり、具体的な提供体制については言及できないわけですから、それを無視して市の方針を出すならば、それは上からの押しつけとなります。
 そして、地域をどうするのかということは、協働を含む視点もあるわけなのですから、まさに地域住民の合意なくしては進められません。この意味で、この問題に関してパブリックコメントはなじまないと言えるわけです。恩方に住む人が、自分の環境や経験からよしとすることであっても、他の地域、例えばみなみ野に住む人にとっては反対の意見、そのようなことだってあるわけです。だから、一般論では語れません。
 また、議会との意見交換でも、住民合意が前提であるとの意見も聞かれました。議員は市民の代表であるかもしれませんが、地域割代表ではありません。このことから、市の方針を出すためにも、その前に、提言が出た後、地域住民との討議が前提と思われます。これについてお考えをお示しください。
 私は、これ以上新しい事務所をつくることには反対です。そして、地域に密着したサービスはできるだけ身近で行うにこしたことはないし、こういった議論がなされるのが遅過ぎたぐらいと思っています。だから、この検討会で提言される地域サービスの範囲、その提供のあり方、そして、地域における行政との協働体制について、まさにそれぞれの地域の中で、今ある社会資源を洗い出し、限られた予算の中で、どこで何をどうやってだれが行うのか、この議論をすることがまさに地方分権、住民自治のスタートにふさわしい議論と思っています。以前、総合政策部長は、地域ごとの配分予算ということにも言及されました。将来的には、地域ごとの予算を持つことも視野に入れるのであるならば、なおのことスタートが肝心です。
 代表制民主主義の原則で言えば、選挙で選ばれた議員で構成される議会が唯一の議決機関であることはだれもが認めることです。しかし、討議の場というのは議会だけとは限りません。今回のような検討委員会もそうですし、もっと多様な討議の仕組みがあってしかるべきではないでしょうか。篠原一教授は、「市民の政治学」という著書の中で、ツー・トラック制民主主義ということを提唱しています。その中では、ドイツのプラヌンクスツェレという討議による合意手法を紹介し、そのことをきっかけとして、東京青年会議所を中心に千代田区や三鷹市、多摩市などで、討議方式による合意形成が実験的に行われてきているところです。
 簡単にその手法を御紹介すると、無作為の市民が有償で公共的課題を討議し、メンバーを固定しないで小グループ、5人単位です。小グループでの討議を重ね、意見の変化、合意形成に至る、こういう経過をたどります。私も先日、多摩市で図書館のあり方を検討するこの討議会を傍聴してまいりましたが、熱心に議論をされていました。ぜひ八王子でもこういった合意形成の手法について研究を進めていただきたいと思いますし、そして、今回の住民合意、地域サービスについて、また事務所についての住民合意の手法として実験的に取り組んでいただきたいと思うのですが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、学校図書館についてお伺いいたします。議員になっていろいろな機会があるごとに学校図書館の充実、とりわけ司書の配置の必要については訴えてまいりました。6月議会においても、他の議員から、図書館司書の配置を要望する質問があったのですが、読書指導員を充実させていくというお答えでした。もちろん、学校図書館の意義として、児童生徒の読書指導という役割は大きいとはいえ、それだけではありません。
 そこで、改めて学校図書館の意義について、どのような認識を持っていられるのかお答えいただきたいと思います。
 そして、これまでも司書の配置については考えていない、司書教諭で対応するという答弁を繰り返してこられました。確かに数的にはかなり司書教諭が配置されているところですが、6月の議会でも、他の議員の質問で明らかになったように、多くの問題を抱えています。時間が足りない、クラス担任や教科担当を持っている中で、図書指導が十分生かされていない。それは教育委員会も承知していることと思います。そのような中で、この司書教諭、指導の余裕がない、スキルの不足がある、こういった問題に対してはどう対処されているのでしょうか。  そしてまた、読書指導員に対しては、今後も拡大の方向ということが示されているわけですが、読書指導員はボランティアの力によるものです。朝読書の時間での読み聞かせや本の整理など、多くの努力によって支えられているわけですが、やはりボランティアということで限界や悩みもあると聞いています。こういった読書指導員が抱えている問題点をどのように認識されているのか、また、その対応を現在どのようにされているのかお聞かせください。
 そして、また予算的には、学校図書館へのサポートはどうなっているのでしょうか。図書費としての配分予算、そして、環境整備としてのデータベース化など、どのように進んでいるのかお伺いいたします。これで1回目の質問を終わります。
◎【高木順一議長】 高齢者・障害者担当部長。
◎【橋本辰夫高齢者・障害者担当部長】 高齢者医療制度につきまして、4点ばかり質問いただきました。初めに、応分の負担ということでございます。
 高齢者の医療費が非常に増大をしておるということの中から、世代間の公平性、そして、制度の安定性を図るため、介護保険と同様に10%の負担を求めたところでございます。
 2つ目に、支払い方法等でございます。基本的には年金の方からの特別徴収を考えております。年金の金額等が低い方につきましては、普通徴収というふうな形でございます。そのほかに、低所得者の方につきましては、均等割分につきまして7割あるいは5割、あるいは2割というふうな減額を考えてございます。
 3点目に、診療報酬のところでございます。社会保障審議会から示された診療報酬体系の骨子案によりますと、在宅医療の推進や長期入院の是正、あるいは頻回受診、入院、重複投薬の防止等の取り組みを求めておりまして、それぞれ診療報酬の評価として検討すべき考え方が示されております。
 4番目に、健診についてでございます。後期高齢者の健診は広域連合の努力義務とされておりますが、後期高齢者の健康を保持し増進し、医療費の適正につなげるため実施する方向で検討しております。また、なるべく高齢者に負担がかからないように、広域連合等と協議して、負担についての検討を進めてまいります。
◎【高木順一議長】 総合政策部長。
◎【原島一総合政策部長】 地域サービスのあり方についての御質問をいただきました。
 まず、先日の議論の整理ということで御披露いただきましたけれども、端的に申し上げれば、先日他の議員の御質問にお答えしたとおりというふうにしか言いようがないんですが、一部御質問者の判断が加えられてお話しされていますので、その部分を除いてはおおむねそのとおりというふうに考えております。
 それから次に、地域の意見を聞くことが重要という考え方は、基本的に私の方としては考えております。ただ、その方法につきましては、今あわせて御紹介をいただきました手法、これも承知しておりますけれども、現在ではパブリックコメントということで予定はしておりますが、その手法そのものにつきましては、今後決定をしてまいりたいと思っています。
◎【高木順一議長】 教育指導担当参事。
◎【由井良昌教育指導担当参事】 学校図書館に関しまして4点ほど御質問をちょうだいしました。
 まず、学校図書館の意義についてでございますけれども、学校図書館は、読書活動を通して知識や見聞を広げ、豊かな心の育成を図る場であるとともに、児童生徒がみずから進んで情報を収集、選択し、活用する能力を育てる場であると認識しております。また、児童生徒の心の安定が図られる場でもあるというふうに考えてございます。
 次に、司書教諭の資質向上という点でございますけれども、学校図書館を充実させるために司書教諭の資質向上は極めて重要であるというふうに考えております。そこで、今年度から司書教諭対象の研修会を実施し、学校図書館指導計画の作成、計画的な図書購入、図書館の蔵書の整備などについて研修を深め、司書教諭としての専門性の向上を図ったところでございます。今後もこの研修会を一層充実させていきたいと考えております。
 次に、学校図書館読書指導員が抱える問題点の把握や対応という点でございますけれども、今年度から学校図書館読書指導員の研修会を2回から4回にふやしました。研修の充実を図るとともに、質疑応答や情報交換の場を確保するなどして、学校図書館読書指導員が抱える課題を把握しております。
 また、研修会の内容を司書教諭研修会の内容と関連づけることで、司書教諭と学校図書館読書指導員の連携強化を図っております。
 最後に、図書の整備あるいはデータベース化などの環境整備ということでございますが、各学校の図書購入については、学校配分予算の枠の中で、校長の裁量により決定されております。1校当たり平均40万円前後の予算を毎年確保している状況でございます。データベース化は、平成16年度から、小学校2校、中学校1校で実施されておりますが、導入費用が1校につき100万円、維持費が15万円程度かかるという財政面と、図書室に常駐する人員の確保の面から、以後導入が進んでいない状況でございます。
◎【高木順一議長】 第10番、陣内泰子議員。
                   〔10番議員登壇〕
◎【10番陣内泰子議員】 種々御答弁をいただきました。
 後期高齢者の医療制度に関して、高齢者の負担増、この応分の負担については、現実を見ていらっしゃらない、そのように思います。そして、今度、これからより具体的なことが決まっていくにつれ、当然対象者説明会を開かなければならないと思いますし、また、説明会を開いていく予定であるということも報告されているわけですが、その時点において、単に制度の説明にとどまらず、高齢者の生活実態など、対面等で把握をし、かつ、この制度の具体的な影響や不安の声などをしっかりと現場の方々に受けとめていただき、何が問題なのか、広域連合へとそれを届けていただきたいと思います。
 同時に、そのような現実を見なければ、市民の命を守る直接の自治体として何をしなければならないという方策も出てくるわけではありませんので、対応の検討も急いでやっていただきたいと思います。
 そして、診療報酬については、これも何ら具体的なものが見えていません。しかしながら、明らかにそれは国が試算をすると、窓口負担の高齢者の負担は1.1 兆円、その約10倍が後期高齢者の総医療費となるわけです。このようにこの枠を削減することがこの法律の目的であるならば、この枠を超えることはそうできません。ならば、今後ふえ続ける医療費に対して出てくるのは、高齢者の窓口負担1.1兆円、並びにそれに少し上乗せされるような、そういう負担可能な範囲での医療にならざるを得ない。つまり、予算が決まっている医療制度、これがこの後期高齢者制度、医療診療報酬の問題であり、まさにリスクの高い人だけを集めるという前例のない医療制度がもたらしている大きな矛盾であります。
 そしてまた、もう一点、この制度に関して言うならば、広域連合に入っている高齢者がたくさんいればいるほど、また、平均年齢が高ければ高いほど、この広域連合への負担が大きくなる。つまり、平均寿命が短い、高齢者が少ない広域連合の方が負担割合が少なくなるという、そういう結果をもたらします。これは一体何かというならば、高齢者に対して、医療にかかること、そして、病気になること、それの後ろめたさを植えつけることになり、また、世代間対立、つまり、リスクの高い高齢者の医療費を全国民で負担をするという、そのような仕組みと説明されているわけですが、まさにそれは高齢者、若い世代に対して、なぜこのようなことを払わなければならないのか、そういう世代対立を生むものにもなってきています。
 高齢の方々に、この医療制度の説明をすると、困ったという反応だけではなく、「医療費がどんどんふえるからね」という反応も返ってきます。まさに負担もしようがない、そう思わされているんです。これがまさに応分の負担、そのとおりになっています。でも、本当にそうなんでしょうか。日本の患者の窓口負担はOECD諸国の中でも高い割合を示し、国民医療費のGDP比で言っても、先進諸国の中で言えば7.9%、第10何位です。決して高くないのです。医療費がふえること、ある意味でしようがない、ある意味で当然、その中で高齢者の医療を考えなければならないと思っているわけです。
 応分の負担、それについても大変問題があります。補助に関しても、先ほどは担当部長の方からの説明でありました。まさにこの後期高齢者医療制度を実施するそのリーダーとして、副市長にこの問題についてさらに具体的に、そして問題点の把握も含め、応分の負担についての御説明をお願いしたいと思います。
 地域サービスのあり方についてです。これについては、おおむね私の主観が入っているというような御指摘もありましたが、このような形で整理されたと思います。そして、1点、パブリックコメント、それを検討していらっしゃる、また、それ以外の方法も十分検討する、そのような御答弁でした。これがそのまちづくりと新しい市民参加、このプラヌンクスツェレという手法に関しての本なんですが、この問題、これはまさに地域の問題なので、パブリックの問題ではない、それを踏まえて、パブリックコメントは適しないということを改めて指摘をしておきます。
 このプラヌンクスツェレ、これを紹介した本を書かれた篠藤別府大学教授は、「人間が本来持つ公共性や協働性、これへの信頼を取り戻すことが大切であり、そのような市民の力に裏打ちされた社会でなければ、観客民主主義の進行を食いとめることはできません」と語っています。地域討議、これは大変難しい、大変混乱が予想されるかもしれない。でも、私は市民を信じてほしい、市民の力を育てるサポートに徹していただきたいとお願いいたします。
 そして、学校図書館についてです。
 今御答弁をいただきました。幾つかの矛盾があるかと思います。情報収集、それをするのが学校図書館の大きな意義でもある。にもかかわらず、データベース化は費用の問題も含めてなかなか進んでいない。そのような御答弁でありました。先日、学校図書館にどんな人が必要か、そういった講演会に参加してまいりました。そのときの話では、学校図書館の機能とは、まず本が置かれている場所であるということ、次に、その本が動く。本が動くというのは、貸し出しされたり、子どもたちがそこに集まっているということです。そして、その次に読書センターとしての機能がある。これは、そこで学校図書館で本を読んだり、読み聞かせがなされたり、そういう読書の楽しみを味わえる場という機能です。
 しかし、常時学校図書館があいていない。こういった問題はあるにしても、読書指導員さんをはじめ多くのボランティアの方々、司書教諭の先生方の中で、ここまでの機能、これはある程度整備されつつあると言えます。問題は、これからなわけです。先ほども学校図書館の意義について、情報収集、情報センターという御答弁がありました。学校図書館法を見てみますと、その2条の「定義」のところには、学校図書館とは、学校教育に必要な資料を収集、整理、保存し、これを児童生徒及び教員の理解に供することによって、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童生徒の健全な教養を育成することを目的として設けられた学校の設備となっています。
 つまり、教育課程の展開に寄与すること、つまり、学校の授業の中に、どんな形でこの学校図書館、その利用が生かされるか、それが公共図書館と大きく異なる意義であるわけです。これが学習情報センター機能、そのようにこの講師の先生は話されていました。この機能はどうでしょうか。そしてまた、どういう人によって進められるのでしょうか。ぜひ御検討いただきたいと思います。
 つまり、情報センターといっても、このように学習にどう生かしていくのか。そしてまた、情報の洪水の中で子どもたちがおぼれないように、検索や情報の取捨選択など、きちんと指導できる水先案内人としての役目を務めるのが学校図書館に必要な人であり、それはきちんとレファレンス、そのようなものを学んできている、司書がそれに当たると思うわけです。司書教諭は、資格取得においてこのレファレンス、これを学んできていない。つまり、どう調べるかという指導において大きな問題があると言えます。
 そこで教育長にお伺いいたします。常日ごろ、教育にマンパワーが必要である、このことを認識されつつも、一番費用がかかるのが人件費であるということで、人材の充実においてはいつも頭を悩ませておられると思います。しかし、もう待ったなしです。子どもたちの疑問を明確にどう調べていったらいいのか、適切にサポートする人とそれにこたえられる環境があって、初めて子どもたちの考える力は養われていくと考えます。
 もちろん、その基礎には、本を読むことの楽しさがあってのことではありますが、先ほどお答えがあったように、情報センターとしての意義や居場所としての意義、そして、それを充実させるためにも、専任の司書あるいは専任の司書教諭のこのあわせた配置をぜひ来年度からでも実施していただきたい。この問題は、議事録を見てみるならば、その記録の残っている平成2年において既に指摘されている問題です。しかも、情報化の時代と言われ、その意義はより一層大きくなっているにもかかわらず、人材と予算がともに今の時代の要求に見合っていません。ぜひお考えをお聞かせください。
 そして、JR八王子再開発事業についてです。
 これは、前の議員の中でも、この問題についていろいろ出されました。この問題について議会でもさまざまに議論されている。そして、先日地区住民の説明会、これにも行ってまいりました。その中で、この期に及んでも、つまり、もう秋から着工するこの期に及んでも、地区住民の方からは、にぎわいの具体的な青写真がない、本当にこれで活性化するんですか、市はこのまちづくりを一体どうするんですか、そういった疑問が出されているわけです。これはまさに私の疑問とも同じです。
 それで、幾つか疑問、それを提起しながら、市長のこの市民会館、南口再開発事業、これについての御見解をお聞きしたいと思っております。
 まず、計画変更されている。それは、商業スペースが少なくなり、そして、住宅棟がふえている。そしてまた、商業スペースの中にはスーパーマーケット、それが多くを占めると説明されています。このようなことは、そのときには商業地区に関しては、今まで若者を呼び込む、そんな工夫、それが活性化になるんだ、そう説明されていましたが、このような変更、それが本当に活性化になっていくのか、まちづくりの観点になっているのか、まさにビルを建てること、それが優先されているとしか思えないのですが、どうなんでしょうか。
 そして、ミニ市役所についてなんですが、市長は、2期目の市長選において、このミニ市役所を公約として掲げられました。そして、それから駅前にミニ市役所という議論が議会等でも始まったわけですが、大きな混乱の中で、今地域総合事務所、そのように変わってきております。ということは、しかしながら、地域総合事務所、これはまだ何も決まっていることではありません。先ほどの地域のサービスあり方検討の中でも示されたように、今検討の課題であるわけです。ということになるならば、市長は、このミニ市役所構想、これを断念されたと理解してもよろしいのでしょうか、お伺いしたいと思っています。
 そしてまた、優先順位、先ほども市長は、再開発の成功、これは長年の夢であるとおっしゃっていました。しかしながら、何を根拠にそれをおっしゃるのか、その客観的なデータをぜひ示していただきたい。世論調査では、高齢者福祉が1位、都市再生はまさに25番目となっています。
 そしてまた、資金に関して、これもどんどん変わってきています。最初は112億円、そのように説明されています。しかしながら、この変更と同時に示された予算規模、市民会館だけでも100億円に膨らんでいる。市民駐輪場に3億5,000万円の負担、野猿街道への迂回道路の設置は6億円余り。これらはこの負担の中には入っていません。総額幾らになるかも示されていませんし、市財政への影響についても、今までいろいろな議員から質問があっても具体的な御答弁がない状態でここまで来ています。それでも強行されるのでしょうか。
 そして、事業主体、大林組を窓口とする特定業務代行、ここにサウスゲートプロジェクトに決まったということで、その問題についてはさきの議員から指摘がありました。大林組、まさに指名停止を受けている。そしてまた、今現在下水道談合において市からの損害賠償請求も受けている。その企業に対して契約が進むということ、それについては大きな疑問です。そしてまた、市がやる駅前広場、ここの担当、私は市がやるのかと思ったら、そうではない。組合がやるという説明がこの間の説明会でもありました。この点についてもお聞きしたいと思います。
 このように、まさに南口のまちづくりの青写真が見えない中、再開発ビルの成功のために、跡地利用も決まらない、市民会館建設、そしてまた、自治の拠点となる事務所の再編が議論でまだ決着がついていない中での前倒しの建設、また談合問題、そのような中でも、大きな疑問がたくさんあります。それでもなお、市長はこれを市民の長年の夢として、今この時期にゴーサインを出されるのでしょうか、御決意をお聞かせください。これで2回目の質問を終わります。
◎【高木順一議長】 南口再開発推進室長。
◎【中山恒夫南口再開発推進室長】 私の方からは、駅前広場の委託についての御質問をいただきましたので、この件について御答弁を申し上げます。
 南口再開発区域は、駅前広場も含め、都市計画に位置づけがされてございます。そんな中で、駅前広場の整備については基本的には組合の工事発注となりますが、整備費用については、国、都の補助金も含め、公共施設管理者である市が負担金として組合に支払うこととなっております。しかしながら、施行業者については、市の基準に準じた方式の指名競争入札を採用し、発注してまいりますが、当然発注時、ペナルティを科せられている業者は外してまいります。
◎【高木順一議長】 石川教育長。
                   〔教育長登壇〕
◎【石川和昭教育長】 学校図書館環境についてのお尋ねをいただきました。
 図書館環境整備の大切さ、とりわけ人的環境の充実の必要性は十分に認識をしております。今後とも人的予算の確保に努めるとともに、現在行っております中央図書館、関係諸機関、保護者、地域住民の方々とも連携協力し、学校図書館の充実に努めてまいります。
◎【高木順一議長】 岡部副市長。
                   〔副市長登壇〕
◎【岡部一邦副市長】 後期高齢者医療制度に関しまして、応分な負担をということの内容について、つまびらかにとのお尋ねがございました。本制度は、高齢者の医療に要する費用は国民全体が支えるといたしまして、高齢者御本人をはじめ、国、東京都、そして、広域連合傘下の各自治体、さらには現役世代にも支援金として御負担をいただく、そういう仕組みで成り立っているものでございます。高齢者御自身には直接御負担をいただく分、そして、現役世代にもその所得に応じて支援金を御負担いただく。そのほかの国、東京都、広域連合参加の各自治体からの経費につきましては、税金で賄うという部分であるわけでございますので、これを換言すれば、国民全体が支えるということになるだろうと思います。この仕組みにつきましては、国政レベルでもさまざまな議論が尽くされたわけでございますけれども、直接負担いただく分とあるいは税金で賄う分を均衡をとるということで、こういった内容に収れんされたのであろうというふうに考えております。
 現在、広域連合事務局におきまして、制度の実施に向けましてさまざま準備が進められているわけでございますが、先般示されました保険料設定試案につきましては、かねて御答弁申し上げておりますとおり、多くの課題があると考えておりますので、先日市長が答弁されましたように、調整交付金のあり方を含めまして、さまざまな方策を国及び東京都に働きかけをいたしまして、高齢者の負担を少しでも軽減するために、本市といたしましても努力をしていく所存でございます。
◎【高木順一議長】 黒須市長。
                    〔市長登壇〕
◎【黒須隆一市長】 10番、陣内泰子議員の私に対する質問にお答えをいたします。
 南口再開発事業についてお尋ねをいただきました。南口再開発事業は本市の長年の夢でありまして、関係地権者の全員の同意も得られました。いよいよ工事着工が現実のものとなってきたわけであります。長年の夢の根拠はということでありますけれども、これは一般的には、一日も早く南口を整備をしてほしいというのは多くの市民の期待だろうというふうに思っております。今のままで八王子の玄関口の1つがいいというふうにはどなたも思わないのではなかろうか。そういう中で、地権者がおられ、そして再開発事業が25年間にわたって研究をされ検討されてきたわけですから、ですから、ここで全員の地権者の合意も得られたということで着工する、こういうことでございます。
 にぎわいについては、これは南口だけではなくして、北口との連携によって中心市街地全体のにぎわいをどうつくっていくかというのは、私は大きな課題だろうというふうに思っております。そして、中心市街地の再生を図るということが、本市の都市経営という視点から見たときには大変重要なことなのではないか。また、市民の多くの方々からも期待をされているのではないかというふうに私は考えております。
 そして、同時に、駅前広場あるいは駐輪場、あるいは道路の整備、これを一体的にやって、初めて南口の整備ができるわけでございますから、これらは当然一緒に整備を進める。そして、22年秋の完成を目指して事業を鋭意進めていきたい、このように思っております。
◎【高木順一議長】 第10番、陣内泰子議員。
                   〔10番議員登壇〕
◎【10番陣内泰子議員】 それでは最後になりますが、今いただいた市長の答弁、市民の長年の夢であるということ、これは駅前広場、あそこを何とかしたい、あのままでいいとは本当にだれも思っていないと思います。でも、それにしては、市民の長年の夢であるにしては説明不足です。予算不足です。もう一回この点を踏まえてお聞きしたいと思います。
◎【高木順一議長】 黒須市長。
                    〔市長登壇〕
◎【黒須隆一市長】 長年の夢である割には説明不足だと、これはどこまで説明をすれば納得をしていただけるかというのは、これは難しい問題でありまして、どこまで説明しても、いや、私は理解できないという方もおられるわけでありますから、ですから、民主主義の世の中ですから、大方の皆さんの理解が得られれば、理解が得られたというふうに私は解釈をすべきだろう、これが正しいというふうに思っております。
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