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2007第2回定例議会(第3日目)  一般質問(2007/06/15)
<要旨>
1.廃プラスチックの処理について
 (1) 市民合意をどのように形成していくのか?
  ア.中間処理施設調査研究協議会のスタンス
  イ.安全性について
  ウ.費用対効果並びに情報公開について 
(2) プラスチックの発生抑制について
  ア.自治体レベルでできること―課題の整理とこれからの取り組み―
2.大丈夫?改正介護保険
 (1) 地域支援事業で何をするのか? 
 (2) 介護支援ボランティアとは 
  ア.厚労省通知について
 (3) 地域で安心して暮らし続けるために
3.保健所政令市としてなすべきこと 
 (1) 保健医療計画について
 (2) 広域保健所行政について
 (3) エイズ対策と性教育 
 (4) 市民の政策提案と市民参加
◎【10番陣内泰子議員】 無所属の陣内泰子です。通告に従って一般質問を行います。
 2期目スタートとしての初めての一般質問でありますので、市民が主役のまちづくり、市民協働といった観点から、3つのテーマを選んでの質問を行っていきます。
 ごみゼロ社会に向けてどうしていくのかということに関しては、2006年9月からのごみ収集有料化をはじめさまざまな努力がなされてきているところです。その成果あってのことですが、人口50万人以上の都市の中で、1人当たりのごみ排出量の少なさにおいてトップであり、また、リサイクル率においても1番であったと報告されています。多くの市民の方々の協力、並びに市職員をはじめとしたごみ減量の取り組みがこのように形になったと大変うれしく思っているところです。
 また、9日の環境フェスティバルにも多くの市民や関係者団体が参加され、大変大きな盛り上がりを見せていました。まさに環境問題、特にごみ問題の解決は市民との協働をどう進めていくかにかかっています。
 そこで、廃プラスチックの処理についてお伺いいたします。市では、この3月、ごみゼロ社会への挑戦と副題をつけ、循環型都市八王子プランを発表いたしました。これがごみ処理基本計画であるのですが、向こう10年間のプランです。プラスチックに関して言えば、マテリアルリサイクルとサーマルリサイクルの併用で資源化を行い、容器包装リサイクル法にのっとってのプラ品目の拡大をするとなっています。さらにプラ品目の拡大資源化への対応として、廃プラスチックの中間処理施設の建設も明記されています。
 この策定過程においては、6地区の環境市民会議の意見や、昨年5月15日の市報での意見募集、アンケート等で、市民意見が集められてきたところでもあるわけです。議会や環境市民会議等でもさまざま議論されてきての計画策定であったと認識しているのですが、十分にこれらの議論が、また意見が反映されていないのではと感じています。私個人としては、サーマルリサイクルをうたうことは、結果として、大量消費、大量廃棄を継続させてしまうと懸念をしているところです。
 環境審議会においても、廃プラスチックのサーマルリサイクルの拡大、その効率化や有害物質の発生についての指摘、またプラスチックの中間処理施設については、市民への十分な情報提供や環境配慮、安全の確保などについての市民合意を目指していくようにという意見も出されています。つまり、市がこの計画に沿ってまずやるべきことは、プラスチックの発生抑制に向けての取り組みと、そのような努力をしてもなお余り出るプラスチックの処理として、資源化の拡大と焼却という方法に転換すること、そして、そのためには中間処理施設の建設という課題をクリアしなければならない。そのために市民合意をどう形成していくのかということであると考えます。そのような折、先日廃プラスチックの中間処理施設建設の調査研究協議会が開催されました。
 そこでお尋ねします。この協議会の目的、役割、それをどのようにお考えでいるのでしょうか。
 また、進め方として、これまでの市民意見の反映や環境市民会議、また議会での議論、さまざまなところでの議論の積み上げなどの継承をどう反映させ、また、進めていくとお考えなのでしょうか。  マテリアルリサイクル並びにサーマルの併用という計画に集約されたとはいえ、さまざまな意見が出ていたところです。また、安全性についてはどのように考えていくのでしょうか。
 さらに、市民との合意を形成していくために、どのような情報公開をしていくのか。また、市民とのコミュニケーションを図るのにどのような手法をお考えなのかお聞かせください。
 一昨年、町田市の廃プラスチック中間処理施設をめぐって大きな市民の声が上がりました。その基本的な姿勢は、プラスチックの問題、ごみの問題は、私たちが出しているごみなのだから、「私たちを抜きにしないでください、一緒に考えましょう」というものでした。つまり、この協議会がその場であると考えてもよろしいのでしょうか。
 先日、町田のごみゼロ市民会議が主催する「どうするプラスチックごみ」という講演会に出席をしてまいりました。この会議は、まさに廃プラスチック中間処理施設を町田市が白紙撤回をした後に、市民とともにごみゼロ社会を考えるとの趣旨で呼びかけられ、できた市民会議です。プラスチックの処理について、まずプラスチックとは何なのかといったことの共通認識を持つために開かれたものと言えます。町田市長も参加しておられ、プラスチックの処理に関しての第一歩が始まったと言えます。
 講師の話は、プラスチックの焼却の安全性について、かなり専門性の高い話ではありました。よく言われているダイオキシンやカドミウム、鉛などの有害化学物質だけではなく、法的根拠のない有害化学物質、このことについては以前他の議員からも指摘されていたところですが、多量に出ているということ、排出されているということ、また、測定機能においても、日本の基準の緩さや測定方法の不備などもあわせて指摘されていたところです。そして、熱を加えることも、圧縮など力を加えることも、化学変化においては、速度の違いこそあれ、本質的には同じような変化を引き起こすと話をされていました。
 また、現在多摩のエコプラザ内での廃プラ圧縮中間処理施設建設をめぐって、川崎市のはるひ野地区、稲城市若葉台地区の住民から不安の声が寄せられていることは報道でも御存じのことと思います。まさにプラスチックは現在の処理困難物であると言えます。
 次に、介護保険についてです。
 まず、介護事業者の最大手であるコムスンが指定取り消し処分になったことは、介護保険の実施に当たり大きな問題を私たちに突きつけています。介護保険制度そのものの信頼性を著しく損なうものです。同時に、介護の現場で働く人たちが非常に不安定な状態で、継続就労ができなかったり、生活していくに足るだけの賃金が得られない状態でもあるといった側面も浮き彫りにさせました。質の高い介護を継続的に提供していける事業所、また、利用者としては、安心して暮らし続け利用できるサービス、この双方が満たされる仕組み、これは現在の給付費を抑制することを大きな目的としている今の介護保険の方向性からは見出せないと改めて感じた次第です。
 八王子においても、7事業所、約300名の方がコムスンのサービス利用をしていると聞いているところですが、これらの方々が不安にならぬよう、また、ふぐあいが生じないようなしっかりとしたフォローをお願いいたします。
 さて、今回の質問なんですが、昨年から実施されている改正介護保険の目玉でもある介護予防についてです。介護予防事業とは、改正によって新たに創設された地域支援事業の一部であり、その目的は、要介護状態になることを予防し、要介護状態等の軽減、もしくは悪化を防止するために必要な事業とされています。八王子市は、特定高齢者施策として、運動機能向上プログラムや栄養改善、通所デイサービス、配食サービスが実施されているところです。しかし、少子・高齢化対策特別委員会での報告によれば、この特定高齢者の把握は1.33%の539名、そして、そのうちの約10%弱の40名余りがプログラムに参加しているという実績でした。
 厚生省は、特定高齢者の数を高齢者人口の5%と見積もってこの事業の展開を進めているわけですが、八王子ばかりではなく、全国、特定高齢者探しで大変という状況を聞いています。そんなことから、特定高齢者をチェックする項目を5項目から3項目に減らすという変更がこの4月から行われました。そのときのパブコメを見てみますと、制度が始まったばかりの変更に戸惑いと、そして、多くの批判が寄せられていました。まさに、制度に現実を合わせようとしている。そういった逆転現象が起こっていると言えるわけです。
 私自身、2005年第4回の定例会で、この特定高齢者と一般高齢者を分けるやり方、それが高齢者の現実にそぐわず、必要なサービスが必要な人に届かないと指摘しました。そして、ひとりひとりの高齢者のニーズに沿ったサービスの提供を要望したところです。
 そこでお伺いいたします。市が独自にサービスを設定できるこの介護予防事業の取り組みですが、現在のサービス提供のあり方に対してはどのようなお考えで進めているのでしょうか。  また、特例高齢者認定のためのこのようなチェック項目の変更、これに対してのお考えもお聞かせください。
 また、一般高齢者施策としては、通常の介護予防教室に加えて、フィットネスクラブでのトレーニングマシンを使っての筋肉トレーニング教室が開かれています。介護保険事業に位置づけられていることから、その費用は介護保険の中から拠出されます。しかも、65歳以上の第1号保険者だけではなく、40歳以上の2号保険者の保険料もこれに充当され、給付費の1.5%以内を使ってもいいというようにされているわけです。つまり、必要な人から電動ベッドなどの利用を取り上げ、また、ホームヘルプサービスが1時間30分に短縮され、さらに同居がいる家族にはヘルパー派遣が原則禁止というような、このようなサービスの利用抑制がニーズを無視して行われているそのときに、フィットネスクラブの筋肉トレーニングに給付費から介護予防費として資金が支出されているわけです。  同居者がいるとはいえ、日中独居になる高齢者に配食サービスで安否確認を行ったり声かけを行い、また、買い物やふろ掃除などの家事援助をサポートする方が、ずっと転倒予防や生活の張りになると言えるのではないでしょうか。しかも、フィットネスクラブでの筋肉トレーニングとなると、自己努力で健康づくりをしている人たちとのすみ分けはどうなるのでしょうか。市民センターなどでの体操教室にはさまざまな年代の人たちが参加をして好評を得ているということもこの議会の中で報告されています。
 ちなみに、ことしの予算で言うならば、介護予防事業に約1億4,000万円の予算が計上されているところです。私は、このフィットネスクラブでの筋肉トレーニングが決して悪いと言っているわけではありません。保険財源を使って行う介護予防事業は何なんだろうかという本当に素朴な疑問があるわけです。
 次に、保健所についてお伺いいたします。
 この4月から、保健所が八王子市に移管され、保健所政令市として新たにスタートいたしました。業務の継承や保健師の人材育成については既に議論されてきているので、重複するところは省略いたします。
 そして、今年度、地域保健福祉計画が策定されることとなり、その準備に取りかかっているところです。既に策定されている次世代育成計画や障害者計画などを網羅する八王子市の保健・医療・福祉に関する総合的な計画とされているのですが、その中の保健医療計画は新しい取り組みと言えます。医療対策編については、中間のまとめが出ているところですが、まさに健康づくり、保健所に関しては、新しいところからの計画づくりです。
 そこで、具体的に計画をつくっていくに当たり、どのようなことに配慮してつくっていかれるお考えなのかをお示しいただきたいと思います。
 地域保健福祉計画全体から見ると、全体をトータルに見て、高齢者、障害者、そして子どものそれぞれの個別計画があるとはいえ、それぞれにおいてまさに医療との関連は市民にとってとても関心が高いところです。例えば高齢の方にとっては、年を重ねるにつれ医療への依存度は高くなっていきます。また、障害のある方々にとっても、医療との連携は切っても切れないものがあるわけです。さらに、こども計画の中でも新たな課題となっているものに発達支援の問題も最近大きくクローズアップされてきているところです。
 こういったそれぞれの個別的な医療ニーズの位置づけに関して、この保健医療計画の中でしっかりと押さえ、積極的に市の施策の中に保健所の役割を位置づけていただきたいと思っているところですので、お聞かせいただきたいと思います。
 これで1回目を終わります。

◎【高木順一議長】 清掃事業担当部長。
◎【榎本茂保清掃事業担当部長】 それでは、廃プラスチックの中間処理施設の調査研究協議会について御答弁を申し上げます。
 当協議会は、議会、市民、事業者、環境市民会議、環境審議会等で多くの意見を反映して策定されましたごみ処理基本計画に基づき、特に市民から要望の高い廃プラスチックの資源化を拡大するために必要となります中間処理施設の整備に当たり、安全で安心な施設整備を進めるために設置したもので、専門家や市民により構成され、環境への影響や適正処理、施設の概要等について調査・研究し、整備候補地の選定を行い、これらの情報を正確に伝達し、広く関係者の意見を的確に反映していくものです。
 また、安全性や市民の理解と合意ですが、今後協議会で調査・研究を進めていく中で、正確な情報の提供を市の広報紙、またホームページ等で積極的に行い、安全安心の理解を得たいと考えております。
◎【高木順一議長】 高齢者・障害者担当部長。
◎【橋本辰夫高齢者・障害者担当部長】 3点ばかり御質問いただきました。
 初めに、現在のサービス提供のあり方につきましてということでございます。特定高齢者には、地域包括支援センターで対象者の身体状況や要望に合わせたケアプランを作成しておりまして、個々の状況に合わせたプログラムというものを実施してございます。プログラムの内容、形態につきましては、今後その改善効果等を十分検証しながら、より効果のあるプログラムの提供に努めてまいります。
 続きまして、基本チェックリストの判定基準の変更の件でございますが、国の試算によりますと、19年度から大幅に対象者がふえるということで、1人でも多くの元気な高齢者をふやすことに結果的につながりますので、一定の評価ができるものというふうに考えてございます。
 3点目でございます。一般高齢者向けの健康づくりにつきましては、地域等で行われている活動というものを基本的には支援するということを趣旨としております。しかしながら、健康づくりへの取り組みというのはさまざまでございまして、自己努力で健康づくりに取り組める方ばかりではありません。そういった方のきっかけづくりとして、参加しやすいプログラムというものも当然必要でありまして、普及啓発、そしてまた、活動の支援といったさまざまな形態から取り組んでいくことが必要であるというふうに考えてございます。
◎【高木順一議長】 健康福祉部長。
◎【岡部正明健康福祉部長】 保健医療計画についてお答えをいたします。
 ここで策定をいたします地域保健福祉計画につきましては、地域福祉計画、それから、高齢者計画、保健医療計画、これを包含する計画というふうにしておりまして、当然それぞれの計画との調整、連携というものは十分図っていく必要があるというふうに考えております。
 また、本年4月に保健所が本市に移管されたことに伴いまして、本市が展開すべき保健医療施策についても反映をしてまいりたいというふうに考えております。
◎【高木順一議長】 第10番、陣内泰子議員。
                   〔10番議員登壇〕

◎【10番陣内泰子議員】 いろいろお答えをいただきました。
 まず、この廃プラの中間処理の調査研究協議会についてお答えいただいたわけですけれども、私はこの協議会を傍聴させていただきました。その席上で、1人の委員、学識経験者でいられたんですけれども、その方から、市民とのワークショップのようなことをするのかといった意見が出されました。そのときに、まさに今の部長の答弁と同じような答えがあって、環境市民会議の議論を経て十分市民の合意を図ってつくられた計画なので、改めて市民とのワークショップ等は考えていない。安全性と場所の選定を議論していただく場であると説明されたわけです。
 これを聞きまして、また今の答弁を聞きまして、私自身、市民合意を形成していくとはどういうことなのかということを改めて考えてしまいます。このように計画に書かれているのだから、それは、もちろん、この計画に至るまで本当に多くの方々の努力の中でつくられてきたということは十分承知をしているところです。でも、この計画をつくるまでの過程でいろいろな議論があった。それは結果としてマテリアルリサイクルとサーマルリサイクルの併用という案に落ち着いたとはいえ、そこの過程に至るまでのそのさまざまな議論、それは一体どうなるのか、どこへ行ってしまうのかという疑問があります。  そしてまた、コスト計算においても、施設建設費は含まれていないということも今までの議論の中で指摘されていたことでもあり、環境審議会でも市民とのコミュニケーションを図るようにという意見も付されているところです。つまり、この中間処理施設を含めて、廃プラの処理に関しての市としての方向性が示されたというのが今の段階であって、つまり、これからどう市民との合意を図っていくのか、高めていくのか、普及していくのか、市民の方に理解をしてもらうのか、わかってもらうのかというのがこれからの課題であるわけです。
 そのような中、ホームページ等で資料を公開していくとはいっても、この会議で、安全と、そして場所を選定するということは、もう既に会議の方向は決まっていると言えます。つまり、報告と合意というのは違うと考えます。そこで、これからの進め方に関して、ぜひ協議会の委員からの提案にもあったように、その議論の折々で、ワークショップや講演会、そして、市民団体や環境団体へのヒアリングなど、広く市民に開かれる場となるようにしていただきたいと思うんですが、お考えをお聞かせください。
 安全性についてです。この協議会で安全性を議論するということですが、13名の委員です。安全性が議論できる、この13名の委員の中で、安全性を保障できると言えるのでしょうか。今専門的な学識経験者が入っているというお話もありました。でも、専門家の中にも多様な意見があるということはだれでも承知しているところです。だからこそ、こういった問題に関して環境NPOで活動しているジャーナリストは、リスクコミュニケーションで解決をと訴えているわけです。
 有害物質の安全性をめぐる議論は、廃棄物施設を設置しようとする側と、また、それに反対する側との見解が常に平行線に陥りがちになるのですが、一つ一つ何が危険なのか、その危険を回避するにはどうすればいいのかといった議論をしていくことであり、そのためには双方が信頼できる──ここが大事です。双方が信頼できる専門家が橋渡しをする必要があるというわけです。協議会での安全性の議論においては、ぜひこういった手法で進めていっていただきたいと思うのですが、お考えをお聞かせください。
 そして、環境審議会でも、人体にどういう影響があるかわからないものについては、出さないようにする、使わないようにするといった予防原則といった国際スタンダードになっている考え方について盛り込んでほしいという意見もあったところです。ぜひ議論のベースとして、こういった予防原則にのっとっているところからスタートしていただきたいと思うわけです。この点を踏まえて、再度安全性に対する市民合意の進め方についてのお考えをお示しください。
 このような中間処理施設、その建設が必要になる。これは、まずマテリアルリサイクルとサーマルリサイクルという形で、プラスチックの資源回収があるからです。しかし、この環境基本計画にも述べているように、私たちの目指すのはごみゼロ社会です。そして、それにまず一番取り組まなければならないのは発生抑制である。これは、常にだれでもが皆発生抑制、元から絶っていかなければならないと言っているわけです。そのことについてお伺いいたします。
 この発生抑制をしていくこと、これは循環型社会の形成に欠かせない。事業所もそうです。市民も皆同様です。そこで一つの具体的なレジ袋を例にとってお話しさせていただきます。今家庭用不燃ごみの約5%が容器包装プラのレジ袋のごみ袋となっています。家庭用不燃ごみの排出は年間約2万トン弱なのですが、それらを計算すると、このごみ袋だけで何と1,000トン弱になります。つまり、それが今ほとんど燃やされているわけですが、この重量は現在八王子が回収している容リプラ、3種類の回収量と同じです。
 今八王子はこの3種類の容リプラを回収するのに、1億円の回収費と5,000万円の委託費を払っているわけです。つまり、このレジ袋、1,000トンのレジ袋を集めて資源にすれば1億5,000万円かかる。そして、燃やせば石油の消費とCO2の排出、並びに環境汚染になる。だから、使わないで済むようにしよう。使わないで済むのはやめようというのが発生抑制の考えであるわけです。これは消費者の側から見た発生抑制の考えです。市としても、こういったレジ袋を家庭に持ち込まないようにするために、マイバッグの啓発を行っているところですが、そろそろ具体的な数値目標を立て、削減計画を立てるべきときに来ているのではないでしょうか。市民の努力だけでは、その効果がなかなか見えません。
 杉並区では、この3月に、スーパーのマイバッグ持参率が30%だったところ、レジ袋有料化を導入することで 90%に上がったというモデル事業を実施したところです。レジ袋有料化については、事業者から消費者離れを心配する声も多いと聞いているのですが、今回のモデル事業では、特にそのようなことはなかったと報告されています。杉並区では、マイバッグ持参率60%以上になれば、レジ袋税の導入は行わないとして、現在市民と事業者の連携、そして、それを後押しする行政の働きかけで積極的な取り組みが始まっていると聞いています。
 市でも、事業所との連携がつくられているということですが、なかなか具体的な施策になっていません。エコショップも市内で54店舗という報告でした。さらなる拡大を期待するところですが、スーパーや小売店の自主的な取り組みだけではなかなか進みません。具体的なきちんとした削減計画を立てながら、施策の効果を図っていく必要があると思います。そのためにも、行政がリーダーシップをとってかかわっていく必要があるわけです。
 このような取り組みは、杉並区だけではなく、佐渡市でも、全地域での事業所が参加してのレジ袋削減に取り組んでいるところです。また、市民団体とスーパーなどが連携して、品目を限ってトレーを廃止しているのが水俣市です。つまり、レジ袋は拒否できても、商品と一緒の包装材は要らないのに家庭に入ってきてしまうわけです。だから、売る段階で少しでも少なくしようとする試みです。同時に、店頭自主回収を積極的に推し進めることも、生産者責任、使用者責任を明確にすることになります。そのお店で買ったものはそのお店に返そう、こういうキャンペーンが必要です。家庭から出せば私たちの税金を使っての処理になりますが、事業者が出せば、それは事業者の販売コストとして事業者責任になります。発生抑制には、ごみ処理の費用をだれが負担するのかといったことを明確にする必要があるわけです。
 さて、自治体レベルでの発生抑制の仕組みはまさに行政のリーダーシップのもと、市民と事業所のこの協力関係の中でつくり上げられるということが先行自治体の例の取り組みで明らかです。ぜひこういった取り組み、何をどれぐらい、どうやって減らしていくのか、そういった課題を八王子市においても整理をし、そして、その見通し、そして、実行に取りかかっていただきたいと思いますが、市のお考えをお示しいただきたいと思います。
 次に、介護予防についてです。
 介護予防に取り組む市の考え方、そしてまた、一般的な健康づくりとのすみ分けに対して、なかなかそういうところにアクセスできない、そういう人たちのためのサービスを提供する。そのような御説明がありました。介護予防、もちろんそれは大事です。でも、それは給付費という保険の中での仕組みではなく、まさに一般施策として、市としての健康づくり、そして、地域の中での健康づくり、そして、人間関係づくりの中で進めていくべきものではないかと私は思っています。保険の中で支払うということと意味が違うと思っているわけです。
 そして、先日、私は稲城市の高齢福祉課に伺ってまいりました。それは、5月11 日のシルバー新報で、社会参加で介護予防の推進、ポイント還元で保険料を軽減、稲城市が2年越しで要望という新聞記事が出ていました。読売新聞や朝日新聞などにもこぞって取り上げられている介護ボランティア制度です。稲城市は、高齢者が介護施設などでボランティアをするとポイントがもらえる。また、たまったポイントを介護保険料や利用料に充てることができるという制度を特区で提案申請をしていたところ、厚労省がその仕組みを認めたことから、全国展開へとなったわけです。  厚生労働省は、5月7日、介護支援ボランティア活動への地域支援事業交付金の活用についてという文書を各都道府県に出しています。それによると、一例として、高齢者が介護施設や在宅において、要介護者等に対する介護予防に資する介護支援ボランティア活動を行った場合、市町村は当該活動実績を評価した上でポイントを付与する。そして、蓄積したポイントに該当する額の範囲で換金し、保険料として支払うことができるというものです。
 稲城市の担当者にお伺いしてみると、稲城市の場合は、年間50回のボランティアで5,000円相当に換金できるという仕組みだそうです。保険料への影響額は大したことなく、かつ、元気でボランティアをしていることによって要介護状態になるのが2週間から1ヵ月おくれるということで、給付費への削減効果は数倍になるというお話でした。これが介護予防事業と言えるのでしょうか。甚だ疑問です。
 八王子においても、団塊世代のボランティア窓口を新たにつくり、積極的にボランティア活動の導入を図っているところですが、65歳以上と年齢を限り、そして、介護支援ボランティアとしてそのやるべきことを限定し、さらにお金への換金がなされる。これは本来のボランティア活動に反する行為と言えるのではないでしょうか。この制度に関して、自治体からの意見を厚生省が求めたところ、まさにこういった反論が多く寄せられていたということです。だからこそ、厚生省は、制度として導入することに2年もちゅうちょしていたのだと思うのですが、ここに来て全国展開できるような通知を出したということに、まさに給付費の増大への危機感があり、かつ介護予防事業、ひいては、地域支援事業が特段の効果をなかなか上げていない、そんなことへの焦りがあったのかなというふうにも感じるところです。
 そしてもう1点、この介護支援ボランティア制度の導入は、介護保険の制度の根幹を揺るがすものであると言えます。介護保険制度は、社会全体で介護を見ていこう、介護の社会化という観点からの導入でした。それまでは、病院とかホームなどでの施設以外の場での介護という発想がなく、介護は個人的な努力の中で対処されていたわけです。多くは嫁であったり、妻であったり、家族労働として女性が担ってきていました。しかし、もうそれではだめで、高齢者を支え切れないということでの制度化であったわけで、それに対して再度、再び介護支援ボランティアという形で、ボランティアが介護の現場に駆り出される。しかも、それによって保険料が軽減されるとなれば、介護労働は一体何なのかということがさらにあいまいになってきてしまいます。  コムスンの問題で、介護の質が問題にされているわけですが、まさにそういった介護の質にかかわる問題でもあるわけです。八王子としては、今回の厚生省のこの通知をどう受けとめているのでしょうか。八王子の導入も考えておられるのでしょうか、お聞かせください。ボランティアの認識、またこういった換金制について、それらに触れながらもお考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、保健所についてです。
 保健所について、計画の中での位置づけを御説明いただきました。保健所の市の移管になっていくことで、保健師の訪問活動、その全般が市の事業となるわけで、そしてまた、包括支援センターにも保健師が配置されていることを考えると、まさに赤ちゃんからお年寄りまでのあらゆる世代に対する地域保健活動の中で、保健師活動が中心的存在になっていくと考えます。また、そのネットワークのかなめでもあるわけです。昨日も議論がありましたが、この保健師の人数の確保、質の向上にはぜひ今後も尽力いただき、計画の中でもこの保健師活動がきちんと見えるようにしていただきたいと思います。
 そして、1点、業務の継承ということで、エイズ対策についてお伺いいたします。この6月1日から7日までは、エイズ検査啓発週間です。先日、学生天国に行ったとき、エイズについてのブースがありました。そこでいただいたパンフによれば、日本のHIV並びにエイズ患者は増加の一途であり、2006年度は1,304件であったといいます。何と日本では1日に3件の割合で、また、東京に限って言うならば、1日1人の割合でHIV、そして、エイズ患者の増加があるということです。エイズ対策は、感染症対策として広域的に都が今まで行ってきているわけですが、八王子保健所にもしっかりとしたその取り組みの実績があります。
 そこでお尋ねいたしますが、エイズ対策について、八王子保健所でのこれまでの取り組みと、それがどのように評価されているのかをお示しください。
 また、エイズ検査となると、直接的な市民サービスにとどまらず、広く間口を広げておく必要があります。HIV感染者やエイズ患者の増加、また、八王子は大学がたくさんあり、若い人が多く生活しているということを考えるならば、検査のみにとどまらず、市としても、地域保健衛生活動として積極的に対策を講じていく必要があると思いますが、それについてのお考えもお聞かせください。  そして、昨年の市制90周年特別企画として行われた学生と市長のふれあいトークの中で、大学のゼミでエイズ予防に取り組んでいる活動が報告されました。大学生など若者を育成し学園祭や学校での性教育などに出向き、同世代への普及啓発を行っているのです。ピュアエデュケーションと呼ばれているものです。このときの報告によると、若い人、特に中学生、高校生段階での性教育、エイズ予防教育の重要性が語られていました。
 市長からの中学校の性教育授業に学生は協力してくれるのかとの質問に、ピュアエデュケーターとして協力したいという心強い学生たちの答えもありました。市長も覚えていらっしゃるかと思うのですが、ぜひこういった市民の、このときは学生ではありますが、提案を具体化させていっていただきたいと思いますが、この点について、市長のお考えをお聞かせください。
 これで2回目の質問を終わります。

◎【高木順一議長】 清掃事業担当部長。
◎【榎本茂保清掃事業担当部長】 それでは、安全性の住民合意の進め方ですが、今後の施設整備に当たっては、最も重要なことは、周辺住民との合意形成です。施設の安全性については、協議会で調査・研究を行い、安全性の確保を確認し、市が責任を持って整備候補地の環境影響調査を行い、住民の声を聞きながら理解を得られるよう計画的に進めていきたいと考えております。
 次に、発生抑制の課題や取り組みですが、プラスチック類も含め、ごみの発生抑制は、生産者や販売者等の川上対策が課題で、現在市長会を通じて、国や東京都に働きかけをしているところでございます。
 また、市の取り組みですが、市民、事業者等で構成しておりますごみゼロ推進協議会の意見をいただき、市民の意識啓発やエコショップ制度の充実、マイバッグによるレジ袋の削減等、ごみ処理基本計画に基づき、発生抑制の施策を市民、事業者、市で展開をしまして、ごみの減量に努めてまいります。

◎【高木順一議長】 高齢者・障害者担当部長。

◎【橋本辰夫高齢者・障害者担当部長】 介護支援ボランティア制度の導入、そして、ボランティアに対する認識ということで御質問をいただきました。
 初めに、ボランティアにつきましては、自主性と奉仕の精神で社会事業に当たる行為、あるいは人のことというふうに認識をしております。しかし、最近では、有償ボランティアというふうな言葉もございます。いずれにしても、非営利ということがそのベースにあるのではなかろうかというふうに理解をしてございます。
 また、今回の厚生労働省の通知につきましては、高齢者が介護支援ボランティア活動を通じまして社会参加あるいは地域貢献を行うとともに、みずからの健康の増進を図るという趣旨であります。こういったことを尊重しつつ、介護サービスの安定供給の体制づくりやポイントの管理等、そういったことにつきまして、現在プロジェクトを組織いたしまして、調査・研究を進めているところでございます。

◎【高木順一議長】 保健担当部長。

◎【上木隆人保健担当部長】 エイズ対策について、2点御質問いただきました。
 まず、これまでの取り組みですが、東京都の八王子保健所で行いましたことは、エイズ検査相談事業におきまして、検査当日に結果をすぐ出せます迅速検査を多摩地域ではいち早く導入しておりました。また、若年層への普及啓発活動の1つとして、市内の大学生に普及啓発の一端を担っていただくピュアエデュケーション活動、それを行うとともに、男性同性愛者のグループとの連携にも取り組みました。都内の保健所の中でも先駆的な事業を行っておりました。その実績については、学会発表などを行いまして、高い評価を受けておりました。
 次に、エイズの現状でございますが、HIV、エイズ患者が増加傾向にあるという状況でございますが、市の保健所としましても、エイズ対策を継続して取り組んでいく必要があると考えております。八王子市は大学生が多い市でございますので、大学や大学生の協力を得まして、先ほど申し上げたピュアエデュケーション、またエイズ検査相談事業、これらの普及啓発を行いまして、さらに充実をさせてまいりたいと考えております。
◎【高木順一議長】 黒須市長。
                    〔市長登壇〕
◎【黒須隆一市長】 10番、陣内泰子議員の私に対する質問にお答えをいたします。
 学生と市長とのふれあいトークですけれども、これは、私は、大変ありがたいなというふうに思っているんですけれども、常に学生が非常に斬新な提案をしていただける。また、決して長い期間ではありませんけれども、八王子に住まわれる、あるいは八王子の学校に通ってこられるにもかかわらず、非常に八王子を勉強していただける。これは非常にありがたいなというふうに私は思っております。  昨年の提案では、今御質問いただいたエイズ予防、この例もありましたけれども、他にも、ごみ袋への防災情報の印刷など、これらについては提案を実現をしつつあるわけでございまして、これからの政策立案の参考にさせていただこうという例もたくさんあるわけでございまして、大変ありがたいというふうに思っております。
 学生ばかりではなくして、市民の皆さんからのいろいろな機会での提案というものも、市民にとってこれはいいことだなと思うようなことは積極的に取り組む姿勢で今やっておりますし、あと担当所管にも積極的に検討するよう指示してまいりました。これからもこの姿勢は変わりません。
◎【高木順一議長】 第10番、陣内泰子議員。
                   〔10番議員登壇〕

◎【10番陣内泰子議員】 いろいろ御答弁をいただきました。
 今のプラスチックの処理に関して、市民の合意という、その方向はぜひ具体的に進めていっていただきたいと思います。
 その中で1点、発生抑制、これからのごみゼロ会議で進めていくというお話もあるわけですが、発生抑制にきちんと市が取り組んでいるんだよということをもっともっと市民に言っていかなければならない。発生抑制が大事なんだよということが見えるようにしなければならない。そのためにもこの夏時期に始まるペットボトルの拡大収集、これはぜひ見直していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
 つまり、自治体によるペットボトルの回収拡大、リサイクルは、一向にペットボトルの削減につながっていっていません。生産量は増大の一途です。あふれて困るという苦情には、店頭に返しましょうというキャンペーンをすることで、ぜひ消費者の消費行動を少しでも変えるようにしなければならないんです。そうでなければ、発生抑制は進まないわけです。そして、どうしてもこれができないということであるならば、ぜひあわせてペットボトルをこの市内の中でどうやって削減するのか、それを示していかなければ、なかなか発生抑制といってもそれは言葉だけのものになってしまいます。
 私たちの目の前からごみがなくなればいい。そして、ましてリサイクルされているのだからという、これでは私たちのこれからのごみゼロ社会への転換へはつながっていかないと思いますので、ぜひこの取り組みを御検討ください。お答えいただきたいと思います。
 そして、稲城の介護ボランティア制度に関しては、今ボランティアについては非営利、そのような認識はお示しになりました。私としては、ボランティア制度ではなくきちんとした介護労働として位置づけ、それを壊すような仕組みを導入しないように要望いたします。
 そして、3番目に、このエイズ対策を含めた市民の提案についてです。市長からは、今学生の提案、大変斬新であり、そして、必要なもの、本当に市にとって役に立つものを取り上げていきたい、そのようなお答えがありました。そして、私は、まさに今学校現場で性教育、これがとても語りにくい状況になっているわけなので、そして、ぜひ今回のこの学生の性教育の体験事業、市長も後押しをしてくれるということですので、学校現場で、中学校の出張授業の中にぜひ実現をしていっていただきたいと思います。これは要望です。
 そして、今市民参加条例素案によるパブリックコメントのまとめが発表されているところです。条例の中に、こういった市民提案のルール化を示していくことも必要だと思います。つまり、条例制定に向けても、この市民の提案、これは条例制定に向けての提言書の中でも触れられていることでありますので、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 1点、環境部からのこのプラスチックの発生抑制についての心意気をぜひお聞かせいただいて、私の一般質問を終わります。
◎【高木順一議長】 清掃事業担当部長。
◎【榎本茂保清掃事業担当部長】 ペットボトルの夏場の収集でございますが、ペットボトルは、軽量、耐久性等で、清涼飲料水の容器としてやはり気温の高い夏場の利用が多く、冬場に比べて排出量が約2倍になっております。そこで、7月から9月までの3ヵ月間だけですが、週1回やむを得ずやっておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
 また、ペットボトルの削減プランですが、先ほどもお話ししたとおり、拡大生産者責任の川上対策が重要と考えておりますが、ごみ減量に向けて研究をしてまいりたいと考えております。
   ◎【高木順一議長】 この場合、会議時間の延長をいたしておきます。
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