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2008年度_第2回定例会(第4日目) 一般質問(2008.06.12) |
電磁波問題 新型インフルエンザ バイオディーゼル |
◎【10番陣内泰子議員】 市民自治の会の陣内泰子です。発言通告に基づき、一般質問を行います。 市民の健康を考えるとして、電磁波問題と新型インフルエンザを取り上げ、そして環境政策で取り組んでいるバイオディーゼル燃料についてお伺いしたいと思います。 まず、携帯電話については、きのうの一般質問でも少し取り上げられていました。有害情報から子どもを守るという視点でしたが、私は、健康面からの問題提起です。実は、私たちの身の回りにあるさまざまな家電製品、携帯電話などの電磁波が及ぼす健康上の影響についていろいろな調査が出され、不安の声が広がっていると言えます。また同時に、電磁波過敏症の方々の訴えも切実なものとなっています。本議会においても、これまでに家電製品や携帯電話などの電磁波の影響によるアレルギー疾患を指摘する声があり、また、小中学校のパソコン使用による電磁波の影響を心配して、1996年、1997年に議会での質問があり、順次、電磁波対策がとられているとのことです。 そんな折、昨年2007年6月、世界保健機関であるWHOが、家庭用電化製品や高圧送電線が出す極低周波電磁波の人体影響についての報告をまとめ、発表いたしました。世界の英知を集め、10年かけて研究調査したもので、東京新聞を初め各新聞は、「小児白血病との関連否定できぬ」、「電磁波対策で法整備を」と大きく報道し、取り組みの遅い日本での着手のきっかけになるのではと期待が持たれました。 WHOは具体的な規制値こそ示さなかったのですが、常時平均0.3マイクロテスラから0.4マイクロテスラ以上の電磁波にさらされていると、小児白血病の発症率が2倍になるとの研究成果を支持し、予防的な対策が必要だと結論づけています。日本では今のところ、法的規制はなく、50ヘルツの場合、100マイクロテスラという国際ガイドラインの規制値を使っています。規制値というのは、それ以下が安全というものではなく、現段階での限界危険値と言えます。 東京電力のホームページによると、送電線下の電磁波の値は最大で8.2マイクロテスラ、平均で2マイクロテスラと公表しています。規制値を下回っているとはいえ、WHOが支持した疫学調査の値をはるかに上回っているのが現状です。 電磁波と小児白血病との関連については、この因果関係は早くから指摘され、1990年代後半においてオランダやスウェーデン、イタリアなど、高圧線の下100メートルの範囲などと限定して、学校や保育園、住宅などの規制を行い、子どもが常時電磁波の被曝を受けないよう対策がなされています。 また、WHOの正式下部組織である国際がん研究機関が、2001年、極低周波磁場が人に対して発がんの可能性ありという、2Bという分類を全会一致で決めました。2Bというカテゴリーにはクロロホルムや鉛、DDTなどが対象となっています。 そこでお伺いいたしますが、市として、今回のWHOの勧告、特に予防策について、どのように受けとめているのか、御認識をお示しください。つまり、常時電磁波を浴びる危険性の低減に向けた予防的措置や子どもへの配慮の必要性、市民へのわかりやすい情報提供などの必要性などについてのお考えをお示しいただきたいと思います。 次に、電子レンジや携帯電話などの高周波電磁波についてです。特に携帯電話の場合、頭の近くで使うということの問題と同時に、電波が通じるためには中継基地を建てなければなりません。携帯電話の普及、そして、第3世代携帯電話のように機能をアップさせたものが普及している今、中継基地が至るところに建てられています。これを見てください。このような形で、ちょっと見回すと、私たちの周りにはたくさんの中継基地が建てられています。なかなか気がつかないところではあります。 そして、このような中継基地の設置をめぐって、全国で住民との間でトラブル、また、紛争が多数起こっているのです。昨年7月、日本共産党の国会議員の質問に答えて、政府は、周辺住民と業者との話し合いがスムーズにいっていないケースについては、2006年10月現在で40件、また、基地局建設に伴う電磁界による健康障害もしくは景観等の理由で訴訟及び調停申し立てがあった件数、係争中のものが2007年7月現在で9件と答えています。政府が把握しているだけでこの数字ですから、表に出てきてないものを入れると、かなりの数字になることが予想できます。市民団体は、200件にも及ぶトラブルが起こっていると報告しています。 訴えの多くは電磁波の人体への影響を心配してのもので、最近、鉄塔が撤去された兵庫県川西市の場合は、住民の方々は、頭痛、耳鳴り、不眠などの健康障害を訴えています。八王子においても、14年も前の話ですが、住宅地に40メートルの基地局を建てる計画が起こり、倒壊の危険、景観悪化、電磁波の心配などの理由で周辺住民が反対。工事がストップしたということがありました。 実は、私が住む住宅地並びにその近隣でこういった中継基地をめぐる問題が、昨年からことしにかけて数件起こっています。1つは、通信会社が基地局を設置することを知り、近隣の住民が勉強会を開き、電磁波の安全性に疑問を持ち、業者と話し合い、土地を貸す予定になっていた地主の方が、貸さないという判断をしたことによって建設がストップしたケース。もう一つは、住民に周知することなく、既にある中継基地の増設工事を行い、住民からの申し出でやっと説明会が開催され、現在まだ結論が出ていないケース。またもう一件は、駐車場に15メートルの基地局アンテナが設置され、アンテナの2倍の30メートル範囲には住宅はないとのことで、住民への周知はなく、また、倒れても問題ないとされているものがありました。 先日、ある通信会社に行ったところ、多摩地区のアンテナ2倍、エリア拡大、ますます充実、このようなPRが出ております。つまり、通信会社にしてみるならば、たくさんの基地をつくり、電波環境をよくすることでさまざまな高機能のサービスを使えるようにすることを売りにしているわけです。しかし、PRにはもちろん電磁波の人体影響など、1つも出ていません。 そこでお尋ねいたします。八王子では、こういった中継基地を建設する場合、どういった規制というか、手続が必要になってくるのでしょうか。また、設置に当たっての指導としてはどのようなことが行われているのでしょうか。また、もう一点、中継基地の設置に伴う健康障害の相談や訴えなど、市に寄せられているのでしょうか。もしあれば、具体的に内容と対応を含め、お示しいただきたいと思います。その場合、窓口は保健所なのか、環境保全課なのか、また景観という観点から言うならば、まちづくりの部署なのか、市役所のどこへ訴えたらいいのでしょうか。 携帯基地局の問題は、使わない人も含めて、365日24時間、低レベルとはいえ、電磁波の暴露にさらされているということです。しかも、通信会社は1つではありません。それぞれの会社がそれぞれのやり方でいろいろなところに設置していますし、その情報を私たちは知ることができません。電磁波過敏症の方は、家の中では電磁波発生源を身近に持たない。また、シールドしてある程度の防御をするなどの対策をしておられるのですが、中継基地のそばに行かれない、外に出ると体調が悪くなる、そのような訴えもなされているところです。また、ペースメーカーを入れている方からも、身近な電気機器からは自分で防御して身を守ることができても、外の無秩序な電波環境には大変大きな不安を抱いておられるところです。 次に、新型インフルエンザについてです。 5月24日の日本経済新聞は、「新型インフルエンザワクチン全国民に用意、事前接種拡大、経済界要請へ」、といった記事を1面で報じています。この記事は、鳥インフルエンザのウイルスが変異して人に感染する新型インフルエンザの流行を危惧し、経団連がその対策を国に求めたことを伝えています。近年、アジアを中心として、SARSを初めとした新たな感染症が流行し、また、鳥インフルエンザからの人感染も報告されており、世界保健機関は新型インフルエンザの出現可能性がかつてないほど極めて高くなっていると警告しています。この新型インフルエンザは、一たび出現すると、人類は免疫を持っていないことから、世界規模での大流行が不可避であるとされています。このことから、世界各国、ワクチンの備蓄を初めとした対策に乗り出しているところであり、日本も同様です。 日本の現在のワクチン備蓄は2,000万人分であり、また、タミフルなどの治療薬の備蓄は2,500万人分とされています。しかし、感染症対策は、ワクチン備蓄だけで済む問題でないのは当然です。広域対策であることから、まず一義的に国、都道府県での対応が求められており、東京都も2005年12月にはこの新型インフルエンザの行動計画を立てたところです。しかし、一たび新型インフルエンザが流行の兆しを見せるならば、かかったかもしれないとの懸念を抱く市民は、まず身近な医療機関に押し寄せ、市の窓口に問い合わせをすることは目に見えています。東京都の行動計画では、都民の罹患割合30%、患者数約378万人という想像もできないような数が示されています。市内の医療機関がパニックになることは目に見えています。 そこでお尋ねいたしますが、保健所政令都市として56万人の市民の命と健康を守るために、この新型インフルエンザに対して現在どのような準備が進められているのか、お示しください。 また、こういった準備を進めるに当たって、市民にとって一番身近な自治体がまずやらなければならないこと、それは何なのかもあわせてお示しいただきたいと思います。 バイオディーゼル燃料についてです。 「循環型都市八王子プラン─ごみゼロ社会への挑戦─」がつくられて1年がたちます。たくさんの市民、企業、行政の御協力、御参加があった先週の日曜日の環境フェスティバルでもわかるように、今八王子にとってこの計画を着実に実行していくことが大きな課題であり、また、市民の大きな期待でもあります。そして、その大きな柱は、私は生ごみの資源化と廃プラスチックの発生抑制であると思っているのですが、なかなか具体的なシステム構築には至っていないところです。しかし、その一方で、ごみ有料化の中で、市民の中に分別とリサイクルの意識はかなり浸透してきていると思われます。そこで、今回は、新たな取り組みとして実験が始まったこの廃食油の資源化についての質問です。 この事業が始まったのは3月からです。小学校10校からの廃食油を集め、市で購入した処理機でBDF、つまり、バイオディーゼル燃料にして清掃車2台で使っているとのことです。軽油にかえて100%BDFで走っているということです。 そこでお尋ねいたしますが、実際にBDFを使っての清掃車の運行状況は、現時点、どのようになっているのでしょうか。油の詰まりとか、何かのトラブル等、発生しないで順調に回って、走行できているのでしょうか。お伺いします。 ここに来て、ガソリンが大変高くなり、また、地球温暖化防止のための環境サミットが開かれるということからも、CO2を排出しないBDFの利用は大変タイムリーな取り組みであると思うのですが、いつぐらいまでを実験と位置づけているのでしょうか。なるべく早い時期に実用化すべきと考えますが、実験経過と今後の見通しをお示しください。 また、プランには実用化が可能な条件を整理した上で実用化に向けて検討すると記されています。この実用化とは、BDFの実用化のことなのか。それとも、廃食油の資源化のことなのか。プランには明確に書かれていません。どのように理解したらいいのでしょうか。つまり、このモデル事業の目的は一体何なのか、お答えいただきたいと思います。 また、こういった新しい事業に取り組んだことによる反響や副次的な効果について、得られた成果としてどんなことがあったかもお答えいただきたいと思います。 これで1回目の質問を終わります。 ◎【高木順一議長】 保健担当部長。 ◎【早川和男保健担当部長】 電磁波に関するWHOの勧告、特に予防的対策をどのように受けとめているかの御質問にお答えいたします。 WHOでは、白血病と電磁波との関係を示すデータはあるものの、電磁波が健康に及ぼすはっきりとした証拠は認められないとしています。したがって、暴露低減による健康上の利益があるかどうか不明であるとしています。 予防的対策につきましては、白血病発症のリスクをより低いものにしたいという意図があるというふうに考えておりますが、予防的対策については強制されるものではなく、先ほどのWHOの見解を参考にして各自治体が対策をとるかとらないかを含めて、判断してよいものというふうに考えております。 次に、電磁波の健康被害に関する御相談についてですけれども、保健所にそのたぐいの相談は数件寄せられております。内容としては、ほとんどが健康に対する影響についてでございます。現段階では健康に対する大きな影響はないと考えているというふうにお答えしております。 次に、電磁波に関する相談窓口についてでございますけれども、施設の建設許可にすることは建築指導課、健康に関することは保健所、環境に関することは環境保全課、景観に関することは都市計画室になります。 次に、新型インフルエンザで、市としてやらなくてはならないことと取り組み状況についてでございますけれども、市の役割としては、市民の方に正しい知識を持っていただくこと、そして、万が一かかってしまった場合にはスムーズに医療が受けられるようにすることではないかというふうに考えております。取り組み状況につきましては、平成18年1月に庁内に新型インフルエンザ対策会議を設置し、基本的な行動計画を策定いたしました。本年1月には事務局を保健所に移しまして、国や東京都の行動計画の見直し等も勘案しながら、より具体的な行動計画となるよう、計画の見直しを進めてまいります。 ◎【高木順一議長】 まちなみ整備部長。 ◎【山田政文まちなみ整備部長】 携帯電話の中継基地に関する御質問にお答えいたします。 まず、中継基地建設の手続についての御質問ですが、高さ15メートルを超える鉄塔等を建設する場合には、建築基準法に基づく工作物の確認申請が必要となります。 次に、どのような指導を行っているかでございますが、確認申請では、要求される構造耐力を有しているのか審査を行い、建築基準法に適合したものとなるよう指導しております。 ◎【高木順一議長】 清掃事業担当部長。 ◎【高木順一議長】 第10番、陣内泰子議員。 ◎【10番陣内泰子議員】それでは、2回目の質問を行います。 さまざま御答弁をいただきました。 まず、電磁波についてです。国は、WHOの勧告を受けて、どういった対応をするのか、まだはっきりはしていません。予防的措置をとる考えがないことは、ことし1月の経済産業省のワーキンググループの報告で示されています。そのために、今、国に対して電磁波から健康を守るための予防策を求めて100万人署名が市民の間で行われています。慢性影響に関する記述では、WHOの環境保健基準では、証拠は因果関係ありとするには十分強固ではないものの、懸念を抱き続けるには十分強固であると書かれています。つまり、クロでもシロでもない、クロの可能性が十分ある、灰色ということで、だからこそ予防的措置をとる必要があると言っているのですから、この点を市も十分配慮して、どう判断するか、それが問われていると思います。 1999年から2年かけて国が国立衛生研究所を中心に8つの大学の協力で行った大規模な疫学調査があり、今回のWHOの勧告が参考支持しているものです。つまり、日本でも電磁波の慢性影響について、小児白血病の発症が2倍以上になるという、そういう研究があったのです。しかしながら、この研究、2003年、文部科学省自身がこの研究を支持、指導していたはずなのに、また、ホームページでその結果をも公表していながら、その結果を評価Cとし、継続的な研究延長を打ち切ってしまったのです。このことを国会で問題にした民主党の議員は、電磁波について限りなくクロに近い結論が出た以上、本格的対策に乗り出す時期だと、もう既にこの時期で訴えているわけです。しかしながら、そのまま放置されています。日本が電磁波対策に大変消極的であることがうかがえるわけです。 そこで、市ができることとして、八王子で高圧線のそばに学校や保育園といった子どもが常時居住する場所があるのかどうかの調査、そしてもしあるとするならば、こういった施設での電磁波影響調査や測定などの実態調査や低減への対策、また、新たに保育園などの子ども施設をつくる場合、電磁波の影響から遠ざけるよう指導するなどの必要性があると考えるのですが、御所見をお伺いいたします。 高圧線から離れることが低減化への低コスト予防策とも言えるので、そのためにも高圧線と子ども施設との関係がどうなっているかをきちんと抑えておくことが重要と考えます。 携帯電話の中継基地についてです。 15メートル以上の工作物であれば、建築確認が必要とのことでした。そしてまた、指導に関しては、基本的には構造上の問題、倒壊の危険、それの指導がなされているということですが、ぜひ住民周知、このような建築物をつくるということに関し、住民周知のことも窓口で指導していただきたいと思います。また、15メートル以下ならば、建築確認の必要がないわけで、これは周辺住民にとっても、どこに鉄塔が建てられるのか、建った後でなければわからない、そんな状況が起こってきてしまいます。 そして、集合住宅の建設指導要綱などで決められるマンション等を建てる場合の近隣住民への周知ということがありますが、その場合も自治会や町会に連絡をし、そこで終わりというケースもあり、周辺住民への周知が、今のような状況では十分図られない状況であると言えます。国立市は、こういった状況、また、紛争を事前に、また未然に防ぐために、開発指導要綱の中で、中継基地局設置に関する一文を入れ、周辺住民への説明会等の実施やその報告を求めています。また、盛岡市は住環境保全条例で、中継基地建設に当たって、第一種低層住居専用地域を避けるように努めなければならない。また、住民への説明と市への報告なども条例に盛り込んでいるわけです。自治体でこういった要綱を持つところ、また、条例を持つところがふえてきています。 そこでお尋ねいたしますが、今住民と通信基地局建設のトラブルをできるだけ未然に防ぐためにも、開発に関する要綱等で周辺住民への周知や説明会の義務、住民との合意の必要性などを盛り込んだものをぜひ加えていただきたい、そのように考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いします。 電磁波の安全性についての議論をしても、なかなか決着がつきません。しかし、住民は自分の暮らす環境に変化が生じた場合、何が起こったのか知る権利を有し、また、健康で安全に暮らすことが阻害されないよう守られなければなりません。また、八王子の集合住宅等建築指導要綱で決められている近隣住民への周知といった場合に、建築物の高さの2倍の距離範囲が周知範囲になっています。しかしながら、携帯電話基地局の場合には、総務省の資料にもあるように、基地局から200メートルから300メートルあたりのところが電力密度が一番高く、影響も大きくなっているということが言われています。国立市はこういった携帯電波の特性に配慮し、説明の範囲を電波の届く範囲、およそ200メートルから300メートルの範囲の住民というように解釈して運用していると聞いております。ぜひ八王子でもこういった配慮を含めて御検討いただきたい。その点もあわせて御答弁いただきたいと思います。 携帯基地から出るマイクロ波の規制に関しては国際ガイドラインがあるんですが、日本の基準は、このガイドラインを上回っています。2002年以降、携帯電話電磁波の健康影響に関する研究が急増し、最近の研究成果を参考に規制値を低く抑えている国がたくさんあります。日本の規制値はロシアの300倍、中国の約100倍、オーストリアのザルツブルク州と比べると10万倍、そのような値になっています。総務省並びに通信会社は、規制値以内だから大丈夫と説明いたします。しかし、それでは最近、大きく報道されました兵庫県川西市の中継基地周辺住民の健康障害についての合理的説明にはなっていません。中継基地からの電磁波が原因と思われる耳鳴りや頭痛、疲れ、目の痛み、そういった健康障害を訴え、議会も後押しをして、鉄塔撤去に至ったのが昨年の川西市の事例でした。 来年にはWHOが高周波に関する環境保健基準を出すと言われています。どのような報告がなされるのかは定かではありませんが、基地局周辺の住民の健康不安、あるいは景観上の問題などを配慮して基地局建設、改変などに当たっての合理的規制、並びに住民周知、合意形成に努力していただきたいと思います。 また、電磁波過敏症の方がふえているとのことです。電磁波による健康障害として挙げられるのは、頭痛、疲労、めまい、動悸、不眠症、手足のしびれ、皮膚のぴりぴり感などがあります。その多くは不定愁訴などとの区別がつきにくく、また、女性の場合は更年期障害と言われたりもします。十分な社会的理解がまだ得られているには至っていないからこそ、市として相談窓口を設けることが必要と考えておりますが、いかがでしょうか。 健康被害の相談も来ているとのことです。問題ないとするのではなく、周囲の状況がどうなのか、測定器を貸し出して値をはかってみるなど、市民の訴えに向き合っていただきたいと思います。つまり、電磁波一般の相談窓口として機能できないものかと考えております。環境と健康に関する苦情や実情を集積し、市として関連部署を横断的に協力しながら、先ほどさまざまな部署が、この電磁波に対応すると話がありましたが、そういった関連部署が横断的に協力しながら、解決の道筋をつけていく、その窓口が必要です。 福岡市では、電磁波に関する一般苦情窓口を設置いたしました。また、延岡市でも、昨年、電磁波による健康不安を訴える住民を対象に健康の調査が実施されたとのことです。このような形で各自治体、さまざまな対応が少しずつ行われて来ている。それが現状と言えます。 そしてまた、市民の健康に資する情報として、どこにこういった電波塔が設置されるのか。また、そこからどのような電力が出力されているのか、そういった情報など、きちんと携帯会社などから得て、市民に市が公開していく。そういった取り組みも今後必要かと思います。御検討していただきたいと思いますが、御意見をお伺いしたいと思います。 インフルエンザについてです。医療機関の受け入れ体制などの調整があると思います。行動計画の見直しも含め、速やかに作成していただきたいと思います。 先日、新型インフルエンザ対策を早いうちから準備を進めてきている品川保健所にお話を伺ってきました。2005年に庁内検討委員会を立ち上げ、行動計画は2006年3月に策定しています。昨年には発熱センターの設営実地訓練も行っています。そして、実際にやってみることによって改めて気がつくことも多かったというお話です。そうだと思います。周りへの二次感染を防ぎながら、多くの人を適切に診断し、振り分けていくことが求められているわけです。そしてまた、自治体の役割はいかに感染を広げないか。最小限に抑える。それが一番住民に密着した自治体の役割、それを強調されていました。 そこで、都の行動計画によれば、発熱センターの設営は市町村の役割とされていますので、八王子においてもなるべく早い時期にこういった行動計画に基づき、発熱センターの実地訓練を準備していただきたいと思います。このような準備の必要を踏まえ、どのような順番で、どのようなスケジュールで行っていくのかも、できたら具体的にお示しいただきたいと思います。 設営テントが既に配付されているとのことですが、昨日の防災訓練の質問にもあったように、実際に訓練することによって問題点がわかるのですから、このインフルエンザ対策も同様です。 また、行動計画や発熱センターといった自治体としての準備、医療機関への協力要請などの準備が整ってからと思うのですが、市民への対応、市民としてどういった行動が望まれるのかという啓発や情報提供、それについてどのように考えているのか、時期もお示しいただきたいと思います。先ほど自治体の役割、それには市民に適切な正しい知識を持っていただく、それが自治体として行う役割ということを御答弁いただきました。それに向けてどのような準備がなされているか、ぜひお伺いしたいと思います。 不要に不安を増長することは慎まなければならないでしょうが、市がどういった準備をしているのか、そういったことをきちんと市民に知らせていくことはとても重要です。ことし1月、NHKで新型インフルエンザのことが放映されたこともあり、市民から不安の声も上がっています。人類が免疫を持たないという新型インフルエンザに直面したときに、慌てずにどう対処すればいいのか。また、瞬く間に伝播するとシミュレーションされている大流行、つまり、パンデミックへの個人レベルでできる準備などの知識をどうやって啓発していくのか。まさに自治体の役目です。 その1つの方法として行動計画が策定された折には、PRを含め、講演会や積極的な出前講座などを組んでいく必要があると考えますが、この点も含めて、啓発についての御答弁をお願いしたいと思います。 次に、バイオディーゼルについてです。 1つ答弁漏れがありました。先ほどこの事業の目的についてどのように考えているのか、お伺いしたわけですが、ぜひそれをお答えいただきたいと思います。 先日、廃食油を回収し、そのリサイクルに取り組んでいる企業に見学に行ってまいりました。その企業では、大変大きなBDFをつくる機械を持ち、精製し、自社のトラックの燃料にしております。また、自治体と契約し、家庭用の使用済み廃食油を自治体が回収し、それを有価で引き取り、BDFを販売する、こんな方法もやっているわけです。まさに企業と自治体が協働し、役割分担の中で、循環型社会の構築を進めていると言えます。廃食油の資源化、BDF利用といっても、いろいろな方法があると思って帰ってきました。 八王子の取り組みの経過として、今順調に進んでいる、そして、使用できる車種を含め、拡大も図っていきたい、そのような御答弁がありました。そこで、私は、この事業の目的はBDFを拡大して使っていく、それが目的なのか、それとも、家庭から出る食用油、今捨てられている廃食油、ごみの減量ということで、廃食油を使って、これをリサイクルすること、それが目的なのか、それによってモデル事業も大きく異なってくるのではないかと思っています。そういう意味で、BDFを広げていくのが目的なのか、廃食油のリサイクルが目的なのか、そこを明確にお答えいただきたいと思います。 これで2回目の質問を終わります。 ◎【高木順一議長】 会議時間も長くなりましたので、暫時休憩します。 ◎【小林信夫副議長】 休憩前に引き続き会議を開きます。 第10番、陣内泰子議員の第2回目の質問に対する答弁を求めます。環境部長。 ◎【穴井誠二環境部長】 電磁波に関する御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、高圧線に関する実態調査等についてですが、WHO勧告において、低レベルの長期的影響については、健康に影響を及ぼすという明確な証拠は認められないこと、あるいは専門機関が提唱する国際ガイドライン値を尊重すべきであり、予防的方策としてこれを任意レベルに下げることは推奨されないとの見解が示されております。したがいまして、高圧線下の電磁波のレベルが国際ガイドライン値よりもはるかに下回っている状況の中では、今回、御提案いただきました高圧線そばに学校、保育園等があるかの調査や、電磁波の測定、低減への対策、中継基地建設場所等の情報の公表などについては、現時点で実施する考えはございません。 次に、総合相談窓口の設置や電磁波測定器の常備についてですが、国等の専門機関の相談窓口が開設されており、また、東京電力や中継基地等の設置事業者による電磁波の測定体制も整備されていることなどから、現在の体制で対応が可能と考えております。 ◎【小林信夫副議長】 保健担当部長。 ◎【早川和男保健担当部長】 新型インフルエンザ行動計画の策定及びそのスケジュールについてでございますけれども、先ほど報告させていただきました新型インフルエンザ対策会議の中でより詳細で具体的な行動計画について検討していきたいというふうに考えております。時期につきましてはできるだけ早く策定できるよう努力していきたいというふうに思います。実地訓練や発熱センターにつきましてもこの中で考えていくことになるというふうに思います。 次に、市民の皆様への啓発、周知についてでございますけれども、これらは市民の方々がおのずから予防を行ったり、パニックを起こさないために非常に大切であるというふうに考えております。周知につきましては、市広報やホームページを活用しながら、適切な情報提供に努めてまいります。また、今後、広報特集号の発行についても検討してまいります。なお、出前講座の中に入れるというのは非常によいアイデアだというふうに思いますので、今後検討してみたいというふうに思います。 ◎【小林信夫副議長】 まちなみ整備部長。 ◎【山田政文まちなみ整備部長】 中継基地局の建設に関してお答えいたします。 住民への周知等を開発指導要綱等に盛り込む必要があるのではという御質問ですが、八王子市集合住宅等建築指導要綱では、10メートルを超える建築物を建設する場合には、日影等の問題が生じるため、近隣住民への周知を行うこととしております。しかしながら、鉄塔等工作物の建設については電磁波による健康への影響が判明していないことや、景観に関する明確な規定もないことなどから、近隣住民への影響範囲も含めて、現段階で要綱を見直したり、新たに盛り込むといった状況にないものと考えております。 ◎【小林信夫副議長】 清掃事業担当部長。 ◎【榎本茂保清掃事業担当部長】 それでは、バイオディーゼル燃料について御答弁申し上げます。 目的でございますが、先ほど御答弁いたしましたとおり、資源の有効活用と市民の環境意識の向上を図るとともに、地球温暖化CO2削減に貢献するものです。 また、家庭から出ます廃油でございますが、現在使用しておりますバイオディーゼル燃料は米の廃油だけを使用し、品質の均質性を持たせております。家庭から出る油につきましては、種類や状態が多様であることや、回収方法など課題はありますが、今後事業を展開していく中で検討はしていきたいと考えております。 ◎【小林信夫副議長】 第10番、陣内泰子議員。 ◎【10番陣内泰子議員】なかなか厳しい御答弁でした。まさに何か事が起こらなければ、対策が進まない、そういうことを痛感するわけです。開発指導の窓口では、今電磁波の影響に対して明確な根拠がないということで、指導の範囲や徹底については現状を変える必要がないというお答えでありましたが、今現に紛争が起こっている、トラブルがこのように、先ほど示したように起こっていることを考えるならば、せめて窓口での対応、住民への周知を徹底するよう、その指導をぜひやっていただきたいと思います。 また、環境保全に関しても、今WHOが明確な因果関係がない、影響がないというふうに認めていると言って、低レベルの、任意にレベルを下げてはならないみたいな、そのような御答弁でありました。しかしながら、決してWHOはそういうことを言っておりません。今回の報告、環境保健基準、WHOのファクトシート、その間に大きな見解の相違があるということもしっかり認識いただき、WHOが予防原則をとるようにと言っていること、またそれが世界の国際の大きな流れであるということをしっかりと踏まえて、国の情報提供だけではなく、独自にさまざまなデータを収集して、研究していただき、また、住民からの測定の要望がある場合などには、きちんと対応していただきたいと要望いたします。 欧米では、電磁波はまさに21世紀の公害と呼ばれるほど住民、行政ともに高い関心が持たれています。16歳未満の若者は携帯電話をなるべく使用しないようにとの指導をしているのがフランス、オーストリラア、ロシアなどで、イギリスでは8歳未満の子どもの使用に対しても注意を喚起しています。私たちの毎日の生活は電気の恩恵を受け、そして、携帯電話はこの5年ぐらいの間にまさにその便利さからあっという間に普及してきています。しかし、長期間使用することによる遺伝子レベルでの影響についてはまだまだ未解明であるわけです。わかっているのは、電磁波過敏症で苦しむ方がいらっしゃり、また、この方々はいち早く危険を察知する現代のカナリアとも呼ばれているということです。 そこで、市長にお伺いいたします。予防原則という考えがヨーロッパなどでは環境問題を考える上での主流的な考えになっています。日本の国自体がそういった方向性をとれればいいのですが、今のところまだまだ治療原則の考えで、被害が出たら対処するという域を出ていません。そこで、自治体の長として、市民の健康を守るために、電磁波対策だけではなく、広く環境と健康に配慮した施策を実施する上で、こういった予防原則にのっとった展開を図っていただきたいと願うものですが、市長のお考えをお伺いしたいと思います。 インフルエンザについてです。 ぜひできるだけ早い速やかな行動計画並びに訓練等、また、市民への周知、よろしくお願いしたいと思います。鳥インフルエンザから人への感染の今までの例を見ると、幼児や若者の罹患が多いと言われています。八王子は大学も多く、学生がたくさん居住しています。特に若者は行動範囲が広く、感染する、感染させる、ともに可能性が高いのではないでしょうか。しかも、行政のPRなどが届きにくいわけですから、こういった若者への対応が特に必要であると考えます。大学の保健センターなどと協力して情報提供の徹底を図っていただきたいと思います。 次に、バイオディーゼルについてです。 目的に関しては、資源を有効活用、そのように確認されました。そしてまた、家庭の廃食油のBDF化については拡大していくということの御答弁でありました。そういう意味では、ぜひ家庭用廃食油をどう集めていくか、どう資源化していくのか、その施策を速やかに徹底していただきたいと思います。 また、生ごみの資源化、廃食油の資源化、剪定枝の資源化、今、さまざまな新しい事業が行われていますが、手法が違います。そこで、私は、今のBDF化の事業、大変高く評価するものでありますので、ぜひBDF化の手法、いろいろな手法があります。そして、ぜひ家庭の廃食油の回収ルートの検討に積極的に取り組んで、速やかな拡大並びに普及徹底を要望して、今回の質問を終わりたいと思います。 ◎【小林信夫副議長】 黒須市長。 ◎【黒須隆一市長】 第10番、陣内泰子議員の質問にお答えいたします。 電磁波対策という大変難しい質問をいただきました。これは今携帯電話だけでも国内で1億台を超えているというふうに言われていますね。常時電波が交錯しているわけです。海外に行って、こんなに小さな携帯でかけても、まさに隣の人とかけているような、同じ町でかけているぐらいに鮮明に聞こえますね。あれは、言うまでもなく、通信衛星を介してやりとりをしているわけですから、かなりの強力な電波が出ているんだろうなというふうに思います。ですから、私は神経質な方ですから、そういう点では、自分自身もどういう影響が出るんだろうというようなことは、実は心配することもあります。しかし、まだどういう影響があるのかというのは、科学的な解明が何もなされていないわけです。ですから、予防原則というふうにお話がありましたけれども、あるいは事が起こらなければ何もしないというのではというお話がありましたけれども、どういう影響があるかということもわからない。WHOでもそうですし、国の研究機関でも、人体にどういう影響があって、どう予防しなきゃいけないのかという指針も出ていないわけですから、こういう中で自治体が何かやれと言っても無理があるんじゃないですか。ですから、国の動きとか、予防原則といっても何を予防すればいいのか、これは我々にはわからないですよ。ですから、国が指針を示したり、あるいは制度化されたときにきちんと対応していきたい、こう思います。 <ページトップへ> |