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2005年度決算特別委員会  総括質疑 (9月28日)
要旨
1. 歳入について
 @ 市税収入について A 市債並びに起債についての考え方
2. 歳出について
 @ ごみ有料化の収支決算
◎陣内泰子委員 おはようございます。無所属の陣内泰子です。
 始めさせていただく前に、ちょっと一言触れさせていただきます。会派に属していない委員は、私を含め3名で、昨年の決算審査のときより1名ふえています。しかし、質疑の時間は20 分で、それぞれ立場も違うということで、だれが代表してということにはいかないので、私1人がやらせていただくことになりましたということで、お願いします。
 それでは、総括質疑に入りたいと思います。
 まず、今年度は、毎年落ち込んできていた市税収入が前年度に比して31億円余りの増収となっています。しかし、まだ2002年の段階には届いていません。しかし、単純に喜べないのは、配偶者控除の廃止等の税制改正による負担増がそのベースになっているのですが、こういった税制改正の影響を除いた2005年度の市税増の特徴について、まず、全体としてどのような認識をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。

◎中村税務部長 税の伸びの関係ですけれども、税制改正を除いて、個人市民税にありましては、納税義務者数の増、あるいは給与総額の増、あるいは新増築の増によりまして、固定資産税、一定の伸びを示しております。また、雇用環境等も指標的には改善されてきているということで、18年度以降も含めて、個人市民税を含めて伸びが期待できると、そのように認識しております。

◎陣内泰子委員 今、期待が述べられたところなんですけれども、納税義務者もふえているかと思います。どれぐらいふえているか、まず人数的にお願いいたします。

◎中村税務部長 16年度と17年度の比較になりますが、7,700人、伸び率にして3.5%になっております。

◎陣内泰子委員 今、7,700人の増ということなんですけれども、この納税義務者の方たちのそれぞれの3段階、つまり3段階で市民税が納められているわけなんですけれども、それぞれにおいても増加しているわけです。そのような中で、この3段階のそれぞれの段階においても、今、給与所得がふえてきた、雇用も改善されてきているということで、明るい見通しが言えると認識していらっしゃるのか、分析されているのか、その点はいかがでしょうか。段階ごとの。

◎中村税務部長 個人市民税は、税率3段区分になっておりまして、200万円以下につきましては、前年度に比べて2,500人ふえております。伸び率につきましては2%、全体の納税義務者の伸び率が3.5%ということでありますので、200万円を超える、あるいは700万円を超えるところの所得階層の伸びが大きい、そのように認識しているところであります。

◎陣内泰子委員 今、200万円以下の層が2,500人ふえている、その一方で、200万円以上、そして 700万円以上の層の伸び率が大きいという御答弁だったわけですが、今、この200万円以下の層、人数はふえているわけですけれども、総所得金額においては、昨年度よりも30億円余りも落ち込んでいるわけなんですね。ということを考えるならば、また生保世帯等もふえているということを考えれば、今、格差社会等のことがさまざま論議されているところですけれども、この八王子においても、確実にこの格差社会が広がってきているということが言えるわけで、明るい見通しとともに、影もそれにあわせて増大していっているという認識が必要だと思います。
 そのような中で、自治体としてさまざまな需要、市民生活の安定を確保するために使われる資金をどう確保するかということが問われているわけですけれども、その中で、やはり何といっても公債費の圧縮というのは最大の課題になっています。この間、地方債残高を2,732億円まで縮減してきたことは、本当にその努力は大変なことだったと思いますし、大変高く評価するわけですけれども、この縮減においては、まさに返す以上に借りない、また、歳入の6%未満にするというルールのもとで減ってきたということは認識しているところです。
 しかしながら、より多くの市民が使えるお金を生み出す、その中で行財政改革も行われているわけですけれども、やはりこの市債残高においても、一般会計においては、なお1,460億円余りの借入金があるということで、ここについて大きなメスを入れていく必要もあるかと思います。高齢化社会への対応や多様化する教育ニーズにもこたえていくような市政運営をするためにも、まさに公共事業の厳選がやはり大きく問われていると思います。  そこで、今実施されてきている市債借り入れの2つのルール、これに加えて、何らかの新たな方法での市債残高を減らしていく方法、そのようなものについての御検討についてはどのようにお考えでしょうか。

◎原島財務部長 今、取り組んでおります、返した以上に借りない、それから、市債の依存度についても6%以内ということを守りながら、市債残高の圧縮にこれまで努めてきているところでありまして、今後もこの考え方を基本にしながら市債残高の縮減にさらに努力をしたいと考えております。
 これ以外の方法ということになりますと、繰上償還というような道はありますけれども、なかなか融資先の方の制限がありますので、そういう機会があれば繰上償還にも努めて、なお残高の縮減に努力したいと、このように考えております。

◎陣内泰子委員 今、そのような御答弁があったわけですが、少し話を変えて、ことしの新たな試みとして、市債の発行の1つの形態として、ミニ市民公募債が発行されました。これについては大変な反響でした。この、みどり市民債の大きな目的、それはどのようなことだったのか改めてお伺いします。そして、今後、市債の1つの形態として、こういった市民債を発行していく計画はおありなのか、それもあわせてお伺いします。

◎原島財務部長 まず、発行の目的でございますけれども、これにつきましては、市民の参加、あるいは協働という形でまちづくりを進めるために、ミニ公募債という形をとらせていただきました。あわせて、資金調達の手法の1つとして、今回は、今後の備えとして貴重な検証だったと考えております。
 それから、今後の発行計画でございますが、現在のところ、具体的な発行の予定というのは考えておりません。ですけれども、分権時代にあって、自治体の自己責任による財政運営が求められている状況でありますので、資金調達の多様化を図っていくことは重要と考えております。発行に適した事業があった場合には、検討したいと思っております。

◎陣内泰子委員 ぜひ多様な資金調達として検討していただきたいわけですが、今年度の利率は、国債よりも 0.1%高いもので設定されていました。今、市民の参加、協働ということが大きな目的と述べられたわけですが、この0.1%高くしたという中で、これは投資的な意味合いというのもあったのかどうか、そのあたりはいかがでしょうか。

◎原島財務部長 今回、みどり市民債を購入いただいた方のアンケートによりますと、資金の使途、今回の場合には緑地の公有化であったわけですけれども、これに賛同してという方と、それから、市が発行する債権で安心だからとかいうことであります。金利に関しても一定のお答えはちょうだいしておりますけれども、主なところは、ただいま申し上げました2点でございます。

◎陣内泰子委員 その割合というのか、市が発行するので安心という1つの預け先としての選択と、緑の保全というのに賛同してという、その両方を分けられるものではありませんが、アンケート等から担当として把握される、これに込めた市民の思いというのはどちらの比重が大きいのか、そこら辺はわかりますか。

◎原島財務部長 アンケートの結果でも、ほぼ同じような数値を示しておりますので、やはり今回の発行の目的、それから市が発行する債券である、その両方を組み合わせたものが今回の結果だろうと考えております。

◎陣内泰子委員 2004年、2006年に出された八王子市行財政改革、このミニ市場公募債が一体どういう流れで17年度に発行に至ったのかという経過をずっと追ってみたわけなんですけれども、その中で、八王子行財政改革大綱2003年度進捗状況報告書の中で、14年度あたりから市民参加のミニ市民債の発行が検討されてきていると報告がされていました。その中で書かれてあったことなんですけれども、他の資金調達方法よりも低コストとなるような方法の検討を行うと書かれていたわけなんですが、これはどのような形で検討され、また具体化になったのでしょうか。

◎原島財務部長 これは、ミニ市場公募債といいましても、やはり取り扱い金融機関との交渉がつきものでございまして、その交渉におきましては、より低利で、しかも市民が参加しやすい金利設定、こういったものを前提としながら交渉を重ね、通常、縁故資金と呼んでおりますけれども、銀行からの借入資金よりも低利となるような設定を考えて進めてきたところでございます。

◎陣内泰子委員 今、銀行よりも低利ということで、でも基本的には国債よりも高い設定というのが結果だったと思います。今、アンケート等でも言われたように、緑の保全という事業が非常に市民に理解された、それから、市が発行するという安定性の中で考えるならば、この利率の設定というものは、私としては何も国債に上乗せしなくてもよかったのではないか。純粋に投資部分ということを極力排除して、市の施策の協力という形での発行も十分考えられたのではないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。

◎原島財務部長 結果論からいたしますと、今回、8.7倍という申し込みがありましたので、金利設定についてももっと低くてもいけたんじゃないかという考え方は出るかと思いますけれども、今回のみどり市民債の発行につきましては、市として初めてミニ市場公募債という試みを行ったわけでして、始める以前というのは、私ども担当者としてもかなり不安もありましたし、資金が集まらない場合にはどうしようかということまで考えていたことですので、今回の結果を見て、今後、発行するときにはという、一定の条件とはなるかと思いますけれども、今回のみどり市民債に関しては、これでよかったのかなと思っております。

◎陣内泰子委員 今後に関しては、ぜひ、この利率の点については検討していただきたい、やはり何といっても、単に資金集めという以上の市民との協働したまちづくりという視点を明確にしていただきたいと思います。
 その中で、以前、大谷緑地の隣地、アーチェリー跡地の開発をめぐって近隣市民からの保全の要望等が上がっていました。この土地は開発されてしまったわけなんですけれども、そのとき、市民が個人的にトラストとしてここを買いたい、そんな話も出ていたわけで、このようなことがまさに市民との協働の姿ではないかと思っています。
 そこで、先ほどの公共事業の削減をどうできるのかということに話を戻すわけですが、公共事業の事業費の7割程度を起債で充当することになっております。つまり、このことは、公共事業の厳選がいかに必要かということになるわけなんですが、厳選の根拠として市民ニーズが挙げられております。八王子駅南口再開発事業一つとっても、市長が認識する市民ニーズと、私や議会内でのこの事業遂行を疑問視する声、また、反対する市民の声もあるわけで、そこで、市民との協働が市政運営の大きな柱でもあることから、公共事業に必要な資金調達の一ルールとして、一部この市民公募債を導入するというルールをつくっていただけないか、その点についての御検討はいかがでしょうか。今、市民債についての具体的な発行予定はないということですが、改めて、この公共事業に対するもう一つのルールという形での導入の御検討について、お考えをお伺いします。

◎原島財務部長 ルール化ということでありますけれども、より低利で安定的に供給される政府資金、こちらの方をまずは優先したいと考えております。したがいまして、起債を発行する都度、このミニ市場公募債を活用してという考え方は、今のところ持ち合わせておりません。

◎陣内泰子委員 他市のミニ市場公募債を導入しているところを見ると、いろいろな形で使われているということがあります。当然、財務当局も他市の状況等は御検討されているわけですが、このような資金を入れるということは、安定の意味もあるわけですけれども、やはり一つ、事前評価の一手法としても考えられます。いかにその事業が市民にとって有益なものであるのかを、その資金を集めるためには、市はしっかりと説明しなければならないわけです。説明責任の点から言っても、はっきりと市民に示すことができます。また、行政としては、厳しいチェックになるわけですが、政府資金からお金を借りても、その返済は市民の税金から行うわけです。そういう意味で、市民からの直接的な資金調達ということは、一部ですけれども、透明性を高めることにもつながるわけです。もちろん、予定したお金が集まらないことになれば、それは事業の検討ということ、また見直しという判断も当然必要になってくるわけで、これがこれから考える市民との協働にどうやって市民が資金的においても参加するかという1つの大きな試みになるかと思いますが、この点についてお考えをお伺いいたします。

◎原島財務部長 多分、御質問の趣旨は公募債の発行を事前評価の意味を含めて行えないかということだと思うんですが、各事業につきましては、議会におきまして承認をいただいた予算の執行であることから、その財源である起債の資金調達の段階に至って評価を行うことは考えられませんので、事前評価の手法としてミニ市場公募債を活用することは考えておりません。

◎陣内泰子委員 今、そのような御答弁だったわけですけれども、しかし、私としては十分検討できる余地があると思いますので、お願いしたいと思います。時間がありませんので、次に。
 次に、歳出のごみの有料化の収支決算についてです。
 このごみの有料化の収支については、今、リバウンドがおきている中で、発生抑制に対してどのような取り組みをしてこられたのか、その点、まず1点確認させてください。

◎榎本清掃事業担当部長 発生抑制は、市民だとか事業者と協働して取り組むことが大変必要だと考えております。そして、有料化がなし得た効果を維持、推進するためにも重要なこととも考えております。17年度につきましては、新たにエコショップ認定制度とマイバッグの持参運動をスタートいたしました。

◎陣内泰子委員 そのように取り組まれてきているということではありますが、なかなか具体的な施策、市民の手元に見えるような形にはなっていないということを言わなければならないと思います。
 プラスチックのペットボトルの回収が、夏の時期、2週に1回から毎週になります。私自身、これは発生抑制と大きく矛盾する施策と思いますので、これに関してやはり大きな問題があるという点について、この施策がどのような位置づけであるのか、そして、ぜひ検討をお願いしたいと思いますが、この点について御判断いただきたいと思います。それと、みどり市民債の、基金へ充当することに関しても、大きな問題があるので、この点についてもお答えください。

◎榎本清掃事業担当部長 ペットボトルの収集回数は、市民の要望、また、拠点回収の収集量の実績等を参考に7月から9月まで毎週1回にふやしております。ペットボトルの中身は飲料水が多いので、気温が高ければ、やはり必然的に水分補給というのは必要になってきます。特にペットボトルは大変便利なもので、需要もふえ、排出量も多くなる、これが自然と考えております。収集しなければ不燃ごみとして出される、そういう中では、やはり収集回数をふやして資源化していきたいという考えでございます。

◎水野淳委員長 諸派の質疑は終了しました。

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