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2003年 第2回定例議会議事録
   <要旨>
1.選挙制度について
(1) 投票率上昇に向けての努力
(2) 投票しやすい環境整備
(3) 市民への選挙周知の方法について
2.地域循環バスについて
(1) 経過と今後の計画
(2)住民周知並びに市民参加の方法
3.待機児童の解消に向けて
(1) 根本的解決に向けての市の方針
(2)地域の中での子育て支援策の可能性
4.(仮)男女共同参画センターの設置について
(1)今までの経過と今後の展望
(2) (仮)男女共同参画センターの機能と役割
【9番陣内泰子議員】 9番、陣内泰子です。発言通告に従いまして一般質問をさせていただきます。私、無所属一人会派、市民自治の会の陣内泰子です。私は今回初めて無所属市民派で立候補いたしまして、このような形で議席をいただくことができました。一年生議員です。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の基本姿勢は、党派に属さず、市民感覚に基づいて、だれもが安心して生き生き暮らせる八王子のまちづくりを市民自治に基づいて実践していきたい。それを達成していきたいということにあります。その中で忘れてならないことは、ひとりひとりの人権が保障されること、つまり、男性であるとか、女性であるとか、高齢者であるとか、また若い人であるとか、障害があるとかないとか、そのようなさまざまな属性、そのようなものによって差別されないことが前提です。しかし、残念なことにまだそうなっていない現実が多々あることを認識して、そのようなことの是正に取り組みながら、今回の選挙で掲げた政策公約に沿って一般質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、選挙制度についてです。私も当事者の一人として、今回、この選挙に大きな関心を持ってまいりました。今回の選挙の投票率はとても芳しくありませんでした。統一選挙全体を見ても、投票率は軒並み下がっています。八王子も同様で、前回の 50.75%から46.3%へと4%以上も下がってしまいました。過去最低という数値になっています。40万人以上の人口を擁する自治体では投票率は低くなりがちであるといわれていますが、一番身近な地方自治体の選挙で半数以上の人が投票に行かないということは、大きな問題です。その原因として、市政が遠いとか、関心が持てないとか、情報が少ない。さまざまな意見が聞かれていますが、その1つ、市政がなかなか市民ひとりひとりのものになっていないということが原因の1つとも考えられています。
 つまり、民意を代表するような選挙制度になっているのかどうか。また、休日や夜間などに関しての開かれる議会といったように、多くの人がアクセスできるような議会運営のあり方など、検討しなければならないことがたくさんありますし、私を初めとして議員のひとりひとりに課されている課題も役割も大きいと心する次第です。
 しかし、選挙制度の問題はここの問題ではありませんので、まず、市としてこの投票率をどう分析し、今後の反省とするかをお聞きしたいと思っています。そして、投票行動を促すような努力や事業について御説明いただきたいと思っています。つまり、投票率上昇に向けての努力、並びに投票しやすい環境整備をどのように実施していくかをお答えください。
 2番目の質問は、この3月から西部地区を走っています地域循環バスについてです。市民自治の促進、情報公開の観点から質問させていただきます。
 八王子市地域循環バス等検討委員会の報告を受け、市内に3コースの地域循環バス、はちバスが運行することが事業予定されています。そして平成15年3月より、交通空白地帯を中心にカバーし、高齢者や障害者等の外出を支援するとともに、一般の人も利用できるということを目的としたこの地域循環バスが西部地区を走っています。そして16年度までには、東部地区、東南部地区を中心にコースができる、運行が予定されているということになっています。
 このような身近な市民の足となる地域循環バスの運行の実現は、とてもうれしいことと思っておりますし、また、その実施に至るまで多くの困難があったかと思われますが、多くの方々の努力に本当に感謝、敬意を払う次第です。
 しかし、この地域循環バスの運行は、私の地区は東南部地区なんですが、残念なことに、まだ多くの市民に周知されていないように思っています。まず、私が初めてこの地域循環バスの運行について知ったのは、2月の市報だったと思いますが、バスの名称募集の記事を読んだときでした。この地域循環バスの運行の事業内容を知る前に、名称募集の記事を読むという、そのようなおかしなことがありました。そして、この地域循環バスの運行がどのような手順で事業化されていったのか。今までの経過の御説明をあわせてお願いいたします。
 そして、その中で市民参加のあり方、具体的な市民委員の構成など、人数などをお知らせいただきたいと思っております。全委員の中でどのような割合であるのか。また、その検討委員会の中でどのような意見が出されて、このような事業の実施へとつながっていったのかということもお願いいたします。
 そして、平成14年度の八王子市地域循環バス等調査概要版によれば、実際の導入に当たっては沿線住民の意向を具体的に把握するとともに、関係機関との調整を踏まえて、導入地域での具体的ルート、バス停の位置、運行本数、運賃設定など詳細を検討する必要があるとされています。このことから、西部地区での導入に当たって、どのように住民との話し合いや接触が持たれたのか。多くなりますが、あわせてお願いいたします。
 そのときの地域住民への周知方法、また時期などについても一緒にお願いします。
 というのも、具体的な運行コースやバス停の設置など、地域住民の利害の対立する問題を多々含んでいるこのような場合、市民間での合意をどう取りつけるかということが課題になってまいります。総論賛成、各論反対、あるいは各論になるとばらばらになってしまう。そのような状況を招きかねません。しかし、市民自治の推進から見てまいりますと、利害調整も市民の間の中で解決の方向を見出していけるようにしていくことが求められていると考えているからです。
 3番目の質問に移らせていただきます。保育園待機児童の問題、そして子育て支援についてです。女性へのサポート、地域での子育て支援の可能性、NPOとの協働といった観点から質問させていただきます。
 この問題は議会で再三取り上げられています。またかと思われるかもしれませんが、年度の初めとして、どのような状況になっているのか、認識しておく必要があります。八王子の保育園待機児童の数の多さについては、昨年、新聞報道にもあるように、都内では足立区に次いでワーストツー、そのような状況になっていました。行政としてもできる限りの対策として、新しい保育園の開園、改築による定員増や、弾力的な受け入れ増、そして臨時職員の配置など、努力していることは十分理解しています。その上でお聞きいたします。
 今年度当初における待機児童の数、そして年齢別、地域別の数字を教えてください。これらの子どもたちに対して、今年度中は何らの施策が行われる見通しはありません。転出などによる退園とか、定員の見直し、あるいは弾力的運用などによる受け入れの拡大を期待するしかない状況です。このような状況が続き、本当に年度末にはどれぐらいの待機児童の数になるのでしょうか。
 また、保育園の受け入れ先として、保育園以外に低年齢のお子さんを中心に、自宅で預かる家庭福祉員制度があります。現在、10名の方が携わっているとのお話です。この制度の評価をどのように考えていらっしゃいますか。なかなか家庭福祉員になってくださる方がいないという話を伺いました。しかし、子育てを終えた世代を中心の地域などでは、預かってもいい、次世代のサポートとして子どもの保育を担当したいなどといった声も聞かれます。まだまだ改善の余地があるかと思われますので、まず、この制度の現状と、その評価をお聞きします。この制度は地域の子育て支援の核になるのではないかと私は考えております。
 最後に、簡単に、仮称・男女共同参画センターの設置についてお伺いします。
 昨年8月の総務企画委員会で仮称・男女共同参画センター及び消費者センターの施設は、クリエイトホールと重なる部分が多く、八王子駅南口再開発ビルへの市民会館の整備に伴い、新たに整備することは適切でないと考え、クリエイトホールの有効活用及び市民の利便性を考慮してクリエイトホールの中での開設へと変更され、平成15年10月以降を予定していますという報告、並びに既存の婦人センターは女性の自立支援の機能をそのまま継承する形で、仮称・男女共同参画センターと統合、一本化させて、参画センターの開設に合わせて閉館するという報告がなされています。
 ずっと八王子駅南口再開発ビルの中に仮称・男女共同参画センターができるという答申がなされて、それが実現すると思っていたところ、このような変更の報告があり、クリエイトホールの中での設置ということになっています。このような報告に至るまでの今までの市の男女平等への取り組みと、そしてこの変更の過程について御説明いただきたいと思います。
 そして、これからのセンター開設の進め方、今後の展望もあわせてお伺いいたします。
 質問が羅列のような形になりましたけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

【小牧喬明選挙管理委員会事務局長】 2点、御質問をいただきました。まず、評価と反省点という意味でございますけれども、2つの選挙を投開票全体の事務、ミスも一つもなく終えたということが私どもとしては一つ成果というふうに考えております。
 あわせて投票率という関係のお話がありましたけれども、これはお話のように全国的にも低調で、各市でも前回を下回っているということで、当市だけの問題ではないというふうに考えております。私どもとしては、少なくとも歯どめ、できればアップしたいと選挙管理委員会としては考えております。
 それから、周知啓発のお話がありましたけれども、できるだけ投票に来ていただきたいということで、日常の選挙活動の周知もやっておりますけれども、選挙時におきましては、広報はちおうじの選挙特集号の発行、あるいは懸垂幕、横断幕の掲出、デパート、スーパー37店舗で店内放送をやるとか、ポスターの掲示、公共施設でのチラシの配布といったこともやっているほか、明るい選挙推進委員によります主要駅での駅頭啓発、あるいは今回は26地区でやっておりますけれども、街頭啓発をやっておりまして、考えられることはやらせていただいたと考えております。

【窪田和朗都市整備部長】 私の方からは、地域循環バスにつきまして御答弁申し上げます。
 まず、地域循環バスを運行するきっかけでございますけれども、このきっかけとしましては、あきる野市がこの循環バスというかコミュニティバスを運行してございました。あきる野市は東西に長いものですから、21キロ以上の距離を走っていたということを、(「何であきる野の話をしてるんだ」と呼ぶ者あり)それをきっかけに平成12年、市長の政策として13年度に向けて敬老金の振り替えということで、この循環バスの政策転換をしたところでございます。
 決定の経過でございますけれども、ルート選定につきましては、学識経験者や市民委員から成ります八王子市地域循環バス等検討委員会におきまして、3ルートを決定してございます。3ルートのうちの西ルートにつきましては、バス路線の空白地域を抽出しまして、さらに人口、地形状況、最寄り駅までの距離、バス停までの距離、それをそれぞれ点数評価した上で、高齢者、障害者へのヒアリングを通じ、利用者が病院や買い物、駅への接続等での利用が多いことから、このような施設を取り込んだ西ルートとしたところでございます。
 次に、委員会の構成でございますけれども、全員で20名の委員をお願いしてございました。そのうちの市民委員につきましては、経済団体、障害者団体、高齢者団体等の代表者、それから市民公募委員など計7名でございます。
 また、意見でございますけれども、料金体系。それから税金を投入するのなら利用者が見込まれる地域を選ぶ。ルートの変更をしてもいいのではないか。居住人口の少ない地域については新たな交通システムを考えるべきだというような委員会での意見が出されてございました。
 それから住民への周知でございますけれども、運行ルートを6地域に分けまして、それぞれ説明会を開催し、地域の皆さんに周知を図っております。
 それと、バス停の件につきましては、バス停に関係する地権者に直接伺って、了解を得ているところでございます。

【三宅壮三健康福祉部長】 待機児について幾つか御質問をいただきました。
 まず、平成15年4月の待機児の状況でございますが、前年度と比べまして49人増の 432人というふうになっておりまして、これは26市で町田市に次いで2番目というふうになっております。
 また、待機児童数を入園者数と比較した、いわゆる待機率でございますが、これは 5.0%、多摩26市中19番目というところにおります。
 次に待機児の年齢別ということでございますが、人数の多い順では、1歳児が 158名、2歳児が 129名、3歳児が78名、次にゼロ歳児が33名、4歳児24、5歳児が10人というふうになっております。
 また、地区別でございますが、本庁等、それから由木地域がそれぞれ96人と最も多く、石川地域が49人、横山地域と由井・北野地域がそれぞれ33人というふうになっております。
 次に、保育ママ、いわゆる家庭福祉員でございますが、御質問者がおっしゃられましたとおり、現在、10名の方にお願いしているところでございます。地域福祉計画においては13名までということで、増員の計画がありますけれども、その評価といたしましては、低年齢児への対応につきましては非常に有効な手段というふうには思っております。そういう関係の中では、広報を通じ、募集をしておりますが、なかなか思うような応募者がないというのも実態でございます。
 この家庭福祉員につきましては、江戸川区が非常に多くの方にお願いしておりまして、また、そういう中で、その状況などを含めた中で本市としても検討してまいりたいと思っております。

【小林昭代生涯学習部長】 男女共同参画への取り組み、参画センター設立への経過、展望についてお答えいたします。
 男女が共に生きるまち八王子プランに基づいて、男女平等施策につきましては着実に取り組みを進めてまいりました。センターの設立の経過は、御質問者からも御紹介がありましたように、昨年8月、総務企画委員会に報告いたしましたとおり、クリエイトホールの機能が十分生かせると判断し、既存施設活用により、早期開設を目指すこととしたものです。この参画センターは男女平等を基本としまして、市民との協働、利用者サービスの視点を持って、各種の事業を行ってまいりますけれども、開設に向けては関係団体や市民の声を反映できるように取り組んでいきたいと考えております。

【9番陣内泰子議員】 ありがとうございました。お答えいただきました。
 投票率のことなんですが、投票を促す努力がさまざまなされているということがわかりました。しかし、どうもそれらが実を結んでいない。特に若い世代、20歳代や30歳代の投票率をどう上げていくかということが今後の課題かとも思われます。できましたら、これは選挙管理委員会への質問ではないんですけれども、若い層への投票行動の促し、そして政治への関心の喚起を持つためにも、学生議会などを開催するといった積極的な働きかけを行っていっていただきたいと要望いたします。
 また、この中で気になることがあります。今回、4月に選挙が行われまして、それは東京都知事選と、27日に行われました市議会議員選挙の2つが、2週間の間隔をあけてあわただしく行われたわけです。そのとき、入場整理券が都知事選挙の告示の後、3月末、送られてきましたが、その選挙、それを持って都知事選に行ったときに、初めてわかったことがあります。この用紙は市議会議員選挙にも使うので、なくさないでくださいと言われて、持ち帰らされました。つまり、市議会議員選挙にはこういった入場整理券は郵送されてきませんでした。このことは、市議選において個別、ひとりひとりへの周知がなかったということになります。選挙の1ヵ月近くも前に郵送された整理券です。しかも、それは個人あてではなく、世帯あて、一括して送られてきました。  このような中で、幾つかのトラブルがありました。発生しています。知事選に行っていないので捨ててしまったとか、なくしたなどの声も聞かれています。経費節減ということでの判断かとも思われますが、同じような知事選と地方選挙を同時に実施している他の自治体で、このような話は聞いていません。まさに投票行為とは、議会制民主主義をとっている今日において、私たちひとりひとりの市民の権利です。しかも、知事選と地方議会の選挙とは全く違う選挙になっています。知事選については、当然、都の支出金が補てんされるべきところです。それを経費節減という側面を強調する余り、投票という市民の権利がないがしろにされたのではないでしょうか。
 また、世帯あてに有権者全員分が一括して送られてくることも問題です。投票するということは、ひとりひとりの権利です。つまり、市がひとりひとりの市民ときちんと向き合うという姿勢を示すことが、市民自治の意識を高め、市政や議会への関心を深めていくことになると考えています。周知方法に対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 そして、投票しやすい環境整備ということで、先ほど不在者投票について触れられていなかったので、ちょっとそれについて質問させていただきます。
 最近、多様な生活スタイル、働き方が進行する中で、不在者投票への期待が高まっています。今回も不在者投票所が4ヵ所から7ヵ所へと増設されたことで、有権者の利便が増加したと思われます。地区によっては不在者投票率が全投票率の20%近くを占めるというところもあったほどです。しかし、八王子駅前のクリエイトホールで不在者投票ができなかったこと、また、全部の事務所で不在者投票所が設置されなかったことについては疑問が残ります。駅前のクリエイトホールで不在者投票が行われていれば、その利便性から考えて、投票率の上昇はもう少し見込めたのではないでしょうか。また、若い層にもアピールできたと思われます。今後の検討をお願いいたします。
 そして、そのときに各投票所への車いすの設置が全会場になっていなかったということも、あわせて指摘させていただいて、バリアフリーの観点からの徹底をお願いしたいと思っております。
 さて、地域循環バスのことについても御答弁いただきました。いろいろな関係機関との検討の中で、まず西部地区、いろいろ問題はあるにしても、私自身は長い行程が地域循環バスの運行コースとして妥当なのかどうか、さまざまな意見があるとは思いますが、でも、そのような中でまず始まった。それは先ほども触れましたが、とても歓迎すべきことです。そして、そのような住民の声、これから東部地区、そしてこれからのコース検討に当たって、十分に利用状況を把握しながら今後のコース設定などに役立てていっていただければと思います。それにつきまして、今年度予定されている東部地区への導入の進め方。この西部地区への導入の反省や評価を踏まえて、どのように進めていくのか。もし、具体的なスケジュールが出ているようでしたら、あわせて教えていただければと思います。
 また、待機児童ゼロ作戦と言いつつも、毎年、同程度の待機児童、しかも今年度は増加をしているという状況になっています。これは女性の社会進出、また働く女性がふえてきていること、またこのような不況の折、働き始める女性がふえてきていることなどが原因とも考えられますが、そのような中で保育園の定数がふえても、待機児童の数は減らないというイタチごっこの状況になっています。しかも、待機児童の数が一番多い由木地区のある東南部、そしてみなみ野地区などでは、大型開発がまだ続いている状況です。開発についてはここでの質問と趣旨が違いますので、別の機会にさせていただきたいと思いますが、子育て世代の入居が予想されます。  そこで、待機児童の解消、それも根本的な解決方法をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。保育園をつくる、そして先ほど保育ママさんの制度についても、もう少し前向きに考えていきたい、そのような御発言もありましたが、そのようなことを含めて、全体的な根本的な解決、将来的な方針を具体的にお示しいただきたいと思っています。
 今、国会の審議の中では、少子化関連2法案としまして、少子化社会対策法案と、次世代育成支援対策推進法案が審議されています。少子化社会対策法案は、女性に子どもを産むことを強要しかねないと、女性たちの間から多くの反発を招いています。また、その実施のために具体的整備として、子どもを産み育てながら働き続けられる環境や、子どもを産み育てやすい社会を築くための具体案を盛り込んだのが、この次世代育成支援対策推進法案です。今、審議中ですけれども、国や自治体だけではなく、企業に対しても育児休業取得率の具体的な数値目標や、達成時期などを明記する行動計画の設定を義務づけるというような内容になっていますが、これも企業からの反発が出ています。
 そこで、少子化対策ということではなくて、待機児童、これだけ保育園に入れない子どもたちがいる。このようなニーズにこたえることが自治体の責務であるという立場から、先ほどの繰り返しになりますが、このような具体的な行動計画の策定を視野に入れながらのお考えをお願いいたします。
 そして、男女参画センターについてですが、御説明にありましたように、クリエイトホールの中での男女共同参画センターがつくられていくということ、それが実現の運びになったということは、本当にうれしいことと思っております。しかし、限られたスペースの中で、どのような機能と役割を持たせていくかということが重要です。今のままでは、先ほど市民の声を反映させていく、そのような御答弁がありましたけれども、私といたしましては、行政主導型の運営になっていかざるを得ないのではないかということを懸念しています。ここが交流の場ですとか、ここが会議室、だれでも使用できます、男性も参加できる男女平等を進めるイベントがあります、そのような形で事業をしていく。それがこのセンターの役割ではありません。このような事業を実施していくこと、それが先細りになってきているということは、多くのセンターが示していることです。
 そこで、センターで実施する事業をどんどんアウト・ソーシングしてほしい。そのような中で女性の就業の機会をサポートしていってほしい。機会均等を支援していくような役割を持たせていくためにも、まさに市民主導の運営で女性のエンパワーメントを図っていただきたいと要望します。  自由な情報交換の場であることも重要な機能の一つです。公設とはいえ、男女平等の視点からの運営が期待されます。その意味でも、今ある託児施設を拡大的に扱って、一時保育の機能を持たせていってほしいことも望んでおります。
 また、意識の啓発がまだまだ重要であるともいわれていますが、意識の変革とは、具体的な現場、男性と同じような仕事をして得られる対等な賃金が保障される仕事の場であったり、政策決定に参加できるような仕事の場、職場であったり、実際に男女がともに子育てをする場であったりというように、まさに意識を変えざるを得ないような、そのような現場をどれだけたくさんつくり出していくかということが必要と考えています。そして、そのような中でぶつかる女性への差別や、暴力へのサポートを個別的に対応していく。その相談機能の充実が求められています。
 今、男女平等参画に関する相談体制として、女性のための相談と、女性のためのカウンセリングが行われていますが、予約制をとっている中でも、相談需要の増加がうかがえると聞いております。ドメスティック・バイオレンスが大きな社会問題となり、また、その相談もふえているということです。被害者の視点に立った相談機能の充実と安全確保、自立支援といったトータルのサポートを、このセンターで実施していっていただきたい。そのような意味合いからも、センターでの就労支援は欠かせないと思っております。このようなことを踏まえまして、市としてはセンターをどう構想しているのかお伺いして、2回目の質問を終わらせていただきたいと思います。

【萩生田富司議長】 会議時間も長くなりましたので、暫時休憩します。
                              〔午前11時58分休憩〕
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                              〔午後1時00分再開〕
【市川潔史副議長】 休憩前に引き続き会議を開きます。
 第9番、陣内泰子議員の第2回目の質問に対する答弁を求めます。
 選挙管理委員会事務局長。
【小牧喬明選挙管理委員会事務局長】 3点御質問がありましたので、順次お答えいたします。
 まず、若年層に対する啓発ということだろうと思いますけれども、現在、投票所は81ヵ所ございます。この投票立会人に新有権者をできるだけ1名は選任するように努めているというのが1点でございます。
 それから、投開票事務の臨時職員としまして、市内在学・居住の大学生を対象に、1選挙 140名前後採用して、なるべく参加していただきたく、やっております。
 それから、2点目の入場整理券の関係でございますけれども、兼ねているということにつきましては、もう20年ぐらいの歴史がございますけれども、今回も広報の選挙特集号、あるいは入場整理券を入れた封筒にそれぞれ併用について記載しております。また投票所でも、お話がありましたように、説明させていただくよう、指導してきたところでございます。
 それから、御質問者の言われましたように、届いていないとか、処分してしまったがというような問い合わせがあったことは私どもは承知しておりますけれども、その問い合わせについては、全体から見ればごく一部だったというふうに考えております。
 それから、この入場整理券の印刷、郵送料の関係でございますけれども、今回 1,600万円ぐらいかかっておりまして、仮に別々とすれば、倍額の 3,200万円ということになります。したがいまして、この非常に厳しい財政状況下においては、選挙経費についても当然効率的執行を考えなければならないということで、ぜひとも御理解いただきたいと考えております。
 さらに、個々に出すべきではないかという御提案がございましたけれども、同様の観点から、やむを得ない処置というふうに考えております。
 最後に、不在者投票所の関係でございますけれども、不在者投票につきましては、従前から比べますと、かなり緩和されてきておりますけれども、手続、そういったものがありますので、一つには、私どもの方で投票所は各施設をお借りしております。したがいまして、その施設の機能を損なわないような投票スペースがまず必要だということ、それから、不在者投票システムのオンライン接続が可能な施設でなければならないということで、駅前事務所についても検討いたしましたけれども、その条件に当たるスペースの確保ができないという判断で、実施はできなかったところでございます。
 ただ、一昨日、改正されております公選法の関係で、期日前投票になるということで、具体的な説明をまだ東京都からも受けてございません。そういう中では、説明を受けた後に駅前も何とか開設できるような可能性があるのかどうか、シミュレーション、あるいは施設管理者との協議をしていきたい、そういうふうに考えております。

【窪田和朗都市整備部長】 私の方からは、循環バスにつきまして御答弁申し上げます。
 東部地域の今後の進め方でございますけれども、東部地域につきましては、3つのルートが委員会で示されております。現在、その3つのルートにつきまして、問題点の洗い出しをし、整理を行っているところでございます。その後でございますけれども、バス事業者の決定、車両の決定、警視庁協議、国土交通省との許可申請、停留所の地権者調整、地元説明会、それで運行開始ということになろうかと思います。
 運行開始につきましては、年度内、できるだけ早い時期に運行開始したいと考えております。  住民への周知でございますけれども、これにつきましては、できるところから委員会や広報を通じて周知を図っていきたいと考えております。

【三宅壮三健康福祉部長】 待機児の抜本的解決方法はということで御質問をいただきました。本年4月に新設園あるいは改築等によって本市でも 155名の定員増を図りました。しかし、反対に49名の待機児童が増加したということでございます。これは私どもの市だけではなく、他市町村でも同じ傾向にあるというふうに思っております。そういうことからしても、根本的解決は大変難しいというふうには思っております。
 そうした中で、国は今、待機児童ゼロ作戦、あるいは次世代育成支援対策、こういうものを検討されておりますので、それらを踏まえながら、本市としても実態を把握し、何ができるのか、そうした中で計画的に解決に向けて努力をしたいきたいと思っております。

【小林昭代生涯学習部長】 男女共同参画センターの構想というお尋ねでございますけれども、平成7年に策定しました当時の総合女性センター基本計画を踏まえて取り組みを進めます。その中でも託児や相談事業については、できる範囲で充実を図ってまいりたいと考えております。

【9番陣内泰子議員】 ありがとうございました。まず、選挙制度の周知の方法ですけれども、確かにかなりの予算、この予算の大きさの問題があるということは十分理解している次第です。しかし、市政の基本姿勢として個人ひとりひとりを対象としているということを考えるならば、予算がかかるということを超えた市の基本姿勢として個人を対象にした考えを示して、これから進めていっていただきたいと思っております。
 というのも、話は違いますが、昨年8月に送付されてきました住民基本台帳に基づく住民票コードについてのお知らせも、同じように世帯単位で一括送付されてまいりました。住民基本台帳ネットワークへの接続の是非についてはここでの議論ではありませんので、省略いたしますが、その周知方法が世帯単位である。これはやはり問題です。特に個人のプライバシー保護といった側面からいっても、見過ごすことができません。これは市の基本構想の一つでもある、ひとりひとりを大切にする市民自治を推進するといった立場とも相入れない対応と考えます。
 経費節減、費用対効果といった経営感覚も必要でしょうが、個人としてのひとりひとりの市政へのアクセスができるような環境を、もっと整えていただきたい。そのためにも個人を単位とした対応を強く要望いたします。  さて、地域循環バスの進め方について御説明いただきました。この中で、幾つかのルート、これがまだ今後の検討課題になっている。そして、地域住民、利害の対応するところには直接お話をしながら、御理解を求め、そして広く説明会等で周知していくというようなお話でありました。このように停留所を含めたルートのあらかたの確定ができた後に説明会が開かれている状況ですが、これではなかなか意見を述べる余地がありません。ホームページの記載なども、決まったことしか載っていないのが現状です。このように、決まったことを速やかに掲載するということは、情報提供の一つの側面ですが、もう一つ、これからの検討部分についてもできる範囲で公表していただきたい。そのようにして住民自治を推進していくためにも、情報の共有が必要だと考えております。
 東部地区への導入。これは北野街道を中心に長沼地区や片倉台地区への運行が計画されているということなのですが、先ほども申し上げましたように、地区住民の多くの方々への適切な情報が届いていないように思われています。長沼地区には、デイサービスを実施している高齢者介護支援センターもあり、また、かなり急な丘陵地帯に建ち並ぶ一戸建ての団地等もあります。高齢化率の高い地域でもあります。このような東部地区の進め方については、説明会の前にアンケート等で周知を図りながら、情報提供をするというのも一つの方法かとも思われます。どうか早目の情報提供を要望いたします。
 そして、ホームページの充実でカバーしていただきたいと思います。このホームページの充実に関しては、ホームページにアクセスしない、また、できない人々への不利益にならないような配慮も必要と思っております。
 また、実施以後の問題ですが、事業実施後の反響や要望、具体的には運行コースの変更や、運行回数などについての意見も積極的に集約して、事業評価と今後の検討に資していただきたいと思っております。
 コース沿線住民による検討会、実施後の検討会なども必要になってくるのではないでしょうか。
 最近読んだ本からの引用で失礼しますが、市民は欲しいものが何でも手に入れば満足するのではなく、何から何まで自分の思いどおりに物事を決めたいと思っているわけではない。自分の疑問を真剣に取り上げてもらったり、自分の意見を提供して議論に参加したり、行政の活動プロセスにかかわりが持てるということ自体に幸福感を見出しているというようなことが明らかにされているとの一文がありました。このことをぜひこれからの住民との接触の中で生かしていっていただければと思っております。
 また、地域循環バスのはちバスですが、八王子市が実施主体ですが、先日、高尾紅葉台自治会循環バスに乗ってみました。これは自治会運営の循環バスですが、多くの方に利用されています。とても和やかな雰囲気で、まさにコミュニティバスです。この導入については自治会の熱心な取り組みの中、行政にも相談しながら、関係諸機関と調整し、実施の運びになったと聞いております。これからはこのような自治会が会社と経営して運営主体になったり、これも先ほど介護タクシーのことについて、NPOでの運用ということが質問されていましたが、NPO運用のものなど、地域の仕事創出と絡めながらの交通運営形態も出てくるかと思われます。そのようなときには、どうぞ積極的な行政のサポートをお願いしたいと思っております。
 さて、待機児童の根本的解決は本当に難しい問題という形でお話がありました。また、ゆめおりプランの中でも、施設での支援として保育所等の計画的整備が掲げられています。そこで私は、これから新設される公共施設、特に学校建設や改築予定の学校の多目的利用が考えられないかと思っております。学校の開放については安全面での配慮が欠かせませんが、各学校への学童保育所が整備されていく中で、何とかあわせて保育スペースを確保していく、そのような考えで学校整備を考えられないものなのでしょうか。
 次世代育成支援対策推進法案の中でも、各種の子育て支援サービスの場として余裕教室等公共施設の余裕空間、関係施設等の活用の推進を挙げています。学校は地域の有効な資源です。このように地域に有効な社会資源の一つである学校、これを一つの目的だけではなく、多目的に活用していく試みが、今、幾つかの自治体で行われ始めています。高齢者を対象とした機能との併用、また保育スペースの学校内での確保といったように、柔軟な考えでの施設利用についての市長のお考えをお聞かせください。
 八王子はまだ新設学校の建設予定があります。新設学校建設や改築計画が具体化しているものが、現在、二、三校あります。でき上がってからの変更よりも、設計段階からの導入がより効果的であることは明らかです。もちろん、あわせて既存の余裕教室の地域への開放、保育スペースの確保や、給食設備を使ったシルバーレストランやデイサービスといった利用など、地域のニーズに合ったサービス提供拠点として位置づけていただきたい。  また、この次世代育成支援対策推進法案では、商店街の空き店舗を活用した子育て支援施設や、親子交流施設等の設置の推進も掲げています。まさに学校の余裕教室を初めとして地域の空き店舗等、場所の効率的運用によって、そこが地域の世代間交流の拠点になってゆき、地域の活性化とともに雇用の創出を生み出していく場になっていくと考えています。まさに、これが地域の再生ではないでしょうか。ぜひ、このような考えで市長の学校等公共施設の多面的な利用についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 また、NPOとの協働が市の大きな施策の柱になっています。今、市内にあるNPO団体は、2月現在で55団体です。介護や高齢者支援の事業が中心で、子育て支援部分が手薄になっているようにも見受けられます。NPOに対する認識を持って深めていくとともに、まだまだ掘り起しが必要です。今年度から市民企画事業に対して補助金を出していく事業が始まりました。その目的は、市民と行政が互いの特性を生かした公共サービスを提供する仕組みづくりとしています。そこで、ぜひ掘り起こしの一つとして子育て支援をするNPOに対する補助金、あるいは家賃補助という形でのサポートを行政がすることで、NPO運営の初期基盤整備を行うことができないものでしょうか。
 NPO運営では、資金繰り、場所の確保といったことが大きな障壁となっています。この6月から市民活動支援センターの運営が始まっています。ここでは一般的なNPO立ち上げのサポートを中心に行っていくというようにお聞きしております。そこで、一般的なサポートだけではなく、このように市の政策実現目的に沿ったNPO支援の必要を感じます。武蔵野市では、テンミリオン事業といって、 1,000万円の範囲の中で運営補助金をNPO法人に支出して、子育て支援、保育支援を行っています。こういう例もあるのです。  また、八王子市の施策の中で企業等に場所を提供するということも行われています。市でも家賃補助を行っているという事業はそう珍しいことではありません。首都圏情報産業特区・八王子モデル地区事業は、地区と業種を限定してオフィス賃料補助を行っています。5万円が限度となっています。IT事業の促進目的です。  また、中心市街地活性化のための場所の提供、つまり、低料金家賃など、この八王子でも現に行われているものです。
 このような考えを子育て支援にも取り入れていただきたい。こういったさまざまな事業との連携で行っていかなければ、まさに難しいこの待機児童の解決はできないと思っております。しかも、この問題は、保育園に入れる入れないといった問題だけではなく、また就業のいかんにかかわらず、地域の中で子育てを支援する仕組みをつくっていくことによってこそ解決していくものと思われます。
 もちろん、育児休業の完全実施や、男性の育休取得推進、ジョブ・シェアリングの普及などといった面からの整備ももちろん必要ですが、今回は地域の中での子育て支援の一つの試みとして、子育て支援に特化したNPOサポートをぜひ八王子で実施していただきたい。これについても市長のお考えをお聞かせください。  そして、少しずつながら進展していっている八王子市の男女平等施策ですが、市民と行政の協働としてセンター運営が始まり、男女共同参画宣言都市に恥じない総合的な施策が実施されることを期待し、先ほどの市長のお考えを伺って、私の一般質問を終わらせていただきます。

【黒須隆一市長】 9番、陣内泰子議員の質問にお答えをいたします。
 待機児の解消に向けて御質問をいただきました。先ほど担当部長から御答弁いたしましたけれども、本市は待機児の解消に向けましては最大限の努力をしていると私は思っております。ちなみに申し上げますと、平成12年度から14年度の3ヵ年間、5園の新園と9つの増改築及び定員増を実施いたし、そして 454人の定員増を図ったところでございます。現在は 8,598人の定員というふうになっております。現状は、率直に申し上げて保育園への入園希望者を、すなわち需要を掘り起こしている面があるんじゃないかと私は思っております。  参考までにちょっとお話をしますと、私はある園の入園式にお邪魔したときに、私に突っかかってきた保護者の方がいるんですよ。それはなぜかといいますと、理由はといいますと、同じく保護者の中で幼稚園へ入れようか、保育園へ入れようか迷ったんだけれども、保育園の方が楽なようだから保育園にしたという話し合いをしている人たちがいたんだそうです。実態は、現状から見ますと、少なからずこういう例はあるんじゃないかなというふうに私は感じておるところです、率直に申し上げて。ですから、根本的な解決方法というのは、現状では非常に難しい。制度が変わらなければ。ですから、市町村レベルの問題ではないんじゃないか、こういう感じもいたしておるところでございます。
 今、御提案がございましたけれども、新設の小学校、あるいは公共施設に保育所を併設したりとか、あるいはNPOによる子育て支援ということにつきましては、現在、国の方で、少子化の進行に対応するために次世代育成支援対策推進法案が審議されておることは御承知のとおりだと思います。この法案では、地方自治体や企業の事業主は、行動計画の策定をすることとなっておるわけでありまして、次世代を担う子どもたちが健やかに産まれ、育成される社会の形成を目的としているわけですけれども、この行動計画を策定する際の参考にさせていただきたい、このように思います。

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